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公開:2012-11/07
更新:2018-02/28 更新中。完了まで数日お待ち下さい<(_ _)>
関連:参考書の選び方 / 公式&模試 / 単語帳 / リスニング / Part 5・6 / Part 7
英語初心者~TOEIC 700点くらいの方のための、単語帳の選び方、お勧めの単語帳、スコアアップにつながる単語帳の勉強のやり方をまとめてみました。
TOEIC初心者のための単語集選び 3つの基準
(1) TOEICを受け続けている講師
TOEIC満点を持っていても、その英語講師がTOEICに詳しいとは限りません。なぜなら、一度満点を取って以降、TOEICを受けていないと思われる英語講師がいるからです。
僕のベストスコアは950点なので僕自身も超詳しいレベルとは言えないですが、49回TOEICを受け、100冊以上のTOEIC本を買い、50冊くらいのTOEIC本をやり込んできました。
【参考】TOEIC 900点が確実に獲れる!6つの戦略と勉強法
その経験では、TOEICを毎回受けてないと思われる講師のTOEIC本は、例文がTOEICっぽくなく、TOEICには出ない単語が使われています。「TOEICにこんな英文(問題)は出ない」という本は少なくないんですよね。
TOEICは毎年どころか、毎回徐々に変化しています。僕が頻繁に受けるようになった2010年の頃と比べるとかなり変わっています。
つまり、TOEICを継続して受験していない講師のTOEIC本は、最新の傾向を反映しているとは言い難いわけです。
そんなわけで、TOEIC対策本を選ぶときは、著者が今でもTOEICを受け続けているかどうかを必ずチェックするようにして下さい。
(2) 小さくて薄い
英語初心者は、分厚い本は買ってはいけません。たいていは本棚の肥やしになります。2008年頃から英語の勉強を始めてから1万時間以上勉強し、数百冊の英語書籍を買って失敗してきた経験上(笑)、英語初級者にとって「小さくて薄い本」は正義です。
小さくて薄い本 → 出先でもパッと取り出して勉強できる → 続けやすい → 継続は力なり。
【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
(3) 例文が短く、語彙がやさしい
英語初心者にとっては、例文が長く、その例文に難しめの語彙がたくさん含まれていると例文を理解するのが難しい → 挫折しやすくなります。なので、なるべく例文が短くて、分かりやすいものを選ぶといいです。
また、僕が信頼しているTOEIC講師、より詳細なTOEIC本の選び方については、次の記事でまとめているのぜひ!
【参考】失敗しない!TOEIC参考書・教材の選び方 8つの注意点
2. TOEIC おすすめ単語帳
『出る単特急 銀のフレーズ』
TEX加藤先生は、TOEICを専門に教えておられ、毎回受験されている、僕が最も信頼しているTOEIC講師の一人です。
この『銀フレ』はTEX加藤先生の最新刊で、英語初心者~600点をめざしている方向けに作られた単語帳ですが、見出し語や例文をチェックしてみた感じでは、700~800点くらいまでも十分に役に立つと思います。
次にご紹介する『”金”のフレーズ』は、860~990点をめざす方向けの単語も含まれているのですが、この『”銀”のフレーズ』はそういった難易度が高めの単語は省かれているため、初心者にとってより効率的によく出る単語が身につけられると感じています。
音声は2種類あります。1つは「見出し単語 → 和文 → 英文」です。ポーズが短いので、音声のみで瞬間英作文(和→英)はちょっと厳しそうです。
もう1つは「見出し単語 → 英文」です。【 ディクテーション 】や【 オーバーラッピング&シャドウイング 】するならこちらが便利だと思います。
『出る単特急 金のフレーズ』
TEX加藤先生の全受験者向けの単語集です。TOEICkerの間では「金フレ」という略称が付くくらい有名な単語帳で、おそらくここ数年で一番売れているのではないかと思います。
その一番の理由は「ビックリするくらい本番によく出る」から。「600点レベル」にある単語はもちろん、「990点レベル」に書かれてある単語であっても本番でよく見かけます。TEX加藤先生の分析には頭が下がります。
見出し語の1つ1つに解説があり、中にはTOEICの問題の解き方のコツなどが記載されていたりして勉強になります。
この本は
● 600点レベル:400文
● 730点レベル:300文
● 860点レベル:200文
● 990点レベル:100文
という4つの項目に分かれています。なので、現在TOEIC 500点以上あり、単語集での勉強をずっと続けていくつもりなら、上の『銀フレ』よりも、この『金フレ』をお勧めします。
上述した『銀フレ』とこの『金フレ』は、そのタイトル通り、基本的にフレーズ単位で収録されています。TOEICによく出るフレーズ単位で収録されているので非常に効率的です。
ただ、もし「センテンス単位で覚えたい!」のであれば、次の『デルボ』をお勧めします。
『出る順で学ぶボキャブラリー990』
見出し語:990語
音声:付属CD
IPテストも含めると受験回数が100回を超える 神崎正哉先生 の単語集。TOEICerの間では「デルボ」の相性で親しまれています。
例文が10語以内(平均7語)と短めに作られているので理解しやすく、覚えやすいです。
2009年出版なので少し古い本にはなりますが、よく出る単語というのは大幅に変化しないので、今でも充分使える単語集です。
● 470点レベル:210文
● 600点レベル:330文
● 730点レベル:330文
● 860点レベル:120文
という内訳になっているので、まずは「470点レベル」「600点レベル」を反復して練習していくのがいいです。
また、「神崎正哉先生のブログ」で、おまけ音声がダウンロードできます♪
あと、この本は新版が出ています。
二色刷りの旧版と比べて、この新版は白黒です。なので、「二色刷りの見やすいのがいい」なら旧版、「色ペンで書き込みたい」なら新版を購入するといいと思います。
単語帳を勉強する際の5つの注意点
【注意1】不明な単語・文法は必ず調べる
単語帳で勉強していると、見出し語にはない単語で意味が分からない単語や、うろ覚えの文法事項が必ず出てくるはずです。不明な単語や文法事項をそのままにしている人は、TOEICでハイスコアは獲れないです。それは、よく言われるように、辞書・文法書を引いた回数だけ、英語力は向上するからです。
僕の知る限り、英語上級者の方々ほど、辞書・文法書を引いている回数が多いです。僕もトータルで数百時間は辞書・文法書を引く・読む時間に充ててきています。
【参考】英文法が苦手な人にこそ読んで欲しい!おすすめ文法書8選と勉強法
【注意2】「英語→日本語」で勉強しない
単語帳を勉強する際に、「英単語の意味を日本語で言う」というトレーニングをされる方がおられますが、時間対効果がかなり低い(時間をかけても実りがない)のでお薦めしません。それよりも、単語集の例文の音声と英文を使って、【 オーバーラッピング&シャドウイング 】と【 瞬間英作文 】(高速和文英訳)でトレーニングすることをお薦めします。
これらのトレーニングを続けていくと、TOEICによく出る語彙・表現・英文を覚えることができるので、瞬時に聞き取れる、瞬時に読めるようになります。
【注意3】いきなり最後までやらない
上記でご紹介した単語集には、例文が600~1000文くらいありますが、単語帳に関しては、1周目でいきなり最後までやるのはお薦めしません。おそらく、受験勉強などで何となく経験されていると思いますが、1周目でいきなり最後までやってしまうと、最初の頃に覚えたものはほとんど忘れてしまうので、すごく非効率なんです。
そこで「300文」くらいを1カタマリにして(1冊の本とみなして)何度も反復し、ある程度マスターできたら、次の300文をやるという流れをお薦めします。
【注意4】公式と並行すれば定着度UP
単語は、出会う回数が多ければ多いほど、長期記憶に定着し、リスニング時はより速く聞き取れるようになり、リーディング時にはより速く読めるようになります。
そこで、単語帳でのトレーニングがある程度進んできたら、並行して『公式問題集や信頼できる模試』でのトレーニングも始めて下さい。
そうすると、単語帳で学んだ語彙・表現が、『公式問題集や信頼できる模試』にも頻繁に出てくるので、出逢う回数が増える=定着度が高まる&理解速度が向上につながります。
特に、Part 1・2・5は短いセンテンスで構成されているため取り組みやすく、他のパートと比べて少ない投資時間でスコアアップしやすいので、英語初心者のトレーニングに最適です。
【参考】TOEIC おすすめ公式問題集・模試と効果的な使い方
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編
【注意5】「瞬時に理解できる」まで続ける
単語帳に記載されているすべての例文の音声が、聞こえてきた瞬間にスラスラ言える、そして、意味が理解できるようになるまでトレーニングを続けて下さい。そこまでトレーニングすると、公式問題集や模試で勉強している場合はもちろん、本番で聞き取れる&読める割合もかなり増えてきますよ。
確実に身につく!単語帳の勉強の進め方
Step 1 ディクテーション
まずは最初の300文を【 ディクテーション 】していきましょう。ディクテーションというのは、英文スクリプトを一切見ずに、CD・MP3音声を聞いて、それを頼りに、紙に書き取る or PCでタイピングする勉強法です。
リスニング時に聞き取れるようになるには、次のようなステップを踏みます。
①音が聞き取れる
↓
②聞き取った音から意味がつかめる
↓
リスニングができる
英語初心者が聞き取れないのは、①の聞き取れる音のストックが少ないのが原因です。そして、ディクテーションをやると自分が聞き取れない音が明確に分かるようになります。
【参考】リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける|効果、やり方
とは言え、ディクテーションはあくまでも自分が聞き取れない音を見つけるためのふるい分け作業にすぎません。ですので、次のステップが非常に重要になってきます。
Step 2 オーバーラッピング&シャドウイング

英語は、基本的に自分が発音ができる音は聞き取れます。だから自分の発音が良くなればなるほど、聞き取れる発音が増えていきます。
【参考】やらない人は損してる!発音を学ぶことで得られる4つの効果
そして、先ほどの【ディクテーション】で判明した「自分が聞き取れない音」をオーバーラッピング&シャドウイングで、スラスラ言えるようになるまでトレーニングすると、聞き取れる音がどんどん増えていく=聞き取れる音がどんどん増えていきます。
ただ、英語初心者の場合、オーバーラッピング&シャドウイングは、1日で完璧にできるようにはなりません。1日5~10回くらいを20~30日かけて繰り返すことで、脳に定着してきます。英語は1日にして成らず。
オーバーラッピング&シャドウングの詳しいやり方については、「シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点」をご覧下さい。
Step 3 瞬間英作文

瞬間英作文|英語上達完全マップ
多くの人は、オーバーラッピングとシャドウイングのトレーニングだけだと、
「英語の音は聞き取れるようになってきたけど、瞬時に意味がつかめない」
「音声が速すぎてついていけない」
「一発では理解が追いつかないけど、何度か聞くと理解できるようになってくる」
という症状になります。
ここで今一度、先ほどの「聞き取れるようになるプロセス」をご覧下さい。
①音が聞き取れる
↓
②聞き取った音から意味がつかめる
↓
リスニングができる
オーバーラッピングとシャドウイングは、基本的に①の「音を聞き取れる」ようにするためのトレーニングになります。そして、トレーニングの性質上、「声に出すこと」に意識がいってしまいがちになるので、②の「聞き取った音から意味がつかめる」ようにはなりにくいんです。
僕はこのことに気づくのにかなりの歳月を費やした気がします(;・∀・)
そして、Part 1・2において、この問題を解決してくれるトレーニングが、【 瞬間英作文 】です。
瞬間英作文というのは、「何となく聞いたことがある」という方が多いと思いますが、「英語上達完全マップ」の森沢洋介さんが提唱された、日本語訳を見た瞬間に英語に訳すトレーニングです。
なぜ瞬間英作文をやると、②の「聞き取った意味がつかめる」ようになるのか。それは、
=瞬時に聞き取れる英文、瞬時に読める英文
だからです。
例えば、普段、料理をされる方は、料理を少し食べただけで、どの材料・調味料が使われていて、どのように調理されているかが分かりますよね。そして、料理が得意な人ほど、より速く、正確に判断でき、より多くの知識・技術を持っているはずです。
また、僕は以前、パソコンを組み立てたことがあるのですが、そのときに培った知識と技術のお陰で、パソコンが壊れても、症状を診るだけで、おかしい部分がどこか分かったり、故障箇所が簡単であれば、自分で部品を交換して直すこともできます。
つまり、自分で瞬時に再現できる=瞬時に理解できることになります。これは英語に限らず、この世のあらゆる物事に言えるのではないかと思います。
そしてこの、瞬間英作文で、日本語訳を見た瞬間に英語がスラスラ出てくるようになるまで、何度も反復していきます。最低10周はやって下さい。個人的には、10周やるとほぼ間違えなくなり、20周やるとかなり高速で瞬間英作文ができるようになる感覚があります。
瞬間英作文の詳しいやり方については、「瞬間英作文の効果的なやり方」をご覧下さい。
ちなみに、300文を各20周ずつやったら、完璧でなくていいので、とりあえず次の300文に進んで下さい。というのも、英語力が低いうちは、辞書や文法書でどれだけ調べても、スッキリ理解できない英文というのがあります。
ですが、瞬間英作文をずっと続けていると、徐々にどんな難しい文法・構文もスラスラと言えるようになってきます。20周したらとりあえず先に進んでみることをお薦めします(・∀・)b
「どうしても単語が覚えられない」という方へ
「どれだけやっても単語が覚えられない」「TOEICスコアが上がらない」という方は、長野県で「トラスト英語学院」という塾を経営されておられる、TOEIC満点講師・福澤健一先生の『金フレ』の状態を見て下さい。『金フレ』がボロボロになって、使用に耐えなくなってきた。
— 福澤 健一(fukken) (@eigodo) 2016年9月14日
特に「パート1重要語100」の例文は、2012年11月から約4年間、一日も怠らずに毎日2回ずつ音読しているので、ページが欠け始めている。
改訂版が出たら新しくしよう(^^)/ pic.twitter.com/U5xeQa2HkM
同じテキストで4年間毎日トレーニングはさすがに僕もやったことないので、「ここまでやらないとスコアは伸びない」とは言えないですが、ここまでやって単語が覚えられない人は絶対いないはずです。
単語帳をやるなら、せめて3ヶ月~半年は毎日続ける必要があります。
● 初心者~600点/700~800点
● 900点/990点満点
【 おすすめ参考書・問題集 】
● 参考書の選び方 8つの注意点
● 900点獲るのに役立った参考書まとめ
● 公式問題集・模試/単語帳/文法書
● Part 1~4/Part 5・6/Part 7
【 リスニング対策 】
● 新形式リスニング対策
● 勉強法:Part 1・2編/Part 3・4編
● 先読み/キーワード400
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● オーバーラッピング&シャドウイング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 リーディング対策 】
● 新形式リーディング対策
● 勉強法:Part 5・6編/Part 7編
● 精読(英文解釈)/通読/速音読
● キーワード400/言い換え
【 問題解決 】
● 英語学習の継続のコツ
● 各スコアに必要な勉強時間&問題数
● スコアが伸びない9パターン
● 時間が足りない対策:Part 5・6編/Part 7編
● アビメの見方:リスニング/リーディング

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