
2010年からTOEIC L&Rを受け始め、トータルで40回受験してきました。2017年現在、お陰様で930点(L465/R465)に到達しています。
900点を超えたことで、自分に自信ががつき、英語の基礎が身につきました。また、このブログを始めてから、ブログで生計が立てられるようにもなりました。なのでTOEICには非常に感謝しています。
ただ、2013年から【 オンライン英会話 】を始め、2015年から「英検」の勉強を始めたことで、あらためてTOEICの良さが見えてきたと同時に、TOEICでは身につきにくい英語力があることもよく分かってきました。
そんなわけで、この記事ではTOEICのメリット・デメリット、TOEIC中心の勉強で学べること・学べないことをまとめてみました。ここで言うTOEICは「TOEIC Listening & Reading」のことです。
TOEICを受けるべきかどうか、TOEICで英語を勉強していくべきかどうかなどで悩んでおられる方には、参考になると思います(・∀・)/
TOEICのメリット
● 自信がつく
ぶっちゃけ、TOEICに特化して勉強して900点を超えても、「英語に対する自信」はそんなにつきません(笑)「映画・海外ドラマを字幕なしで」にはほど遠いリスニング力ですし、語彙力も5000~6000語くらいでそんなに高くないので洋書を辞書なしで読むのは厳しいレベルです。
900点を超えたとき、「英語ができるようになった、とは言えないなー」と感じていました。
今は英検準1級にも合格し、【 オンライン英会話 】も4年やってきましたが、勉強すればするほど、「ネイティブ並みにペラペラ」というのは幻想なんだと悟りつつあります(笑)
それくらい、英語上級者への道のりは果てしないです。
ですが、TOEIC 900点を超えようと思うと、元々の英語力にもよりますが、1日2時間くらいのペースだと、2年くらいかかります。超早い人で1年、苦手な人だと3~4年かかる可能性もあります。
その道中では、スコアや英語力が伸び悩む時期(プラトー)が何度もやってくるので、「あー、僕には英語は向いてないのかも……」と自暴自棄になってしまうこともけっこうあります。
それでも諦めずに継続して900点を超えたとき、「自分もやればできるんだ」という自信がつきます。
僕はTOEICのお陰で、自分が変わりましたし、人生が変わりました。なので「自分を変えたい」「自分に自信をつけたい」という理由で英語をやるのもアリだと思います。
【参考】TOEIC 900点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
● リスニングとリーディングの伸ばし方が分かる
900点を超えてくると、リスニングとリーディングの基礎力が身につきますし、勉強のやり方も分かってきます。その後、英会話・英検・TOEFL・IELTSなどを始めるときにも、TOEICで培った基礎英語力と勉強法は必ず役に立つはずです(・∀・)b
● TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編
● TOEIC スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編 / Part 7編
● 測定可能な目標が作れる
「英語ペラペラになりたい」という曖昧な理想ではなく、「○◯◯点取る」という、測定可能で具体的な目標を作れるようになります。ピーター・ドラッカーが次のような言葉を遺しています。
(測れるものは改善できる)
スコアが上がるに連れて、英語力の向上も感じられるので、自分の成長を客観的に測ることができるわけです。多くの人がTOEICにハマる理由の1つかなと。
【参考】英語を5000時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
ちなみに、英検にも「英検CSEスコア」というのがあるのですが、2017年現在、個人的にはあんまり信頼していません(笑) 特にスピーキングとライティングは、うんのよさの割合がわりと大きいと感じています。
英検1級ホルダーで、準1級と1級を同時に受験されたNOBUさんがブログでまとめて下さっています。
【参考】CSEスコアに一貫性はあるのか?(新しい英検の楽しみ方)
● モチベーションを維持しやすい
2013~2014年を除いて、2010年からほぼ毎回、TOEICを受けてきました。お金はかかりますが、「次の試験までにこの本を3周しよう」という具体的な短期目標と期限を設定できるので、怠けやすい自分としては、モチベーション維持に役立っています。
毎回受けなくても、2~4ヶ月に1回受けるだけでもモチベーション維持に役立つはずです。
Laziness fuels more laziness. Activity fuels more activity.
● 仕事で使える、実用的で丁寧な英語が学べる
TOEICは、アメリカのテスト開発機関「ETS」というところが作成してまして、実際にネイティブが使っている丁寧な英語が学べます。2013年から、【 オンライン英会話 】での勉強も始めましたが、TOEICで慣れ親しんだ語彙・表現は、瞬時に聞き取れ、読めますし、【 瞬間英作文 】でトレーニングすればすぐに使えるようになります。
特に、仕事で英語を使っている人や、英語圏に住む予定のある人にとっては、非常に実用的な試験だと考えています。
● 900点あると英語を話せる素地はある
「TOEIC 900点持ってても話せない」という批判があります。ですが例えばもし、「英語がまったくできない人」と「TOEIC 900点を持ってる人」が、今日から同時に、スピーキングのトレーニングと英会話を始めたとしたら、「900点を持ってる人」のほうが確実に成長は早いです。
赤ちゃんは生まれたとき、まったくアウトプットはできませんが、母親の言葉を繰り返し聞き、そして、自分でも発声し、文章を組み立てて、徐々に話せるようになってきます。
TOEICの音声や英文を使って【 オーバーラッピング&シャドウイング 】【 暗唱 】などのトレーニングをやってると、赤ちゃんが言語を話せるようになるメカニズムである「繰り返し聞き、そして自分でも発声する」をやってることになります。
自分の経験では、TOEICで慣れ親しんだ語彙・表現は、英会話をしているときにスピーキングで出てきやすいと感じています。
Output always equals input.
● TOEICは英語を使ったゲーム
個人的には、TOEICはゲームみたいな感覚があります。勉強を始めた頃は、ほとんど聞き取れないですし、読むスピードも遅いので、すごくツラいです。それでも、ずっと続けていると、少しずつですが、聞き取れる割合、読むスピード、解ける問題が増えてきます。
出題者の意図に気づいて、ヒッカケが見抜けたり、設問で問われる箇所が分かったりすると面白くなってきます。英語力が向上すればするほど、見抜けるヒッカケや解ける問題が増えてくるので、どんどん楽しくなってくるんです。
これもTOEICにハマってしまう理由の1つかなと。
TOEICのデメリット
● TOEIC学習では学べない語彙・表現が多々ある
TOEICが測る英語力はかなり限定的です。厳密に比較することは難しいと思いますが、感覚的には英検よりも狭い範囲の英語力を測る試験だと感じています。Part 3の会話で女性が2人出てきても、ガールズトークにはならないですし、男性と女性が痴話喧嘩を始めることもありません。
政治・戦争・宗教・事件などのトピックは出てきませんし、英検に出てくるような歴史・文化・科学・環境・医療に関するトピックは詳細には描かれないので、そういった語彙もあまり身につきません。
【参考】英検学習で得られる6つのメリット
ただ、試験範囲が限定的だからこそ、短期間の学習で比較的すぐに成果が出る = モチベーションを維持しやすいというメリットにもなると感じています。
● ただ解くだけでは話せるようにはならない
ただ、漫然と問題を解いているだけでは、スコアが上がりにくいだけでなく、実践的な英語力も身につきにくいです。そもそも、英語で会話できるようにするためには、最初に
(2) 会話でよく使う表現を身につける
(3) 「自分」を英語で説明できるようにする
(4) リスニング力を多少高めておく
(5) 実際に英会話で話していく
【参考】オンライン英会話 初心者が撃沈しないために準備すべき5つのこと
の5つが必要だと感じています。
『公式問題集や信頼できるTOEIC対策本』の音声や英文を使って、【 オーバーラッピング&シャドウイング 】【 暗唱 】【 瞬間英作文 】を中心にトレーニングすれば、(1)(2)(4)はある程度身につくと思いますが、(3)はちょっと厳しいかなと。
(5)にあるように、実際に会話をしていくことが重要です。この点は英検も同じです。
暗唱や瞬間英作文などのスピーキング練習でスラスラ言えることと、英語でコミュニケーションが取れることの間には、わりと大きな差があると感じています。
なので、TOEIC 800点くらいを超えてきたら、英会話も始めていったほうがいいです。
詳しくは「オンライン英会話はTOEICに効果があるか?」の「TOEIC学習者はいつ英会話を始めるべきか?」をお読み下さい。
● TOEICだけでは上級にはたどり着けない
受験されたことがある方は、感じておられると思いますが、TOEICのナレーターが話す速度は、ネイティブが普段話す速度よりも遅く、発音もクリアでかなり聞き取りやすい部類に入ります。TOEICを未受験の方は、公式サイトでサンプル問題の音声が聞けます。
そして、実際のネイティブが普段話す英語はこんな感じです。
どうですか?実はこのスピードでもまだゆっくりなほうだったりします(笑)
Sharlaさんの話すスピードは速いときはもっと速くて、「音の連結・消失」も凄まじいです。
TOEIC中心に勉強して満点が取れたとしても、「映画・海外ドラマを字幕なしで観られる」ようにはならないですし、「洋書を辞書なしで読める」ようにもなりません。
だからと言って、いきなりエベレスト登頂(ネイティブレベル)をめざすと、間違いなく滑落するので(笑)、最初は初心者でも登れる富士山(TOEICや英検)をめざしたほうが実現性が高いと思います。
ですが、富士山山頂へのルートはエベレストには続いていないことも痛感してきました。
【参考】準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力
● TOEICの英文はつまらないかも
英検の読解問題やリスニングPart 2は興味深いので、勉強していても楽しいです。ところが、TOEICは特定の国・組織・会社・団体に偏らないようにするために、会話・トーク・文書のストーリーは、そんなに好奇心そそるようなものではありません。
ただ、ずっとTOEICに浸っていると、ハマる人も出てきます。
● 試験は試験なので対策は重要
TOEICは非常によく練られた、安定した試験ではあるものの、やはりテストはテストなので、実力が同じであっても、最新の傾向や問題の解き方のコツを知っているかどうかで、100~200点くらいは変わってきます。また、受けるフォームや月によっても難易度はそこそこ異なります。自分が受けた回がたまたま難しかった、というときもあります。ただ、これはすべての英語試験に言えることなので、仕方のないことかなと思います。
TOEIC 900点は誰でも到達できる
かつての僕もそうだったように、「私には900点なんて…」という方が多いのですが、本気で英語を身につけたいのであれば、TOEIC 900点は通過点と考えて下さい。
ヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン「CEFR」というものがあります。
低いレベルから順に、A1→A2→B1→B2→C1→C2の6段階あるのですが、公式サイトの「Mapping the TOEIC Tests on the CEFR」によると、TOEIC 900点は(L470/R430だとしたら)、上から3つめの「B2レベル」、つまり、中級レベルなんです。
個人的には、英検・TOEFL・IELTSなどの他の英語資格もなく、英語もあまり話せない、TOEIC 900点ホルダーの場合、「B1レベル」くらいに考えておいたほうがいいです。
僕が2012年に始めて900点を超えたときの英語力を振り返ってみると、ひどいレベルだったなと(笑) 英会話でも、スピーキングはシドロモドロでしたし、先生の言ってることが聞き取れなくて何度聞き返したことか。
今は英会話も4年やってきて、多少は話せるようになってきましたし、英検も1年半勉強してきたことで、聞き取れる&読める英語のジャンルが増えましたが、それでもまだ中級レベルなんですよね。
「900点を超えてから本当の英語学習が始まる」とまでは言わないですが、TOEICに特化して取れた900点の英語力は、TOEICを始めた頃に想像していたものよりも、かな~り低いと見積もっておいたほうがいいです。
一番お伝えしておきたいことは、TOEIC 900点は中級レベルなので、誰でも達成できるということです。
決して低いハードルではないですが、優秀な人にしか達成できないというものではないです。年数はかかりますが、絶対達成できます。そして得られる自信は大きい。
なので、諦めないで頑張っていただきたいです(`・ω・´)b
● 初心者~600点/700~800点
● 900点/990点満点
【 おすすめ参考書・問題集 】
● 参考書の選び方 8つの注意点
● 900点獲るのに役立った参考書まとめ
● 公式問題集・模試/単語帳/文法書
● Part 1~4/Part 5・6/Part 7
【 リスニング対策 】
● 新形式リスニング対策
● 勉強法:Part 1・2編/Part 3・4編
● 先読み/キーワード400
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● オーバーラッピング&シャドウイング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 リーディング対策 】
● 新形式リーディング対策
● 勉強法:Part 5・6編/Part 7編
● 精読(英文解釈)/通読/速音読
● キーワード400/言い換え
【 問題解決 】
● 英語学習の継続のコツ
● 各スコアに必要な勉強時間&問題数
● スコアが伸びない9パターン
● 時間が足りない対策:Part 5・6編/Part 7編
● アビメの見方:リスニング/リーディング

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