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公開:2012-11/02
更新:2022-06/28 一部・加筆・修正
関連:初心者600点 / 700~800点 / 900点 / おすすめTOEIC本 / Part 1・2 / Part 3・4 / Part 5・6 / Part 7 / スコアが伸びない / 最後まで解けない / アビメL - アビメR
「ゴールが何キロ先にあるのか分からないマラソン」「完成図見本を紛失してしまったパズル」ほど苦しいものはないと思うんですよ。TOEIC初心者~700点台の頃、ずっとそういう暗中模索な気持ちで勉強してました。
もし「何をどれくらいやったら600点~900点が取れるのか?」というのが、おおよその目安でもいいから分かっていたら、もっと精神的にいい状態で勉強できたんじゃないかと思ったのでまとめてみました。
ただ、スコアアップされた当ブログの読者さんからいただいた報告を拝見していると、このブログに書いてある通りに勉強しても、元々の英語力などによって大きく変わってきます。
「これだけやれば、必ず○○○点取れる」というものではないので、1つの目安として参考にしていただければ幸いです(^_^ゞ
目標スコア別 必要勉強時間の目安
現在400点台だった場合を想定して、各スコアを取るのに必要な勉強時間を計算してみました。これは自分の経験と、満点ホルダーの方々やブログの読者さんとやりとりしてきた上での数字です。
● 600点をめざす → 400~600時間
● 700~730点をめざす → 600~1000時間
● 800点をめざす → 1000~1500時間
● 900点をめざす → 1500~2500時間
※現在400点台だった場合を想定。
TOEIC満点講師・TEX加藤先生 が、「マイナビのインタビュー」で、
毎日3時間勉強すると、3カ月間で約100点スコアがアップするという結果がでました。つまり、200~300時間勉強で100点もアップすることができるのです。
とおっしゃっておられます。
また、フィリピンで日本人向けの英語スクールを運営されておられる はるじぇーさん も、ブログ記事「 【TOEIC】点数を伸ばすために最も大切な「勉強時間」という考え方」で、
私だって米国留学の準備の段階、そしてNew Yorkでの学習時間を計算すると軽く1500時間以上の勉強をしています。TOEIC 900点以上を取得できたのはこの時間の積み重ねがあったからだと思います。
とおっしゃっておられるので、「900点を超えるためには、少なくとも1500時間は必要」というのは、1つの目安になると考えています。
目標スコア別の勉強法・トレーニング・おすすめ参考書については、次の記事を参考にしてみて下さい。
● TOEIC初心者が確実に600点取るための6つの戦略と勉強法
● TOEIC 700~800点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
● TOEIC 900点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
目標スコア別 必要な歳月の目安

※クリックすると別ウィンドウで大きく表示できます。
このグラフは僕のスコア履歴です。詳しくは「TOEICスコア戦績&総勉強時間」をご覧下さい。
次に、だいたい何ヶ月で、何年で目標スコアにたどり着けるのかの目安も挙げておきます。
● 700点超え → 6ヶ月~1年
● 800点超え → 1~2年
● 900点超え → 2~3年
※現在400点台だった場合を想定。
現在の英語力にもよりもますが、1日に2時間くらい勉強するとしたら、だいたい1年前後で800点台、2年前後で900点台に到達される方が多いです。
ぜひ知っておいていただきたいことは、多くの人は900点を超えるのに2年くらいはかかるという事実です。最初から長丁場になることを覚悟しておけば、スコアが伸び悩む時期が数ヶ月あっても、そんなに悩まなくて済みます。
英語は数ヶ月にして成らず。
僕も900点を超えるのに2年以上かかってますし、上図を見ていただければお分かりいただけますが、800点前後で1年伸び悩んだ時期もあります。そんなもんです。
僕と勝負すべし!
以前、ある読者さんが900点をめざしていたとき、「TOEICスコア戦績」を見ながら、900点をめざしていたときの僕と勝負しておられました。つまり、「僕が600点から、900点を取るまでにかかった歳月(2年3ヶ月)よりも早く、900点に到達する」のを目標に頑張っておられたんです。マリオカートのタイムアタックで、僕のゴーストと競争する感じです。
競争相手がいたほうがゲーム的に楽しめると思うんですよ。いわゆる「ゲーミフィケーション」ですね。
そんなわけで、僕が600点、700点、800点、900点に初めて到達したときの月日を載せておきます。
2010年09月 710点 (L375/R335)
2011年09月 805点 (L435/R370)
2012年10月 910点 (L445/R465)
例えば、現在600点前後の方は、2年3ヶ月未満で900点に到達できれば「勝ち」です。
僕は途中で何度も頓挫して、数週間勉強しなかった時期が何度かあるので(笑)、スコアが伸び悩んでも下がっても投げ出さずに、毎日コツコツ2時間の勉強を続けることができれば、僕に勝つ(2年3ヶ月未満で900点到達)は難しくないと考えています。
もし勝てたら「TOEIC 600~900点に到達された読者さんからのご報告募集中!」でご報告下さい。僕がブログで讃えて差し上げます(笑)
Give it a try!
【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
スコアアップが早い人の特徴

短期間で大幅にスコアアップする方の特徴をまとめておきます。
今までいろんな読者さんと話してきましたが、
(1) 学生さん(受験勉強で英語力の貯金がある)
(2) 学生時代に英語をそこそこ勉強していた社会人
(3) 普段から英語を使う機会がある人
(4) 文法に強い人
(5) 1日に2~3時間以上勉強する人
は成長が早いという印象があります。(5)以外は、もともと多少英語力がある人だということが分かります。
Web上でよく「3ヶ月(~半年)で800点取りました」という人を見かけますが、短期間で800~900点取る人は、例外なく、元々そこそこ英語力があった人 or 1日に長時間勉強した人です。学生さんだったり、仕事で英語を使っている人だったり。
学生のときに英語が苦手だった人や、1日の勉強時間が1時間くらいの人にとって、「半年で800~900点超え」という目標はあまり現実的ではないと考えておいたほうがいいです。
ちなみに、約1年間の勉強で600点台から900点台に到達された読者さんが、過去に2人おられました。
1人はツイッター上で報告して下さった、毎日3時間勉強し続けた方(アカウントが消えてるので詳細を聞けなかった…orz)で、もう一人は【 暗唱 】と【 再読 】をきちんと実践されたりょーさん(905点)です。
スコアアップが早い人がしている勉強法
学習初期から、暗唱と精読&再読を取り入れた方は成長が早いと感じています。● TOEIC 800点台に到達された読者さん
● TOEIC 900点台に到達された読者さん
【 暗唱 】
Part 3・4に出題される会話・トークの多くは、よく出る鉄板ネタで構成されています。お店での注文、ホテルでのクレーム、チケットの予約、仕事の会議、空港のアナウンス。
なので、『公式問題集や信頼できる模試』のPart 3・4の会話・トークの英文を暗唱すると、聞き取れる割合が増えるのはもちろん、会話・トークの展開を予想しやすくなるので、100%聞き取れなくても正解を選びやすくなります。ズルいくらいに(笑)
学生時代、試験範囲の部分を暗唱して、テストで高得点が獲れた経験があると思います。それと同じなんです。よく出る鉄板ネタを暗唱すればするほど、本試験でも似たような会話・トークに出会える確率が上がります。
「ひたすら音読や【 オーバーラッピング&シャドウイング 】をしているけど、リスニングがずっと伸び悩んでいる…」という方はぜひ!
【参考】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!
【 精読&再読】
このブログで言う精読とは「不明な語彙・文法・文構造を、「辞書」「文法書」でチェックすること」で、再読とは「精読で正確に理解し終えた英文を繰り返し読むこと」を指します。リーディングパートにおいては、速く読めることが大事だというのは感じておられると思います。
ですが、正確さも非常に重要なんです。たった1つの形容詞や名詞を見逃すだけで、選択肢照合問題で正解の選択肢を選べない問題、というったケースも少なくないんですよ。大げさじゃなくて。
ですが、精読した上で、再読で繰り返し英文を読むと、英文を正確に、かつ、速く読めるようになります。
また、Part 5によく出る語彙・文構造、Part 6・7によく出る文書があります。
なので、リーディングパートの英文を繰り返し読むことで、よく出る英文・文書のパターンをインストールでき、本試験でも内容を予測しながら読めるようになる → 速く読めるようになります。
特に「多読をやってきたけど、最近スコアが伸び悩んでいる…」「今まで多解き中心でやってきたけど、スコアがしばらく頭打ちになっている…」という方にぜひ試していただきたいっす!
● TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法
● TOEIC リーディング465点が獲れたPart 7勉強法「再読トレーニング」
目標スコア別 必要問題数の目安
各スコアを取るのに必要な問題数についても考えてみました。
● 600点をめざす → 400~600問
● 700~730点をめざす → 800~1200問
● 800点をめざす → 1000~2000問
● 900点をめざす → 2000~4000問
※現在400点台だった場合を想定。
● スコアが伸びない人の多くは○○が足りない件
ツイッターで毎回つぶやく度に反響があるので貼っておきます。TOEICは難化したとは言え、新形式の公式問題集や模試を含めて約2000問分以上のTOEIC本をすでにお持ちの方は、それらをやり込めば800点は取れます。800点に届いていない場合は、明らかに復習&トレーニング不足。新しい本を買う前に、今いる子たちをもっと愛してやって下さい♪
— ツウ@英会話TOEIC勉強まとめブロガー (@tsukun777) 2016年11月25日
合計2000問(テスト10回)分以上のTOEIC対策本を持っているのに、800点を超えていない場合、間違いなく勉強のやりこみ度が甘いです。
よくあるパターンは、「問題集を繰り返し解くだけ」「問題を解いて答え合わせをして、知らない単語を調べて終わり」といった勉強法で、それだと600~700点台で伸び悩む可能性が高いです。
今一度、その問題集たちの音声を聞き、英文を読んでみて下さい。瞬時に聞き取れない音声、読めない英文が大量に残っているはずです。
【参考】TOEICスコアが伸びない人によくある9パターンとその対策
● 聞き取れる割合、読む速さはどれくらいか?
リスニングパートの場合、(正確に)聞き取れる割合とスコアはほぼ正比例します。300点前後だとPart 3・4は一部しか聞き取れず、400点前後でも何の話かよく分からなかったというセットが複数あると思います。自分の感覚では、450点を超えるときは8~9割は聞き取れているかなと。
リーディングパートの場合、(正確に)読む速さとスコアが正比例すると考えています。
Part 5やPart 7の「article」などの難しめの文書は130wpmで、Part 6やPart 7の易しめの文書は150 wpmくらいの速度で読めないと、400点を超えるのは厳しいと思います。
Part 5の30文(約520 words)を4分で読めれば130wpmに。Part 6の4つの文書(約560 words)は、3分44秒で読めれば150wpmになります。
読む速さや計算式に関しては、次の記事も参考にしてみて下さい。
【参考】速音読トレーニングの効果・やり方
2010~2012年頃と比べると、最近のTOEICは、より正確に、かつ、瞬時に理解できるリスニング力・リーディング力がないと、800~900点を取るのは難しいなと。
そして、そのリスニング力・リーディング力を身につけるためには、『公式問題集』などのTOEIC本の音声と英文を使ってトレーニングするのが最も効率的だと考えています。
トレーニングのやり方については、次の記事を参考にしてみて下さい。
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編
【参考】TOEIC スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編 / Part 7
量はもちろん、質も大事な件
● 量(勉強時間)が大事な理由
いまだに「1ヶ月でペラペラになれる!」みたいなタイトルの本や教材を見かけるのですが、実際、1ヶ月でペラペラになった人に出会ったことがありません(笑)そんな魔法の杖があったら、今頃日本人はみんなペラペラになってますよね。
ちなみに僕は2017年1月現在、8369時間勉強してきました。取得している資格は、TOEIC 900点前後&英検準1級のみです。
僕は【 オンライン英会話 】を週5日のペースでやってますし、試験勉強をしない年もあったので、他の学習者さんと比べていると、勉強時間の割にたいした資格は獲れていないなと(笑)
※資格に特化したら、3000~5000時間でTOEIC 950点以上&英検1級合格は可能っぽい。
英語力というのは単純比較できないと思いますが、それでも、TOEIC満点&英検1級を何度も取得されているような方々は、1~2万時間くらい費やしておられるのではないかと。
そして皆さん、僕よりも文法に強いですし、聞き取れる割合も多く、読むスピードも速く、スピーキング力も高いと感じます。
また、同時通訳者の関谷英里子さんも、著書『えいごのつぼ』
によると、2万時間勉強された(P.6)そうです。
幼少の頃に4年くらいイギリスに住んでおられたみたいですし、今では同時通訳者として働いておられるわけですから、「英語に触れている時間」で換算したら、もう10万時間を超えているのではないかと勝手に推測しています。
● 質(勉強法)も大切な理由
最近お気に入りの本『超一流になるのは才能か努力か?』に次のようなことが書かれてありました。
意外にも長年の医師は、若手の医師と比べて医療の知識に乏しく、適切な治療の提供能力にも欠けていることが分かっている。楽にこなせる範囲で満足し、同じことを繰り返していては、一度身につけたスキルも徐々に落ちてしまうのだ。(P.163)
限界的練習の原則はまったく異なる立場をとる。誰でも能力を伸ばすことはできるが、それには正しい方法が必要である、と。上達しないのは、生まれつき才能がないためではない。正しい方法で練習していないからだ。
それさえわかれば、あとは「正しい方法」とは何かを探り当てるだけだ。(P.171)
放射線診断医の能力は必ずしも経験とともに高まらない。……放射線専門医には画像診断を繰り返し練習し、毎回的確なフィードバッを受ける機会がないことだ。(P.175~176)
医師や放射線診断医と比べると、英語学習者は、経験とともにスキルは高まっていきやすい部類に入ると思います。
それでも、勉強のやり方次第で、その上達速度はけっこう大きく変わると感じています。
このブログを作ったのも、僕の失敗と成功を共有することで、読者さんは僕よりも早く成長できるようになるはずだと感じたからです(`・ω・´)b
● 自分の勉強法を振り返るための記事
「定期的に、スコアが伸びない原因、聞き取れない原因、読めない原因、間違える原因を自己分析し、それに合った練習を行う」というのを心掛けている人は上達が早くなるはずです。独学だと、フィードバックを受ける機会を作るのは難しいですが、例えば、次のような記事を参考に、定期的に自己分析していただければ、成長速度を高めることはできると思います。
● TOEICスコアが伸びない人によくある9パターンとその対策
● 2年勉強してもTOEICリスニングスコアが10点しか上がらなかった話
● リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける|効果、やり方
● TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!
● シャドウイングで伸びないと感じる人に試して欲しい6つの処方箋
● 弱点と対策が分かる!アビメの見方 リスニング編 / リーディング編
● TOEIC リーディングで時間が足りない!対策と勉強法 Part 5・6編 / Part 7編
● 初心者~600点/700~800点
● 900点/990点満点
【 おすすめ参考書・問題集 】
● 参考書の選び方 8つの注意点
● 900点獲るのに役立った参考書まとめ
● 公式問題集・模試/単語帳/文法書
● Part 1~4/Part 5・6/Part 7
【 リスニング対策 】
● 新形式リスニング対策
● 勉強法:Part 1・2編/Part 3・4編
● Part 2:間接応答・距離が遠い問題
● Part 3・4:先読み/キーワード400
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● オーバーラッピング&シャドウイング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 リーディング対策 】
● 新形式リーディング対策
● 勉強法:Part 5・6編/Part 7編
● 精読(英文解釈)/再読/速音読
● キーワード400/言い換え
【 問題解決 】
● 英語継続のコツ
● 各スコアに必要な勉強時間&問題数
● スコアが伸びない - 2年で10点
● 時間足りない対策:Part 5・6編/Part 7編
● アビメの見方:リスニング/リーディング

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