シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点

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記事:英語初心者/リスニングが苦手な人 
読了:約12分(6209文字)
公開:2012年2月
更新:2016-07/16 読みやすさ向上のため全体的に加筆・修正 

今まで英語を7000時間勉強してきて、さまざまな勉強法・トレーニングを試してきましたが、シャドウイングとオーバーラッピングには数百時間は費やしていて、今でもトレーニングの一環としてやっています。

オンライン英会話 】の先生に、「ツウの英語は、リンキング(音の連結)もそこそこスムーズにできているから聞き取りやすいほうだと思うわ」と、多少含みがあるものの(笑)、ほめてもらえたのは、英語学習初期にやった『英語耳』を使った発音練習と、このオーバーラッピングとシャドウイングを大量にやってきたからだと感じています。

そういったセルフ人体実験結果から、シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的なやり方、そして、自分の失敗も交えた注意点を、まとめいきたいと思います(・∀・)/
 

1. オーバーラッピングとシャドウイングの違い

● オーバーラッピングとは?


6:10から天満先生の「オーバーラッピング」の実演が始まります。

オーバーラッピングというのは、「over(上方に)+wrap(包む・覆う)」で、一般的には、


◆ オーバーラッピング ◆

英文スクリプトを見ながら
CD・MP3音声に、合わせて発話する


トレーニングになります。

イメージとしては次のような感じ。

音声:The balder one gets, the bolder one becomes.
自分:The balder one gets, the bolder one becomes.


● シャドウイングとは?


これに対して、シャドウイングというのは、


◆ シャドウイング ◆

英文スクリプトを見ずに
CD・MP3音声に、少し遅れて発話する


にトレーニングになります。

以下はシャドウイングのイメージ。上の高杉尚孝先生のシャドウイング動画が分かりやすいです。


 音声:The balder one gets, the bolder one becomes.
 自分:    The balder one gets, the bolder one becomes.



シャドウイングを何度も繰り返してると、発音し慣れてきますし、スクリプトも覚えてくるのですが、決して同時に言わないように注意して下さい。

「聞こえてきた英語に少し遅れて、正確に、再現する」というのがすっごく大切。でないとトレーニングになりません。

シャドウイングは、あくまでも「shadow」(~の後をつける、尾行する)なのです。


ちなみに、「オーバーラッピング・シャドウイング」という練習法は、英語圏ではそういう言い方はしないみたいなので、外国人に「I practice overwaping/shadowing everyday.」と言ってもたいてい通じません。通じるのは、日本人の英語の勉強法に詳しい英会話の先生くらいです(ノд`)←経験者


● オーバーラッピングからシャドウイングへ

まず、シャドウイングは、スクリプトを見ずに、聞こえてきた音声だけを頼りに、自分で発話しないといけないので、オーバーラッピングよりもずっと難易度が高いです


今ちょっと時間がある方は、次のWebサイトをクリックすると、英語学習者向けのニュースサイト「Breaking News English」のクリスマスに関する記事が開きます。

【Link】Breaking News English ESL Lesson Plan on Happy Holidays

そして、次のリンクをクリックすると、英語音声が流れてくるので(PC・タブレットの音量にご注意!)、英文スクリプトを見ながら、オーバーラッピングをしてみて下さい。

【Link】Happy Holidays

英語初心者にとっては、このオーバーラッピングでもけっこう厳しいと思います。


今度は、英文スクリプトを見ずに、音声だけを頼りに、0.5~1秒ほど遅れて、シャドウイングをしてみて下さい。

おそらく、普段からシャドウイングなどでトレーニングしている方でないと、かなり難しいことがお分かりいただけると思います。


ですので、あらかじめオーバーラッピングで、英文スクリプトを見ながらなめらかに言えるようになるまでやっておくことで、シャドウイングに入りやすくなる、というわけです。




2. シャドウイング・オーバーラッピングの効果


オーバーラッピング・シャドウイングの目的は、CD・MP3音声を真似て発話することで、発音、音の連結・消失、アクセント、イントネーションを覚え、自分でも再現できるようにすることです。
(音の連結・消失については「初心者必見!リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール」参照)

そして、効果としては、シャドウイングで、つまらずに、なめらかに音声についていけるようになると、リスニングの「音」を聞き取るチカラが向上します。


なぜシャドウイングで、つまらずに、なめらかに発話できるようになると聞き取れるようになるのかというと、


自分で発音できる音
=聞き取れる音


だからです。
(「やらない人は損してる?発音を学ぶことで得られる4つの効果」参照)

個人的には、特別な理由がない限りは、ネイティブ並みの発音をめざす必要はないと考えています。

ただ、自分の発音、音の連結・消失、アクセント、イントネーションが、ネイティブに近づけば近づくほど、リスニングの「音」の聞き取りがラクになり、スピーキング時に相手に聞き取ってもらいやすくなるというメリットは大きいです。




3. 効果的なトレーニングの進め方と注意点


この項目では、オーバーラッピング・シャドウイングのトレーニング効果を倍増させるための、トレーニングの進め方をまとめていきます。

TOEICをされている方は、Part 3・4のトレーニングの流れとして参考になると思います。「公式問題集や模試を一度解いた後」という状況を想定して下さい。

【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 3・4編


(1) 音声を聴く

まず、英文スクリプトは一切見ずに、音声をノーマルスピードで2~3回聴いてみて、だいたい何の話をしているのかをつかめるように頑張ります。


(2) ディクテーション

英語初心者の方や、リスニングが苦手な初級~中級の方は、【 ディクテーション 】をぜひオススメします。

ディクテーションをやると、自分が苦手な発音、音の連結・消失が明確になります

そして、ディクテーションで明確になった発音、音の連結・消失を、オーバーラッピング&シャドウイングでトレーニングしていくことで、その音をスラスラ言えるようになる=音を聞き取れるようになるというわけです。


(3) 精読:発音・アクセントのチェック

ディクテーションの次は、英文スクリプトや和訳を見て答え合わせをするとともに、【 精読 】していきます。

まず、発音やアクセントが分からないもの・うろ覚えものは、次のサイトで必ずチェックして下さい。「自分が発音できる音=聞き取れる音」ですから(・∀・)b


  • Oxford Advanced Learner's Dictionary → 英米の発音の違いが比較できる
  • weblio英和和英辞典 → 発音が聞ける単語数が多い


  • (4) 精読:語彙・文法・文構造のチェック

    発音・アクセントのチェックが終わったら、語彙・文法・文構造でよく分からないものも、『一億人の英文法・Forest』などの文法書と辞書を使ってチェックしていきます。

    語彙・文法・文構造がイマイチよく分からないままオーバーラッピング・シャドウイングするのと、きちんと理解してからするのとでは、トレーニング後に大きな違いができてきます。

    精読の効果ややり方に関しては、次の記事で詳しく説明しています。

    【Link】TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法(TOEIC学習者)
    【Link】リーディングが苦手な人は「精読」で道が開ける!


    (5) オーバーラッピング

    特に、英語初心者の方は、CD・MP3音声のノーマルスピードに合わせてオーバーラッピングするのは、かなり厳しいと思います。

    そして、経験的に申し上げて、ノーマルスピードで無理してついていっても、効果はほとんどないですね。僕はこれでかなり時間をムダしました(笑)。


    そこで例えば、音声がゆっくり読み上げられてある教材をやる方法もあるのですが、そういう教材では、ネイティブの自然な「音の連結・消失」が学びにくかったりするんですよね。


    【注意】スロースピードから始める

    ですので、それよりは「Windows Media Player」や「SONYのウォークマン」などの再生速度が変更できるツールを使ってトレーニングすることをオススメします。

    最初は、再生速度を0.7~0.9倍速に落としてトレーニングをやり始め、慣れてきたら徐々にスピードを上げていく、というやり方のほうが効率的だと感じています。
    ※ピアノやギターで速いパッセージを練習するとき、テンポを落として練習するのに似てますね。


    また、ウォークマンのように「クイックバック:ワンタップで3~5秒前に戻れる」「区間リピート:区間を指定して繰り返し再生できる」機能があるツールがあると、自分の苦手な部分だけを集中して練習できるので、オーバーラッピング・シャドウイングが効率化します。便利な時代や(ノд`)゚・*:.。.


    【注意】自分の声よりも音声を大きくする

    そして、オーバーラッピング・シャドウイングする際は、できればヘッドホンをして、自分の声より音声のほうが大きい状態でトレーニングすることです。

    というのも、音声よりも自分の声のほうが大きいと、音声が聞き取れないので、音声の発音・アクセント・イントネーションが聞き取れない→我流の発音をしてしまう→正しい発音・アクセント・イントネーションが身につかないので、効果が非常に薄くなります。


    (6) シャドウイング

    英文スクリプトを見ながら、オーバーラッピングで、つまらずに、なめらかに言えるようになってくると、何だかできる子になった気がしてくるのですが、残念ながら、それは気のせいです(笑)。

    上述しましたが、英語初心者~中級者の方だと、シャドウイングにするだけでいきなり厳しくなると思います。
    ※かくいう僕も、完璧なシャドウイングはまだできていない感じです…orz

    もし「速度が速いな」と感じるようであれば、躊躇せず、再生速度を0.7~0.8倍速くらいまで落として下さい。

    先ほどもお伝えしたように、いい加減な発音のままついていっても効果はほとんどありません。


    【注意】音の聞き取りはシャドウイングで完成

    シャドウイングをやっていて痛感することなのですが、


    シャドウイングできない音
    = 完全に再現できるレベルでマスターしていない音
    = リスニング時に"瞬時に"聞き取れない音


    なんだなと。

    逆に言うと、シャドウイングで、聞こえてきた瞬間に、無意識レベルでスラスラ言える音というのは、完全にマスターしている音=リスニング時に瞬時に聞き取れる音になります。


    (7) 1.2倍速シャドウイング

    付属CDのオリジナルスピードで満足せず、1.2倍速でシャドウイングできるまで頑張ってみて下さい。

    速い音声での処理に慣れる → 聞き取るスピードが上がる → TOEICや英検で音声を聞きながらマークする余裕が生まれる → 【 先読み 】にまわせる時間が増える。

    【参考】速聴の効果と注意点まとめ



    4. シャドウイングは万能薬ではない


    「シャドウイングで成長できている」という方は、そのまま続けていただいて全然OKですが、もし「今まで、シャドウイングをやってきたけど、最近伸び悩んでいる」という方は、次の項目を参考にしてみて下さい(・∀・)b

    ●「意味をつかむチカラ」は伸びにくい

    オーバーラッピング・シャドウイングは、英語の音を覚えて自分で再現するトレーニングなので、リスニングの「音を聞き取るチカラ」を伸ばすのには効果がありますが、その聞き取った音から「意味をつかむチカラ」は伸びにくいと感じています。

    というのも、リスニングの初~中級レベルになってくると、

  • 文頭から瞬時に聞き取れない
  • 何度か聞くと聞き取れるが一発で聞き取れない
  • 単語しか or 部分的にしか聞き取れない

  • という症状が出てきますが、これらの症状は、オーバーラッピング・シャドウイングではなかなか解決しないなと。


    【TOEICで伸び悩んだ時期】

    オーバーラッピングとシャドウングをひたすらやっていた時期があったのですが、最初の頃はそれである程度は伸びたものの、TOEICのリスニングは400点くらいで伸び悩みました。

    そのとき、『瞬間英作文本』を1冊こなし、『究極の模試』のPart 3・4の和訳と英文スクリプトで瞬間英作文をひたすらやったところ、音声や英文の意味をつかむスピードが向上し、その結果445点が取れました。

    最近は【 暗唱 】にめざめてまして、「Part 3・4は、シャドウイングと瞬間英作文をやった後に、暗唱することで完成するな」と感じています。

    リスニングで450点~満点を取るためには、Part 3・4の問題音声を8~9割聞き取れる必要がありますが、「Part 3・4は5割も聞き取れない」という方は、瞬間英作文と暗唱をぜひ試していただきたいです。

    【Link】瞬間英作文の効果的なやり方
    【Link】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!


    ● リスニングができるようになる過程

    リスニングができるようになる過程をまとめますと、


    【Step 1】音が聞き取れる

    【Step 2】聞き取った音から意味が理解できる

    リスニングができる


    つまり、オーバーラッピング・シャドウイングは、この【Step 1】の「音を聞き取るチカラ」を上げるだけで、【Step 2】の「意味をつかむチカラ」が上がりにくいです。

    この【Step 2】のチカラを上げてくれるのが、【 瞬間英作文 】と【 暗唱 】になります。


    瞬間英作文:聞き取った音から意味をつかむチカラとスピーキング力が向上
    暗唱:会話の流れがつかめるようになり、それに合った表現が出てくるようになる



    英語初心者~中級者でリスニングの苦手な方は、


    ●音が聞き取れなかった文 → 音読・オーバーラッピングとシャドウイング
    ●意味がつかめなかった文 → 瞬間英作文+暗唱


    をやるようにしていくと聞き取れるようになります。


    ●スピーキングも伸びにくい

    オーバーラッピング・シャドウイングは、声に出すトレーニングなので、アウトプット型のトレーニングだと言う方もおられますが、自分の経験では、(英語力が低い人がシャドウングをやりまくっても)スピーキング力はあまり伸びないと感じています。

    「シャドウイングで伸びるよ」という方は、すでにある程度高い英語力を持っていて前後の流れから意味を類推する能力が高かったり、シャドウイング以外に暗唱などのトレーニングをされている方が多いような気がします。


    状況をイメージしながらシャドウイングできれば、スピーキング力の向上にもつながると思いますが、英語初心者が「シャドウイング」などの声に出す系のトレーニングをすると、どうしても声に出すことに意識が言ってしまい、状況をイメージするのが難しいのではないかと。

    もちろん「シャドウイングで伸びる」という方はそれでOKだと思います。

    ただ、「シャドウイングをやっているけど、最近伸び悩んでいる」という方は、瞬間英作文を試していただきたいです。

    【Link】英会話の上達に効果抜群の独学勉強法「瞬間英作文」
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