
記事対象:全レベル
TOEICを受験された方、お疲れ様でした<(_ _)>
最初にお伝えしておきますと、僕自身は去年2012年12月以来TOEICを受けておらず、この記事は今回のTOEICを受けられた講師・高得点者の方々の感想やネット上の情報に、自分の考察を加えてまとめた記事になります。
前回の TOEIC 第180回(5月26日)ネットの情報まとめと対策・勉強法 で、「こういった記事を書いて欲しいという方は拍手ボタンを押して下さい」とお伝えしたところ、通常の記事と比べて多くの拍手ボタンをいただいたので、希望された方々のために作成させていただきました。
「受験した人の感想が読みたい」という方は、お手数ですが、下記の目次にある「2. 参考にさせていただいたTOEIC講師・ブロガーの方々」の記事をご覧下さい。
また、前回の記事で、詳細な最近の試験傾向まとめを書かせていただいたので、前回の試験内容と被りそうな部分は割愛しています。ですので、前回の記事も合わせてお読みいただいたほうがよろしいと思います。
1. 今回の試験の特徴とその対策
●新人英国人女性さん いらっしゃ~い♥

朝日放送 | 新婚さんいらっしゃい!
今回、イギリス系のちょっと聞き取りにくいアクセントの新人女性ナレーターさんがいらっしゃったようですね。
イギリス系アクセントの新人ナレーター(女性)がいた。また新しい人か。過去数回出てきていると何となく違うような気がしたが。(神崎正哉先生・マイナー)
聴き覚えのない英国人女性がいきなり11番から登場。かなり聴き取りづらかったです。新人でしょうか(TEX加藤先生・マイナー)
今回は子音が強いイギリス人ナレーターが登場したことにより、リスニングの音で苦労された方が多いのではないでしょうか。(花田徹也先生・メジャー)
※この「メジャー」「マイナー」というのは、問題フォームの種類を指しています。詳しくは、神崎先生の TOEICのフォームについて の記事をご参照下さい。
普段から生の英語を聞く機会のある方はご存知だと思いますが、TOEICに登場するナレーターの方々の発音・アクセント・イントネーションは、かなり標準語的で聞き取りやすい部類に入ります。
ですので、毎回TOEICを受けておられる講師の方々が一様にこうおっしゃるというのは、よっぽどだったのかなと。
ただ、聞き取りにくいナレーターというのは、自分だけではなく、誰もが聞き取りにくいものなので、全体的に正答率が下がるはずですし、そんなに気にしなくてもいいかなと思います。
というのも、全体的に正答率が下がってしまうことは、問題作成者的には不本意だと思うのです。問題としては、英語力の低い人が間違いやすく、英語力の高い人はきちんと正解できる問題が、基本的には良い問題だと思うんですよ。
だから、今回の新人英国人女性が登場した問題の正答率があまりにも低いと、今後しばらく登場しないという可能性もあると思います。
【対策】
ただ、去年くらい?から新しいナレーターの方々が数名、チラホラ登場されていたりするので、過去記事でも何度かお伝えしているように、公式問題集だけでなく、他の良質な(TOEICを受け続けている講師の)模試・問題集の音声でもシャドウイングなどでトレーニングはしておいたほうがいいと思います。
【おすすめ関連記事】
【TOEIC】最新おすすめ模試・公式問題集
TOEIC リスニングパート 最新おすすめ参考書・問題集と勉強の進め方
とは言え、韓国系のTOEIC対策本にありがちな、クセの強いナレーターの音声は、必ずしも使わなくてもいいと思います。
僕自身も数冊持っていますが、最近は日本のTOEIC対策本も質が向上してきており、国産のものだけで900点は取れるので、このブログでもほとんどご紹介していないです。
※韓国では「聞き取りにくいナレーターでトレーニングすることで、リスニング力を上げる」という考え方があるらしいです。
あと、発音練習を一度もされたことがない方で、TOEIC 900点卒業後、英会話を学ぶ予定の方や、ビジネスで英会話をされる方は、発音練習をされておくことをお勧めします。
英語初心者の方はもちろんですが、中級者の方が発音練習をすると、音を聞き取るアビリティが向上するので、それだけでリスニング力が大幅に向上する可能性があります。
また、丁寧な発音ができると、自分の英語が相手に理解してもらいやすくなるので、英語でのコミュニケーションが円滑化します。
発音については、【英語耳】発音を学ぶことであなたの英語成長スピードは加速する! の記事で(=゚ω゚)ノ
●Part 1・2 今回も難しめだった模様
前回に引き続いて、今回も難しかったようですね。Part 1:やや難
10問中難しい問題が4問。5月ほどではないが、難しい目だった。
Part 2:やや難
前半に難しめの問題がいくつかあった。イギリス系アクセントの新人ナレーター(女性)がいた。また新しい人か。過去数回出てきていると何となく違うような気がしたが。(神崎正哉先生・マイナー)
Part 1 最後の2問特に問9が激ムズ
Part 2 普通 パート1、2特急2にいれた難表現が出た(森田鉄也先生・メジャー)
Part1の後半およびPart2全体で難問が多く、かなり高い精度のリスニング力と柔軟な対話力が必要とされていたように感じます。(花田徹也先生・メジャー)
2~3年前と比べると、ここ最近はPart 1・2は難しめの回が多いので、もうこの難易度が「普通」という感じになりつつある気がします。
推測ですが、問題作成者側であるETSとしては、Part 1・2は、ここ最近のこの難易度にしておくと、英語初級者・中級者・上級者がいい感じでバラけてくれるのかなと。
僕が2010年に受けていたときなんて、当時のショボい英語力でもPart 1は満点を取れて当たり前で、Part 2も少し勉強すれば、テクニックだけでかなり高得点が取れるパートでした。
で、そういう人が増えて、Part 1・2の正答率が全体的に上がってきたので、Part 1・2でも難易度の高い問題を増やして、初級・中級・上級をフルイにかけるようになったのかなと。
【対策】
最近の難化したPart 1・2の対策としては、前回の記事をご覧いただくのがいいと思います。
●Part 3・4 あきらめたらそこで試験終了

INOUE TAKEHIKO ON THE WEB | ホーム
今回、メジャーのPart 3は、初っ端がちょっと難しかったみたいですね。
「TOEICは、各パートとも最初のほうの問題はやさしく、徐々に難易度が上がっていく」と教えられている方もおられると思いますが、各パートの序盤・中盤で難問が出る場合もあるということは知っておいたほうがいいです。
特に、Part 3は最初の問題(Questions 41-43)がけっこう難しいという回がチラホラあったりします。僕も去年受けていたときに、何度かそれで先読みのリズムを崩されました(´-﹏-`;)
TOEICのテスト制作には、心理学者もいるらしいので、もしかしたら、そういった「先読み型受験者をハメるため」にそういう風にしている可能性もあるかもしれないですね。
ですので、700点台~800点台の方は、途中で「うわー聞き取れへん!分からん!めっちゃムズい」と思っても、そこであきらめずに、とりあえず速攻でテキトーにぬり絵(テキトーにマークを塗る)して、次の問題(Questions 44-46)の先読みをやりましょう。
700点以上の方は、自分が難しいと感じる問題はたいてい、みんなも同じように感じているので、その問題の正答率はおそらく全体的に下がるはずです。
となると、もし同じ英語力だったとしても、その問題以降、あきらめてしまった人&その不安を引きずってしまった人と、あきらめずに気持ちをニュートラルに保って最後までやり続けた人で、スコアが大きく変わってしまう可能性もあるんですよね。
僕も今まで何度か受けていて、試験中に「今回はアカンわ~」と思ったときでも、あきらめずに最後までとりあえず頑張って、スコアが返ってくると「あれ、思ったより悪くない」といったときがけっこうありました。
ですので、あきらめるのは非常にモッタイナイです。
ちなみに、この先読みのリズムの維持は、普段からトレーニングしておかないとできないです。
特に、リスニングで400点を超えている方は、テスト1週間前から毎日1セット解く(時間がある人は1模試解く)、450点前後の方は、できれば毎日Part 3・4の問題を1セット(過去に解いた問題集も、新しい問題集もやる)を解いたほうがいいです。
試験前に限らず、毎日Part 3・4を解くようにしていると、Part 3・4を解く一連の行為が習慣化するので、試験時、あの本番の緊張感の中でも、いつもと同じようにできるようになります。
ちなみに、リスニングが350点未満の方は、先読みトレーニングよりも、問題文とその音声を使って、音読・オーバーラッピング(CD・MP3音声に合わせて音読)・シャドウイングするトレーニングに時間を割いて、リスニング力を高めることに注力したほうが、時間対効果は高いと思います。
●Part 3の会話パターンに変化があった?
神崎先生が、Part 3について、ちょっと気になることをおっしゃっておられたのでご紹介。Part 3:難
会話の流れがいつもと違う気がした。問題作成者が変わったか。就職の面接とか今までなかったと思う。先読みがうまくできない問題がいくつかあった。(神崎正哉先生・マイナー)
試験当日の18時から神崎先生の TOEIC公開テスト感想&ラジオ も聞かせていただいていたのですが、そのときにもおっしゃっておられました。
このことに触れておられる方は、他に見当たらなかったのですが、神崎正哉先生はTOEICを100回以上受験されておられる方なので、先生の直感は信頼できると思うのです。
また、僕が2010年~2012年受けていたときも、「電話で面接のスケジュールを組む」といった感じの会話はあったと思いますが、「面接中の会話」に出会った記憶はないんですよね。
※僕が忘れているか、僕が受けていない回にあったのかもしれないですが…
既出であったとしても、めずらしい会話パターンではあると思います。
【対策】
TOEICには、センター試験のように、おぼろげながら試験範囲というものがあります。
Part 3に限らず、どのパートにおいても、よく出る語彙・表現、よく出る会話のパターン・話の流れ、よく出る問題のパターンというのがあります。
これらパターンは、公式問題集(Vol.5・4)や信頼できる模試・リスニング系問題集のテスト10~15回分の音声と英文を使って、音読・オーバーラッピング・シャドウイング・和文英訳などで、TOEIC的なリスニング力を上げていけば、かなり網羅できるので、リスニングでは、400点~450点くらいは取れるようになると思います。
※もちろん、現在の英語力によって上下すると思います。
そういうレベルになると、今回のように、いつもと違う会話パターンがきても、使われる語彙・表現がTOEICの試験範囲から逸脱することはあんまりないので、未知の会話・トークパターン、未知の問題にも対応できるようになります。
※ただ、そのTOEICの試験範囲は、毎回少しずつ変化していることは知っておいたほうがいいです。
ですので、とりあえずは、まず10模試分の音声と英文を使って、聞き取れない音声、解けない問題が1割未満になるまで頑張ってみて下さい。
サラッと言ってますが、「10模試分を完成度9割」にしようと思うと、おそらく数ヶ月~2年くらいかかります。ただ、成し遂げた際は、スコアもリスニング力も確実に向上しているはずです。
【おすすめ関連記事】
TOEIC 730点・900点を取るのに必要な勉強時間と問題数
●Part 5・6
Part 5・6は、受験された方によってまちまちな感じがしました。また、特別気になったこともないので、前回の記事を参照していただくのがいいと思います。●Part 7 Article問題とPart 7の勉強法
Part 7は、メジャー・マイナーともに難しいと感じられた方が多いように見受けられました。それと、花田徹也先生のコメントが気になったのでご紹介。Part7ではシングルパッセージでArticle問題が3セットも出題されたうえ、言い換え問題も全48問のうちわずか1問という厳しいパターンだったので、最後まで解ききれなかった受験者は多いものと思われます。(花田徹也先生・メジャー)
TOEICを何度か受けておられる方はご存知だと思いますが、Part 7の Article (ニュース記事)の問題は、他の問題と比べて難しめと考えられています。
というのも、Article問題は、語彙レベルが高いので、
●話の流れがつかみにくい ▶ このArticle問題自体の正答率が下がる
●英文も長めなので読むのに時間がかかる ▶ 他の問題の回答時間も奪う
ということになります。
これの対策として、「ニュース記事を読め!」という方もおられますが、個人的にはあまりお勧めしないです。
というのも、Articleの問題は、毎回たいてい1~2題です。
Part 7は、SP9題・DP4題の全13題ありますが、もしかしたらたった1題(2~5設問)しか出ない問題のためににニュース記事を読むのは、時間対効果が低いと思うんです。
もちろん、ニュース記事が好きで、TOEIC卒業後はニュース記事が読めるようになりたいというような方が、息抜き程度にニュース記事を読むのはアリだと思います。
しかし、今の最優先事項がTOEICスコアなのであれば、時間対効果の高い勉強・トレーニングに注力すべきだと思うんです。
TOEICを受けるたいていの方は、TOEICは通過点だと考えておられると思います。だとしたら、なるべく早く、効率的に目標点を取って、次のステップに向かったほうがいいと思うのです。
※とは言え、TOEICで長期間かかったとしても、英語力が向上するので決して無駄ではないです。
ちなみに、「TOEICは趣味」という方はこの限りではありません。ぜひ満点めざして下さい♪
【対策】
Article問題だけでなく、Part 7全体の対策の話になりますが、先ほど同様、模試約10回分のPart 7の英文を 精読 できちんと理解した上で、スラスラ読めるようになるまで、何度も(1記事当たり20~30回くらい)読んでみて下さい。
10模試分のPart 7の英文(設問・選択肢も)を、精読できちんと理解した上で、繰り返し読むことで、
●Part 7によく出る話の流れを覚えられる
●Part 7によく出る語彙・表現を覚えられる
●Part 7によく出る設問・選択肢のパターンを覚えられる
ので、
●英文が読みやすくなる
●Part 7で答えになりやすいポイントに注意して読めるようになる
●問題を素早く解けるようになる
という効果があります。(Article問題にもよく出る話の流れ、問題パターンがあります)
この勉強のやり方については、【TOEIC】一石六鳥!Part 7の英文を使ってトレーニングすればスコアも英語力も向上する をお読み下さい。長いので時間のあるときに。
2. 参考にさせていただいたTOEIC講師・ブロガーの方々
今回のTOEICを受験され、感想を書いておられる方々のブログ記事のリンクをまとめておきます(・∀・)bちなみに、ここでご紹介している方々は皆さん、TOEIC分析において、僕が最も信頼している方々です。
また、僕が900点を取るまでに、何度もブログ記事を読ませていただいた方々であり、僕なんか足元にも及ばないくらい、TOEICに精通されておられます。
【メジャーフォームを受けられた方々】
181回6月TOEIC感想|TOEIC満点&アメリカ移住ブログ by 森田鉄也先生
6月23日TOEIC(第181回)に関する講評・速報・感想 6/23 by 花田徹也先生
第181回TOEIC公開テスト 速報 - OJiM's TOEIC Diary by OJiMさん
Play with TOEIC! 第181回TOEIC公開テスト感想 by HBKさん
TOEIC満点ブログ:次は「TOEICまつり」だ! 第181回受験 by VOZEさん
【マイナーフォームを受けられた方々】
TOEIC Blitz Blog TOEIC公開テスト感想&ラジオのお知らせ by 神崎正哉先生
TOEICオタクのブログ 6月TOEIC感想 by TEX加藤先生
RabbitのTOEIC満喫生活~990の高みへ! 第181回TOEIC公開テスト速報 by Rabbitさん
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