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公開:2013-02/01
更新:2020-11/21 ICレコーダーに鞍替えしたので加筆・修正
関連:ICレコーダー / ディクテーション - シャドウイング - リピーティング
2009年からMP3ウォークマンを11年愛用してきました。初号機から弐号機に乗り換えて。
ウォークマンだと、スマホを使う時間を減らせますし、物理ボタンのお陰で画面を見ずに操作できるので、歩きながらのシャドウイングがやりやすいんです。
ところが、2020年10月頃から弐号機がおかしくなってきたんですよ。そこで最新機種を買おうとしたら、どうも語学学習機能で使えなくなっているものがあったり、いろいろ改悪されているっぽいんですね(´・ω・`)
それでいろいろ調べていて、SONYのICレコーダー ICD-UX575Fにたどり着きました。鞍替えしてから2週間が経ちましたが、ウォークマンよりもずっと使い勝手がいいので、もうウォークマンに戻ることはないと思います。さらばウォークマン。
ちなみに、英語の勉強を始めたばかりの方は、いきなり専用機を買うよりは、iPhoneなら「ABプレイヤー」、Androidなら「tc.audio」などの無料アプリで十分だと思います。
僕が語学学習にウォークマンを使う3つの理由
(1) 専用ソフトなしで簡単に転送可

Image by ドラッグ&ドロップ転送 | WALKMAN
僕がiPhoneやiPodを買わない理由の1つは、PCから転送するのに、いちいち転送ソフト「iTunes」を使わないといけないのが面倒だからです。
ウォークマンにも「xアプリ」や「Media Go」という専用ソフトがあるのですが、別に使わなくても、PCからウォークマンへ、ドラッグ&ドロップで、英語音声や音楽を簡単に転送できるので、機械が苦手な人でも使いやすいと思います。
【参考】ウォークマンへの転送方法 | SONY
ウォークマンの前に使っていた韓国産のMP3プレイヤーからカウントすると、もう15年くらい「ドラッグ&ドロップ」に慣れているので、iTunesは面倒くさくて使えない……
また、万一、パソコン上で誤って音楽や音声を削除してしまったとしても、ウォークマンにその音声や音楽が入っていれば、そのデータをPCに戻すこともできます。
つまり、ウォークマンに入れておくこと自体がバックアップにもなるわけです。
※専用ソフトで転送した場合は、PCに戻せないっぽいのでご注意。
ウォークマンから鞍替えして、今使っているICレコーダーも、ドラッグ・アンド・ドロップで簡単に転送できます。
(2) スマホの電池を消費しなくて済む
スマホのバッテリーはなるべく温存したいですよね。英語を勉強するときにもスマホを使っていると、ただでさえ長時間持たないバッテリーがさらに早く減ってしまうことになります。ですが、ウォークマンを使えば、その分、スマホのバッテリーを長持ちさせられます。
(3) 英語学習者にとって便利な機能が3つある
ウォークマンには、英語学習時に重宝する便利な機能が3つあります。(2) クイックリプレイ機能
(3) A-B(区間)リピート再生
1つ1つ説明していきますね。
「再生スピードコントロール機能」
0.5~2.0倍速まで、再生速度を変更できる機能です。
例えば、【 ディクテーション 】や【 オーバーラッピング&シャドウイング 】するときに、「音声が速い」と感じたときは、再生速度を0.75~0.9倍速にすればトレーニングしやすくなります。
英語初級~中級者には必須の機能だと思います。
ただ、ウォークマンは、語学学習モードだと、DPC(スピードコントロール)の画面に到達するのに、7回ボタンを押さないとダメなんですよ。頻繁に変更したい自分としては、これが非常に面倒くさかったんです。
ですが、今使っているICレコーダーICD-UX575Fだと、DPC(速度調整)ボタンが独立しているので、ボタン一発で再生速度変更の画面に到達できるんです。超快適。
しかも、ウォークマンでゆっくり再生したいときって0.5倍速、0.75倍速、0.9倍速の3つしかなかったんです。
ですが、今使っているICレコーダーは、0.25~1.00倍速の範囲で、0.05倍速単位で速度変更ができる=ウォークマンよりも細かく速度調整ができるんですよね。
【参考】[英語] シャドウイングに超最適なICレコーダー SONY ICD-UX575F
「クイックリプレイ機能」
ボタンを押すと、約3秒前から再生し直してくれる機能です。
聞き取れなかった箇所、うまくシャドウイングできなかった箇所を、ボタン一発で瞬時に再生し直すことができるので非常に便利。
これも今使っているICレコーダーICD-UX575Fにあります。この機能がなかったら、シャドウイングがやりにくくなるので、ウォークマンを使い続けていたと思います。それくらい重要な機能です。
「A-Bリピート再生機能」
2点の区間を指定して、その区間を何度も再生できる機能です。
【 オーバーラッピング&シャドウイング 】で、音声が長い場合、特定の区間を何度も繰り返し再生したいときに役立ちます。
ただ、長い音声は、後述する「Audacity」という無料ソフトで分割したほうがトレーニングしやすいので、僕は最近は区間リピートは使っていません。
この機能もICレコーダーICD-UX575Fにあります。加えて、「ジャンプ機能」というのもあるので、オーディオブックなどの長い音声を聞く人には重宝するかと。
再生速度を容易に変えられる「ダンスモード」
後述する「NW-S10」シリーズには、「語学学習モード」以外に「ダンスモード」という機能があります。再生スピードが容易に変更しやすくなり、より詳細に変更できるようになります。
ただ、「ダンスモード」にすると、シャドウイング時に便利な「クイックリプレイ機能」が使えなくなるので、一長一短なんですよね。
ところが、上述したICレコーダーICD-UX575Fだとこの、あちらを立てればこちらが立たず問題が解決します。
クイックリプレイ機能も速度変更機能も、どちらもボタン一発だからです。ICレコーダーICレコーダーICD-UX575Fに乗り換えてから超快適になりました。
もうウォークマンには戻ることはないと思います。ウォークマン開発チームが心を入れ替えて、語学学習機能を充実させない限り。
【参考】[英語] シャドウイングに超最適なICレコーダー SONY ICD-UX575F
最も語学学習に向いているウォークマンは?
2017年9月現在、ウォークマンには「WMシリーズ」「ZXシリーズ」「Aシリーズ」「Sシリーズ」「Wシリーズ」があります。
【参考】ウォークマン機能比較表 | WALKMAN
「WM / ZX / W」シリーズは対象外
まず、「WM / ZX / W」シリーズは、上述した「再生スピードコントロール機能「クイックリプレイ機能」「A-Bリピート再生機能」という語学学習機能がないので、完全に対象外です。さらに、「Wシリーズ」には、ランニングしながら英語を聞く人にはいいかもしれないですが、液晶画面がないので英語音声を選んで再生することができません。
【参考】ウォークマン機能比較表 | WALKMAN
「A」シリーズもイマイチ
「Aシリーズ」は「語学学習機能」はあるのですが、基本的に音質を非常に重視しているシリーズなんです。なので、音楽の音質にこだわる人にはいいと思いますが、語学学習が目的で、音楽を聞かない(or 音質にこだわってない)人にとっては無駄にハイスペックで、値段も割高なんですよね。一番安い「NW-A45」でも2万円超える……
音質にそんなにこだわってない僕からすると、「CDを超える高音質ハイレゾ音源対応?高音質化設計?そんなん要らんから、それらを省いた安い機種を出して」って感じです。
「英語勉強していて、なおかつ、音楽も超高音質で聴きたい」という人なんて、そんなにいないと思うんですよね。
また、「ウォークマン機能比較表」を見ていただけると分かりますが、「Sシリーズ」の小さな液晶画面と違い、最新機種の「Aシリーズ」はスマホみたいに画面が大きいんですよ。
スマホみたいに液晶画面が大きい = 電池消耗しやすいことになります。
英語学習者の多くは、主にTOEICか英検を勉強している → 書籍&音声で勉強している → 出先で動画を観る機会は少ない(必要ならスマホで十分) → 大画面は不要。
「Sシリーズ」の最新機種もお勧めできない
僕は、英語学習には「Sシリーズ」が一番おすすめだったんですよ。「WM・ZX・A」シリーズみたいに、音楽の高音質再生にこだわった設計や機能がないですし、画面も小さく、大きさ自体も小さいので場所を取らないんです。
ですが、最新機種の「S310シリーズ」は、お勧めしません。
すでにAmazonのレビューにも批判がありますが、この「Sシリーズ」の最新機種には、上述した「再生スピードコントロール機能」がないんです。
つまり、「音声が速い」と思っても速度を遅くすることができず、速いスピードで練習することもできません。
公式サイトで、NW-S310 / NW-S10Kシリーズの特長「語学学習」と謳っているにもかかわらず、語学学習で最も重要な機能の1つである「再生スピードコントロール機能」がない。
意味が分からない。
というわけで、「再生スピードコントロール機能」が必要な方は、「NW-S315」「NW-S313」「NW-S315K」「NW-S313K」は買ってはいけません。
SONYの創業者・盛田昭夫氏が、
商品を売り込む場合、まず商品知識をしっかりと身につけ、相手を隅々まで知り尽くして、初めて成功が約束される。
という格言を遺しておられますが、「NW-A40」「NW-S310」を開発された方々は、英語学習者のことを隅々まで知り尽くした上で開発した、とはとても思えないです。
英語学習者のニーズを把握していたら、「Aシリーズ」みたいに2万円以上もする機種にのみ「再生スピードコントロール機能」を付けるとか、「Sシリーズ」から「再生スピードコントロール機能」を外すわけがないんですよ。
結論:過去の機種のほうが良さそう
最新機種の「Sシリーズ」がダメだとすると、無駄にハイスペックで画面も大きくてかさばる「Aシリーズ」か、過去に発売された「Sシリーズ」を買うしかないと思います。
最もお勧めなのは「NW-S10」シリーズ
2014年に発売された「Sシリーズ」の「NW-S10 / NW-S10Kシリーズ」は、8GBと4GBモデルはまだ販売中です。
※「K」が付いている機種は外付けスピーカーがついているモデルで少し高い。
もちろん「再生スピードコントロール機能」を始め、上述した語学学習機能はすべてついています。
【参考】NW-S10/NW-S10Kシリーズ 特長 : 語学学習もスマートに
音楽を一切聴かない人は「4GBモデル」でも足りるかもしれません。ただ、音楽もそこそこ聴く人だと、4GBでは足りないと思います。
4GB(4000MB)→ CD約80枚分
8GB(8000MB)→ CD約160枚分
僕は音楽も聞くので16GB(2017年現在生産中止)を買いましたが、家にあるほぼすべての音楽をウォークマンに入れたら残り4GBになりました。なので、人によっては8GBでも足りないかもしれません(^_^ゞ
ちなみに、MP3ファイルのビットレートを「96kbps」まで落とすと、保存できる音声が増えますよ。音楽だと音質の粗さが目立ちますが、英語音声だと96kbpsでもさほど気になりません。
2番目はAシリーズの最安モデルか?
16GB以上を希望される方は、上述した、2017年10月発売予定の最新機種「NW-A40シリーズ」しかなさそうです。語学学習機能がついています。「語学学習もスマートに」のページを見ていると、語学学習モードに入ると、各機能を1つの画面でコントロールできるのでこれは便利かもしれません。
ただ、一番安い16GBのモデル「NW-A45」でも2万円を超えます。画面も大きいですし、音質をそんなに重視していない人にとっては無駄に高いモデル……
中古の「Sシリーズ」
「4~8GBでは足りない」という方で、中古に抵抗がない方は、過去の「Sシリーズ」の中古品を検討されてみてもいいかもしれません。僕が持っているのはこの機種です。2017年現在生産中止になっています。
ただ、Amazonのレビューを見てると、不良品をつかまされている方も見かけるので、積極的にはお勧めしません。
ちなみに、僕がAmazonで中古の品物を買うときは、「中古品 - 可」は避けて、評価が「90%以上の高い評価」で、「中古品 - 良い/ 非常に良い/ほぼ新品」から選ぶようにしています。「中古品 - 可」「90%未満の評価」は微妙な気がしています。
「ソニーストア」で実機に触れてみる
購入を検討されている方は、家電量販店や、東京銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神にある「ソニーショールーム/ソニーストア」で、機能・ボタン操作などをチェックしてみるといいと思います。自分の経験では、ソニーストアのほうが、家電量販店よりも展示状態が良く、スタッフさんが詳しいです。
購入後のメンテ・ケア
バッテリーの持ちを長くしたい
SONYの「ウォークマンの充電池(バッテリー)の持続時間が短い、と思ったら」のページを参考に設定すると、電池の持ち時間や寿命を伸ばすことができます。● 画面オフタイマー:15秒
● 輝度設定:2
● いたわり充電:オン
● イコライザ:オフ
● VPT(サラウンド):オフ
● DSEE(高音域補完):オフ
● クリアステレオ:オフ
● ダイナミックノーマライザ:オフ
● Bluetooth設定:接続優先
僕は音楽もそこそこ聴く人ですが、音質関連の機能はほぼオフにしてます。出先での音質にはそんなにこだわらないです。
「長年使って電池の持ちが悪くなってきた」
使用環境・使用時間にもよると思いますが、僕は2年半くらいで内蔵充電池がヘタってきた(フル充電しても1~2時間しかもたなくなってきた)ので、交換してもらいました。僕は大阪の「ソニーストア」 に直接持って行ったので、3150円で済みました。
ですが、ソニーストアは東京銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神にしかないので、他の地域にお住まいの方は、引き取りか宅配になると思います。
詳しくは、「修理のご相談 | ポータブルオーディオプレーヤー“ウォークマン”」(サイト中央の「修理方法とお申し込み」)を参照。
無料の便利ソフト
MP3ファイルを扱う方におすすめのPC用の便利なフリーソフトをご紹介しておきます。
ただ、PCが苦手な方には扱い方が難しいかもしれません。また、フリーソフトなので、トラブルが起きても誰も対処してくれない点も注意が必要です。
2017年9月現在、僕はどれも現役で使っていて非常に重宝してます。手放せないものばかり。
「曲によって音量が違う」
同じ再生音量であっても、MP3ファイルによって音圧(音量)が小さすぎたり、大きすぎたりするときがありますよね?そういった音声の音量を一定に揃えてくれる無料のソフトウェアがあります。
【参考】MP3音声の音量が小さいor大きい!音量をそろえてくれるフリーソフト「MP3 Gain」
音楽系のMP3ファイルに比べると、英語系のMP3ファイルは音量が小さいので、これを使うと一定にそろえられて便利なんですよ(・∀・)b
「不要部分をカットしたい」「速度を変えたい」
英語音声って、冒頭に妙な音楽が入っていたり、空白部分が長かったり、TOEICのPart 3・4だと設問の読み上げ音声が不要だったりしますよね?「Audacity」というフリーソフトを使えば、そういったものをカットすることができます。
また、音声を0.7~1.5倍速に変更することができるので、速聴用MP3ファイルを作ることもできます。
【参考】TOEIC Part 3・4のトレーニング効率を2倍にするフリーソフト「Audacity」
「微妙なタイトルをラクに変更したい」
買ってきた英会話のCDをMP3化したときに、またダウンロードしたMP3ファイルの音声のタイトルが「分かりづらい」というときがあると思います。ファイルの量が少なければ1つ1つ手直ししてもいいですが、英語系のファイルって量が多いですよね?それを1つ1つ手直ししていくのは非常に面倒です。
そういう場合は、「Flexible Renamer」を使うことで、一括でタイトルを変換できます。
【参考】たくさんのMP3のファイル名を一括で変換できるフリーソフト「Flexible Renamer」

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