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公開:2013年春頃
更新:2014-12/17 部分的に加筆・修正
関連:初心者600点 / 700~800点 / 900点 / おすすめTOEIC本 / Part 1・2 / Part 3・4 - 暗唱 / Part 5・6 / Part 7 / スコアが伸びない / 最後まで解けない / アビメL - アビメR
現在リスニングで400点未満の方は、「問題を解きまくる」「先読みのテクニックを磨く」よりも、Part 3・4の英文を【精読】した上で、【シャドウイング】【瞬間英作文】【暗唱】でトレーニングしたほうがスコアが上がりやすいです。
この記事は、「TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編」の後編になるので、未読の方はそちらからぜひ。
また、リスニングパート全般の最近の傾向、勉強の進め方については「TOEIC リスニング 最新おすすめ参考書と勉強の進め方」をご覧下さい。
それではいってみましょう(=゚ω゚)ノ
1. Lのスコア≒Part 3・4で聞き取れる割合
TOEIC講師の澤田健治先生が、AllAboutの記事「TOEICスコアと英語力を同時に伸ばす勉強法(2)」で、
とおっしゃっておられまして、これは僕も経験上、共感しています。
リスニングが300点前後の頃は、Part 3・4は一部しか聞き取れず、400点前後の頃は5割くらいで、445点が獲れたときは、9割は聞き取れていました。
ですので、Part 3・4で聞き取れる割合を増やすことが、TOEICのリスニングをほぼ制するのです!ヾ(゚Д゚ )
(Part 1・2には、Part 3・4に出てこない語彙・表現もあるので、”ほぼ”かなと)
【参考】TOEIC 700~800点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
2. Part 3・4のトレーニングのやり方

3回チャレンジ法
模試や公式問題集を解くとき、またその後の勉強法は、ヒロ前田先生が提唱されている「3回チャレンジ法 by ヒロ前田先生」をベースにやっていくことをお薦めします。
お薦めの模試・公式問題集については、「TOEIC 最新おすすめ模試・公式問題集と勉強の進め方」を参照して下さい。
3回チャレンジ法そのものについては、上記リンク先のヒロ前田先生のブログ記事をお読みいただくとして、ここでは、3回チャレンジ法をベースにした勉強・トレーニングの進め方について書いていきます。
Step 2:時間無制限で解く(チャレンジ2回目)
Step 3:音声でディクテーション
Step 4:英文スクリプトの精読
Step 5:オーバーラッピング・シャドウイング
Step 6:瞬間英作文
Step 7:暗唱
Step 8:テスト前に再度解く(3回チャレンジ目)
Step 1:時間を測って解く(チャレンジ1回目)
模試なら、通常通り、時間を測って解きます。解き終わっても答え合わせはせず、すぐに、もしくは翌日などに、Step 2に進みます。問題集なら、1セットもしくは1ユニット(1章)解いて、Step 2に入るといいと思います。
Step 2:時間無制限で解く(チャレンジ2回目)
今度は、時間無制限で、音声は何度聞いていいので、自分の実力だけで解きます。このときもまだ、辞書や文法書はまだ使いません。解き終わっても答え合わせはしません。1回解くだけだと、解き残してしまう設問があったり、音声が聞き取れなかったりすると思います。
ですが、時間無制限で、音声を何度も聞いて問題を解くことで、自分の弱点をより正確に把握することができる=問題を解決しやすくなります。
Step 3:音声でディクテーション

時間無制限で解いた後は、Part 3・4の音声を使って「ディクテーション」をやります。
ディクテーションというのは、トレーニングというよりも、瞬時に聞き取れない発音、音の変化(連結・消失)を見つけ出すためのチェックツールと、個人的には考えています。
Part 3・4の音声でディクテーションがスラスラとできないのであれば、瞬時に聞き取れる発音、音の連結・消失のパターンのストックがまだまだ少ないということになります。
(350点未満の人は、たいていこういう状態だと思います)
ディクテーションについては、「リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける」でやり方や注意点を詳しく説明しています。
また、リスニングが苦手な方は、「初心者必見!リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール」を読んで、よくある音の連結・消失のパターンをあらかじめインストールしておくと、「なんでこんな発音になるねん!」と不毛に悩む回数を減らせるはずです♪
Step 4:英文スクリプトの精読

ディクテーションが終わったら、Part 3・4の会話・トークの英文スクリプト・設問・選択肢の「精読」に入ります。
「精読」というのは、英文を正確に理解する作業のことで、
などをチェックします。
精読せずに、ひたすらオーバーラッピング・シャドウイングのトレーニングをやるというのは、種を蒔かずにひたすら水をやるくらい無益なものになるのでご注意(`・ω・´)b
精読のやり方に関しては、「TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法(お手本画像あり)」をご覧下さい。
また、TOEICのPart 3・4・7では、会話・トークの本文と、設問・選択肢で表現が「言い換え」られます。
あと、「TOEIC Part 3・4・7 攻略のコツ&重要キーワード400」を参考にして、精読時にそのキーワードもチェックするクセを付けて下さい。
この「言い換え」と「キーワード」のストックが増えてくると、Part 3・4・7は面白いくらい解けるようになってきますよ(・∀・)b
単語・発音・語法を調べたいときは、次の記事を参考にしてみて下さい。
【参考】英語学習で重宝するオンライン辞書&便利サイトまとめ
Step 5:オーバーラッピング・シャドウイング

Part 3・4の音声と英文を、ディクテーションと精読で正確に理解したら、「オーバーラッピング・シャドウイング」でトレーニングしていきます。
オーバーラッピング&シャドウイングは主に、英語の音を聞き取れるようにするためのトレーニングです。
ディクテーションで聞き取れなかった発音・音の変化を中心に、オーバーラッピング・シャドウイングで2~3週間くらい毎日トレーニングすることで、脳に発音・音の変化を覚えさせることができます。
同じスクリプトを、オーバーラッピング・シャドウイングで、2~3週間くらい毎日トレーニングし、音声の通りにつまらずに言えるようになるまでやります。
そうすると、次に同じ音・音の変化が聞こえてきたときに、瞬時に処理できるようになります。
オーバーラッピング・シャドウイングについては、「シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点」をご覧下さい。
Step 6:瞬間英作文

時間のある方は、Step 5のオーバーラッピング・シャドウイングのトレーニングと並行して、時間のない方は、オーバーラッピング・シャドウイングが終わった後に、
Part 3・4の英文スクリプトを使って、「瞬間英作文」でトレーニングしていきます。
「瞬間英作文」というのは、「英語上達完全マップ」の森沢洋介さんが提唱されている「瞬時に和文英訳するトレーニング」です。
【Part 3・4で聞き取れなくて呆然となる原因】
TOEICのリスニングが300点~400点くらいになってくると、Part 3・4を解いているときに、「ところどころ単語や表現が聞き取れる」
「たまに1文聞き取れるときがあるが、全体はイマイチ理解できない」
「聞き取れない箇所があると、しばらくフリーズする」
という状況になると思います。
そして、問題を解いた後、スクリプトはまだ見ないまま、「何度も音声を繰り返し聞くと、内容がだいたい分かるようになる」レベルだと思うのです。
何度も音声を繰り返し聞くと、内容がだいたい分かるようになる
=一発で聞き取れない・文頭から瞬時に聞き取れない
=聞き取れた音から、瞬時に意味をつかめていない
=意味を理解する処理速度が遅い
ということになります。
瞬間英作文は、この「意味を理解する処理速度」を上げてくれると感じています。
なぜかというと、
=瞬時に意味を処理できる英文
=瞬時に聞き取れる英文
になるからです。
瞬間英作文は、リスニングで400点を超えてから始めたトレーニングですが、瞬間英作文の効果にもっと早く気づいていれば、もっと早く900点に到達できたと考えています。
瞬間英作文のやり方については、「瞬間英作文の効果的なやり方」を参照してみて下さい。
また、TOEIC本は当然なのですが、瞬間英作文がやりやすいトリガー(和訳)にはなっていないので、「瞬間英作文 トレーニング快適化 8つのコツ」を参考にすると、やりやすくなると思います。
Step 7:暗唱
人によっては、瞬間英作文の過程で、自動的に覚えてくると思いますが、最終的には、澤田先生が推奨されているように、Part 3・4のナレーターの音声のスピードで暗唱できるようにして下さい。【参考】TOEIC公式問題集活用法 Part4―暗唱(1)
Part 3・4で暗唱し終えたストックが増えれば増えるほど、Part 3・4の会話・トークのパターンが蓄積されていくため、会話・トークの状況がつかみやすくなり、その後のストーリーも予測しやすくなります。
TOEIC講師・神崎正哉先生が、ブログ記事「「リスニングが上がらない」「暗唱でしょう」」で、「会話20、トーク20(公式問題集1冊分)暗唱できたら、リスニングのスコアはおそらく400点以上になるでしょう」とアドバイスして下さっているので、まずはそれをめざしましょう。
暗唱の効果・やり方については、次の記事にまとめてあります。
【参考】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!
というわけで、Part 3・4で聞き取れないときの対策をまとめますと、
●音が聞き取れなかった → オーバーラッピング&シャドウイング
●音は聞き取れたが、意味・話の状況がつかめなかった → 瞬間英作文+暗唱
という感じです。
Step 8:テスト前に再度解く(3回チャレンジ目)
上記のトレーニングの流れで進めて、Part 3が終わったらPart 4へ、Part 4が終わったら次の模試・問題集に進み、またStep 1から始めるという感じです。そして、TOEICテスト1週間前になったら、再度時間を測って、模試を解き直します。これが3回チャレンジ法の3回目になります。
このときに、間違えた問題はきちんとチェックし、その原因を突き止めて下さい。
また、聞き取れなかった音声もチェックして、「音が聞き取れなかった」のか「音は聞き取れたが、意味がつかめなかった」のかを見極め、再度トレーニングし直すことも大切です。
3. リスニング400点前後の人
リスニングパートで、常時400点くらい取れるようになってきたら、もうひと踏ん張りです。
●テスト6回分で暗唱
上述したように、僕が445点獲れたときは、Part 3・4は9割くらい聞き取れていました。つまり、例えばもし「Part 3・4は5割くらいしか聞き取れない」のであれば、Part 3・4の会話・トークのパターンのストックが足りていないということになります。
満点ホルダーのTommyさんは、ブログ記事「暗唱継続」によりますと、公式問題集3冊分(テスト6回分)のPart 3・4(120セット)を暗唱されたそうなので、とりあえず120セットを暗唱すれば、Part 3・4はかなり聞き取れるようになるのではないかと。
僕がTOEICをメインで勉強していた頃は、800点くらいまでは音読とシャドウイング中心で、そこから瞬間英作文も並行してやるようになったのですが、最近は、Part 3・4のような長文系のリスニング素材に関しては、最終的に暗唱することでトレーニングが完成すると感じるようになってきました。詳しくは次の記事をご覧ください。
【参考】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!
●設問・選択肢の速読トレーニング
Part 3・4で高得点を取るためには、「先読み」が重要であることはおそらくたいていの方がご存知だと思います。そこで、その先読みを高速でできるようにするために、Part 3・4の設問選・択肢を精読と瞬間英作文で正確に理解した上で、速読するトレーニングもぜひやって下さい。目標20周。
実は、Part 3・4の設問・選択肢の、おそらく8~9割くらいは、よくあるパターンなんです。
ですので、公式問題集や信頼できる模試(著者がTOEICを受けている模試)の設問・選択肢を反復トレーニングしていると、
先読みスピードが速くなる=先読みのリズムが崩れても巻き返しやすくなる・リスニングしながら解答できるようになるので、Part 3・4の正答率が向上します。
【参考】TOEIC Part 3・4 解き方と先読みをマスターするコツ&練習法
●テスト2週間前から毎日解く
音読・オーバーラッピング・瞬間英作文などのトレーニングだけでなく、問題を解き慣れるようにするためのトレーニングも必要になってきます。時間がある人は同時進行でも構わないですが、1日に2時間くらいしかできない人は、普段は英語力を上げるトレーニングを優先し、テスト2間前くらいになったら、Part 3・4どちらか1セットをとくといいです。
毎日Part 3・4を解いてますと、Part 3・4の先読みのリズム、問題の解き方を体が覚えてきます。
Part 3・4に限らずですが、800点台を常に獲れるようになってきたら、苦手なパートは毎日1題解く→精読し、並行してシャドウイング・暗唱・再読などのトレーニングをすると、確実に克服できるようになりますよ(・∀・)b
●テスト1週間前は模試1セット解く
上述してますが、テスト1週間前になったら、時間的に可能な方は模試1セット、時間的に厳しい方は、リスニングパートかリーディングパートを1セット解くようにすることをお勧めします。可能な限り本番と同様の(もしくはより負荷の高い)環境下で毎日トレーニングすることで、本番では精神的に余裕を持って受けることができるようになります。
特に、Part 1・2の鉛筆移動ワザ、Part 3・4の先読み、リーディングセクションのタイムマネジメントなどは、毎日解いてないとできません。
ですので、800点台を常時獲れるようなレベルになってきたら、テスト前は公式問題集や模試を毎日解くことをお勧めします。
また、解く模試については、過去に解いた模試をやり直しつつ、新しい模試も解いて下さい。特に800点台半ば~後半でウロウロしちゃってる方は、過去に解いた模試は余裕で解けちゃったりするので、新しい模試・問題集も解いたほうがいいと思います。
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●TOEIC Part 3・4のシャドウイングの効率を2倍にするフリーソフト「Audacity」
