英語「超」上級者は例外なく多読していた件

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対象:英語上級者をめざす人  
読了:約8分(4553字) 
公開:2017-04/07 

2015年にあるブログに出会ってから、多読に対するイメージが大きく変わりました。

また、「準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力」という記事でもお伝えしていますが、英語上級レベルに到達するためにはどうしたらいいかについて調べていたら、多読は必須ということが分かってきました。

この記事では、その経緯と、多読のコツや注意点についてまとめてみました。
 

なぜ多読が重要なのか?

● 多読の重要性に気づいたキッカケ

2015年に出会ったブログ「The Glad Game」の運営者のyukoさんは、TOEIC 900点以上&英検1級を取得されてますが、資格試験を中心に勉強してきた僕とは違い、多聴多読を中心に英語を学んでおられるんですよ。

yukoさんがスゴイのは「字幕なしで観ることのできる映画がかなり増えてきた印象」というレベルに到達されていることです。

そのyukoさんのブログ記事「多読10年間のまとめ」によると、2016年時点で506冊(約5165万語)の洋書を読んで&オーディオブックを聴いてこられたそうです。

その頃から、「英語上級者をめざすのであれば、多聴多読は必須っぽいな」と思うようになりました。


● 英語上級者と「超」上級者の差

その後、2016年に同時通訳者の関谷英里子さんの著書『同時通訳者の頭の中』という本で、さらなる事実を知りました。


中級以上になってくるとリーディング量の多寡が、その後の英語力を大きく左右してくるように思います。中級以上の人は、意識して読書量を増やしましょう。

私の周りには帰国子女がたくさんいます。しかし、その英語力にはかなりのばらつきがあります。……では、この差はどこから生まれるのか。

これは読書量の差なのです。

英語でも日本語でも言語能力が高い人、バイリンガルで英語を仕事でどんどん使っている人は、例外なくたくさん本を読んでいます。日本語でも英語でも、どちらでも多くの本を読んでいます。(旧版P. 114~116)




皆さんご存知「英語上達完全マップ」の森沢洋介先生も読書家で、「現在の私の語彙は25000~27000語と思われます」と仰っておられますが、著書



から、2005年当時ですでに350冊以上は洋書を読んでおられたことが分かります。

また、「CEFR(セファール)」の最高レベルである「C2」に到達しておられる、Siobhanさん(IELTS 8.5)も「吐くほど読む」とアドバイスされているので、かなり多読されてきたことが伺えます。

これらのことから、中級レベルを超えてからは特に、「英語力は読書量に比例する」と考えるようになってきました。



どれくらい読めばいいのか?


こうして、多読は必須であることが分かってきたわけですが、実際どれくらい読めばいいのか?が気になってきたので、調べていたら、いろいろ分かってきました。


第1目標:100万語

TOEFL 120点満点で、第二言語習得を教えておられる、青谷正妥教授が著書で、多読に関するある研究を紹介されていました。


西澤らの研究(Nishizawa, Yoshida, & Fukuda, 2010)では、高専の学生たちに、4年間に渡って多読をさせています。

その結果、10万語読んだ時点で訳さず読むことに慣れ、30万語から100万語を読んだ時点で自身の読解力に手ごたえを感じTOEICのスコアがはっきりと伸び、……

定性的な読解力向上の定量化には限界がありますが、これらのデータに基づき、西澤らは多読が成功するためには、少なくとも100万語読む必要があるのではないかと述べています。(P. 65~66)




また、最初にご紹介したyukoさんが、50万語、100万語に到達したときの感想をブログで説明されています。


2006年度、挫折したのち4ヶ月語に再開してからは順調で、100万語に達するまで正味約4ヶ月でした。

これは「ダレン・シャンシリーズ」にハマったことが大きかったです。シリーズ12冊を約1ヶ月で一気読み。この時の1ヶ月で50万語読んだ時に、完全に返り読み癖が無くなったのを覚えています。多読には自分のレベルに合った、夢中になれる本の存在が不可欠です。

……「目指せ100万語多読」とあるように、多読の最初の目標は100万語です。

100万語読んだ時に実感した効果は、「長文を読める体力がついたこと」でした。最初に読んだレベル3の語彙制限本は語数7000語前後だったのですが、最初は目が泳いでしまい、集中して読めなかったのです。

それが多読100万語を達成する頃には、YL(読みやすさレベル)5、語数5万語程度の本であれば3〜5日で読めるようになりました。100万語までにリーディング基礎体力をつけること、これがその後の多読を支えた一番大事なスキルでした。

【出典】多読10年間のまとめ


というわけで、僕は英検1級を取得してからになると思いますが、まずは100万語をめざそうと思っています。


第2目標:300万語

先ほどの青谷教授が著書で触れておられた、多読に関する研究の紹介の続きです。


300万語を読むと海外に1年間留学した人と同じ程度の効果が出たそうです。(P. 65~66)

【出典】英語学習論 -スピーキングと総合力-


次に、元Google米国本社副社長の村上憲郎さんも、著書『村上式シンプル英語勉強法』で、多読を勧めておられます。


私なりに導き出した答えは、単語にして300万語です。

これだけ読めば、誰もが”英語で読める”ようになります。ちなみに300万語というのは小説にして約30冊分。ノンフィクションなら約15冊分に相当します。(P. 33)




また、多読を広めておられる、「SSS英語多読研究会」の古川昭夫さんも、著書『英語多読法』で、300万語の多読を目標にすることを勧めておられます。


最初の300万語を読むくらいまでは、ただ漫然と読み進めるのではなく、きちんとした記録をとって、自分が今どの位置にいるのか、確認しながら読み進めることが重要です。

なお300万語を超えてから、語数やレベルはあまり気にする必要はありません。(P. 135~136)

ゼロから始めても、理解度7~9割で300万語の多読をすれば、基本語2000語が自在に使えるようになります。(P. 158)




というわけで、第2目標は300万語するのが良さそうです。

ちなみに、上述した多聴多読学習者のyukoさんは、500万語くらい読んだ辺りで、かなり大きな変化を感じられたようです。


確実にYL(読みやすさレベル)レベルが上がって大人の本も読めるようになった!と思えたのは、2009~2010年あたり、200冊以上読み、リーディングだけで500万語読んだ頃でした。



第3目標:月間30万語読む(聞く)

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語彙力が診断できるサイト「Test Your Vocabulary」によると、このテストを受けたたいていのネイティブは20000~35000語だったそうです。

このサイトで僕の語彙力を測ったところ、7360語だったわけですが(笑)、先ほどのyukoさんは2016年に、25100語を記録されているんですね。

少なくともyukoさんの認識語彙(≒読める語彙)はネイティブレベルに到達されていることが分かります。

そのyukoさんの記事「多読10年間のまとめ」から計算すると、だいたい毎月30万語の英語を読む or 聴くのを実践されているんですよ。

なので、最終的にこの数字を目標にしていけば、2016年のyukoさんのレベルに近づけるのではないかと考えています。なんかワクワクしてきた。



多読のコツ&注意点

多読3原則

上述した古川昭夫さんが開催されている「SSS英語多読研究会」に、多読3原則というものがあります。


多読をするときの基本三原則
(1) 辞書は使わない
(2) 分からないところは飛ばす
(3) つまらなくなったらやめる


「(1) 辞書は使わない」のは、辞書なしで読めるレベルの本から読んでいくことが大切だからだと思います。

ただ、絶対ダメというわけではなく、特に僕みたいに辞書を引くのが楽しい人は、引いてもOKかなと。僕も40万語の多読をしていたときは、気になった単語は辞書を引いてました。


7~9割分かるものを読む

「(2) 分からないところは飛ばす」のは大事ですが、内容が理解できなくなってしまうくらい読み飛ばすと意味がないので(笑)、古川昭夫さんが仰るように「7~9割分かるものを読む」のがいいです。

また、未知語(まったく知らない語)は5%以下が理想みたいです。


語学教育の権威である、Paul Nation博士は、多読を通じて新しい語彙を身につけるには、未知語が全体の5パーセント以下の本でなければいけない、と論じています。

つまり、未知語が20語に1語以下であれば、辞書を引かなくても、前後関係からその言葉の意味を高い確率で類推できるというのです。これは実際に、多読指導を行っている私たちの実感ともぴったり当てはまります。(P. 65)

【出典】英語多読法


実際、まったく知らない語彙が多い洋書を読んでると、読み飛ばすとサッパリ分からなくなりますし、辞書でいちいち調べていると、なかなか先に進めないのでモチベーションが下がってくるんですよね(ノд`)


洋書が読めるようになる2つのルート

洋書にトライされたことがある方は感じておられると思いますが、けっこう難易度高いですよね。

TOEIC 900点を超え、英検準1級に合格してからは、読みやすくはなりましたが、易しめの洋書は何とかなるものの、多くの洋書はまだ辞書がないと厳しいレベルなんですよね……

準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力」でも触れましたが、「洋書を辞書なしで、ある程度読めるレベル」に到達するだけでも、最低1万語、できれば1.3万語が必要みたいです。

そんなわけで、「基本的に辞書なしで洋書を読めるレベル」に到達する方法について、2つの鉄板ルートを挙げておきます。

(1) Graded Readers → 洋書

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「Graded Readers」というのは、子供が辞書なしでも楽しめるように、語彙が制限された洋書の総称で、「レベル1→レベル5」に上がるに連れて難しい語彙や文法の割合が増えていくように設計されています。

1つめは、この「Graded Readersでまず100万語まで読み、YL(読みやすさレベル)の低い(=易しめ)の洋書に入っていくルート」です。

森沢洋介先生も「プレ多読」で触れておられますが、Graded Readersを勧められている方は多いです。

Graded Readersを出しているのは、主に次の3つの出版社のシリーズです。


● ラダーシリーズ(出版社サイトAmazon
● Oxford Bookworms Library(出版社サイトAmazon
● Penguin Readers(出版社サイトAmazon


Graded Readersは小説が多いので、小説が楽しめる人にはすごくいいと思います。

僕は小説があまり楽しめない人なので、バイオグラフィー(人物の伝記)系のものと、文化・自然科学・歴史・テクノロジーに焦点を充てた『Oxford Bookworms Factfilesシリーズ』を中心に読みました。

ただ、バイオグラフィーとFactfilesの出版数はそんなに多くないので、40万語くらいで読みたいものがなくなってしまったんですよね(笑)

また、Graded Readersのレベルの低いものは確かに読みやすいのですが、思ったほど楽しめなかったんです。それもあってGraded Readersで多読するのは断念しました(˜∀˜;)

僕と同じように、ビジネス書、自己啓発書、実用書、健康関連、歴史関連が好きな方は、次のルートで洋書に入っていくほうがいいかもしれません。


(2) 英検1級 → 洋書

英検を33年教えておられる植田 一三先生によると、「英検1級に合格するレベルだと、認識語彙はだいたい1万語になる」らしく、多くの1級ホルダーの方々が「洋書が読めるようになった」と仰っておられるんですよね。

なので、Graded Readersが合わなかった人は、(TOEIC 900 → 英検準1級 →)英検1級と試験中心に英語力を高め、1級合格後にペーパーバックに入るというルートのほうがいいかもしれません。

僕は英検1級合格後に、自分が興味がある洋書を読んでいこうと考えてまして、すでにウィッシュリストが150冊を超えています。



 
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