TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!

376-part34-ansho-02.jpg

対象:Part 3・4が苦手/リスニングが300~400点で伸び悩んでいる 
読了:約13分(8085文字) 
公開:2014-12/16 
更新:2017-10/06 全面的に加筆・修正 

2014年にこの暗唱の記事をアップしたところ、多くの読者さんから「リスニングで400点を超えました」というご報告をいただいてきました。皆さんありがとうございます<(_ _)>

ひろりーなさん L445点
唯さん L450点
りょーさん L450点)
コウセイさん L495点
syariさん L455点
ていじぇいさん L435点
ひょうたんつぎさん L470点
まめだいふくさん L450
孫太郎泰親さん L460点
164さん L470点

暗唱は再現性が高く(=誰がやっても効果があり)、即効性があり、しかもお金がかからないのでお財布にも優しい、究極のトレーニングだと感じています。

それでは詳しく見ていきましょう!ヾ(゚Д゚ )
 

1. なぜ「暗唱」は効果があるのか?

「覚えられない」のではなく「思い出せない」

うちのオカン御用達のテレビ番組「ためしてガッテン」のWeb記事「記憶脳を刺激する!最新科学ワザ : ためしてガッテン」に記憶に関する放送がありました。


もの忘れは「情報が頭に入らない(=覚えられない)」ために起きるように思われがちですが、実は一番の問題は「情報は頭に入っているのに、うまく引き出せない(=思い出せない)」ことにあったのです!


例えば、「TOEICのPart 3・4が苦手」という方は、問題を解いているとき、

「個々の単語は聞こえてくるんだけど、音声が速すぎて理解できなかった」
「聞こえない箇所が現れると一瞬フリーズして、音声に置いていかれる」

ということがよくあると思います。

でも、模試を解いた後に復習しているときに、「何度か聞いたら内容を理解できた」「英文スクリプトを見ると余裕で理解できた」という感じではないかと。

これって、まさに「情報は頭に入っているのに、聞き取れた音から、瞬時に意味を引き出せない(=思い出せない)」のが原因だと思うんですよ。

上述の「ためしてガッテン」の記事によると、記憶したことを引き出すためには、脳の前方内側にあるACC(前部帯状回)という部分が関わっているそうです。


最近の研究で、この「ACC」は何かを覚えるときに「どれが大事な情報か」を選択し、それを後で思い出しやすいようにしておく働きがあることが分かってきました。
この働きが落ちてしまうと、肝心な情報が思い出せないというもの忘れが増えてしまいます。


そこで、このACCを活発化させる(=記憶したことを瞬時に引き出せるようにする)ための秘訣が、


何かを覚えるときに、「言葉」だけで覚えるのではなく、映像を「イメージ」しながら覚えると、ACCの働きが活発になる


ということだそうです。


イメージしながら暗唱

これを読んで真っ先に思い出したのは、TOEIC満点講師のOJiMさん の暗唱法。

OJiMさん、確か旧ブログの記事で、イメージしながら暗唱することの大切さを説いておられたなと思って検索したら、「TOEICのPart3、4がスッキリと聞き取れるようになる暗唱トレーニングの実践的な方法について」にありました。


英語の基礎トレーニングの中で、暗唱は最強のトレーニングだと思います。
…聞いた瞬間に聞き取れるようになるには、音読も良いのですが、暗唱の方がより良いですね。暗唱でも大切なのは、キモチを込めること。…(中略)…話者になりきって状況を思い浮かべるのです。(妄想とも言いますが。。)


OJiMさんの著書『サラリーマン特急』



は2016年に一通り解いて復習しましたが、Part 3・4では暗唱のやり方が丁寧に説明されてあるので、暗唱のための教材としてお勧めです。

Part 2も「距離が遠い問題」が多めに収録されてある良書。


暗唱がリスニング力向上に効果がある3つの理由

暗唱の主な効果は3つあると感じています。


(1) 語彙力が向上する
(2) 会話・トークの状況を瞬時につかめるようになる
(3) 会話・トークの流れを予測しやすくなる


(1) 語彙力が向上する

Part 3・4の会話・トークの英文を、和訳を参考に状況をイメージしながら暗唱すると、単純にPart 3・4によく出る語彙が身についてきます

しかも、Part 3・4に出てくる語彙は他のパートにもよく出てくるので、Part 1・2でも聞き取れる語彙が増え、Part 5・6・7で読める語彙も増えてきます


(2) 会話・トークの状況を瞬時につかめるようになる

自分の感覚では、Part 3・4に出てくる会話・トークの7~9割くらいは、よく出るパターンだと感じています。

新形式に変わってから、「あれ、このパターン聞いたことないな」という割合が出てくる確率は増えたと感じていますが、それでも、その割はそこまで多くはないです。

表現の仕方が違ったり、手段が変わったり、必要とするものが違うなど、毎回微妙に異なるのですが、多くの会話・トークの大まかな流れは「Part 3・4あるある」なんです。

なので、Part 3・4の会話やトークで暗唱したものが増えれば増えるほど、本試験で似たような会話やトークに出会う確率が高まり、状況を瞬時に、鮮明にイメージできる割合も増えてくるようになります。

これは「何とか頑張って聞き取れる」というレベルではなく、「自然と耳に入ってきて、自動的に状況のイメージが浮かぶ」という感覚で、無理なく聞き取れるようになります。


満点講師の神崎正哉先生も、マイナビニュースのインタビュー記事「プロに聞くTOEIC勉強法 レベル別にTOEIC対策をしながら本当の英語力をつける方法」で、次のようにおっしゃっておられます。


TOEICのPart 3,4で出題される会話・トークはパターンが決まってきます。『公式問題集』中の会話・トークをたくさん覚えていると、本番で似たような会話・トークに当たる可能性が高くなります。


(3) 会話・トークの流れを予測しやすくなる

例えば、


Unfortunately, my schedule is too tight to fit in the appointment next week.
申し訳ないのですが、来週は予定がいっぱいで、お約束を入れることができません。


という英文を暗唱する場合、ビジネスパーソンが申し訳さなそうな顔で、予定を断っている状況をイメージして覚えます。

すると、本試験で「Unfortunately...」と聞こえてきたら、「何か残念なことや断りを言うかも!」と気づき、その後の会話・トークの流れも推測しやすくなるんですね。

そうすると、脳の処理リソースに余裕が生まれてくるので、音声を聞きながら、設問・選択肢を読んでマークするという聖徳太子もビックリの荒業ができるようになってきます。

【参考】TOEIC Part 3・4 解き方と先読みをマスターするコツ&練習法

次のツイートは、満点講師のJet Bullさんです。




Jet Bullさんが仰る「脳内予測変換の精度が良くなる」というのは、「次にどういった言葉が続くのかが予想しやすくなり、その精度も上がってくる」という意味です。

暗唱はTOEICだけでなく、英検のリスニングパートでやれば英検で聞き取れる割合が増えてきますし、「ニュースで英会話」の英文を暗唱すれば、ニュース英語に強くなります。


満点ホルダーさんたちの多くが暗唱していた件

僕が信頼している、満点ホルダーの方々も暗唱されていました。

porporさん「TOEIC Part 3 の英文を暗唱したらドン引き→効果あるからやってんの!
Jet Bullさん「『暗唱』は何に効くのか
Tommyさん「暗唱継続

あと、TOEIC 980点・英検1級ホルダーで、現在アメリカの大学院に留学されているサラさんも、ブログ記事「英語スタートから今日まで」を拝読すると、ひたすら暗唱をされていた時期があります。



2. 効果的な暗唱のやり方 6つのコツ


暗唱の下準備に関しては、当ブログ記事「TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 3・4編」をお読みいただくといいかなと。

また、澤田先生と神崎先生の暗唱メソッドも貼っておきます。

【参考】TOEICスコアと英語力を同時に伸ばす勉強法(2)
【参考】「リスニングが上がらない」「暗唱でしょう」


ここでは、お二人の暗唱メソッドのエッセンスを元に、僕とブログの読者さんがトレーニングしてきた実験結果から、効果的な暗唱のやり方をまとめておきます。


(1) 素材は『公式問題集』を使う



ブログのあちこちでお伝えしていますが、公式問題集に出てくる語彙・表現は、本試験にも出るものばかりです。

また、上述したように、公式問題集のPart 3の会話・Part 4のトークの流れも、本試験に似たようなものが出ます

なので、暗唱するなら公式問題集でやるのがベスト。

その次にTOEICを毎回受験し続けておられる信頼できる講師の方々の模試やPart 3・4対策本。『非公式問題集/新形式精選模試』『究極のゼミ Part 3&4』などがお勧めです。

【参考】新形式TOEIC おすすめ公式問題集・模試と効果的な使い方


(2) 低速でオーバーラッピング・シャドウイング

神崎先生も澤田先生も、音声と同じようになめらかに言えるようにすることを推奨されているので、まずは【 オーバーラッピングかシャドウイング 】で言えるようにしましょう。

「音が聞き取れる→聞き取った音から意味がつかめる→リスニングができる」なので、前提条件として、音が聞き取れなければ、意味もつかめません

そして音を聞き取れるようにするためには、オーバーラッピングやシャドウイングで、ナレーターの音声そっくりにスラスラ言えるようになる必要があります。


ただ、リスニング400点未満だと、いきなりナレーターと同じ速さでやるのは難しいと思います。特にオーストラリア人男性は、200wpmを超えるスピードで話すこともありますから。

そこで、スマホの無料アプリ「語学プレーヤー(iPhoneAndroid)」や「SONYのMP3ウォークマン」を使って、0.7~0.9倍速から始めるといいです。詳しくは次の記事で。

【参考】シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点


(3) 状況をイメージする or 話者になりきる

上述したように、暗唱する際は「状況をイメージすること」が重要です。

Part 3の暗唱をする際は、会話している男女の状況をイメージし、Part 4は話者になったつもりで、聞き手・聴衆に話しかけているイメージでやるといいかなと。


(4) オリジナルの速度で暗唱できるまでやる

最低でも、CD音声のナレーターと同じスピードで暗唱できるまでやることをお勧めします。

速いスピードで暗唱できるセットが増えれば増えるほどリスニング時の処理速度も上がってきます。おまけにリーディング時の処理速度も上がってきます。


また、TOEIC本試験のナレーターは『公式問題集』よりも速くなってきています

なので、リスニング400点を超えてきた方は、『公式問題集』のナレーターよりも速いスピードで暗唱できるまでやっておくと、本試験で速い英語にもついていきやすくなります。高地トレーニングですね。


(5) 暗唱した音声は1.2~1.5倍速で聴く

リスニング450点を取得されたまめだいふくさんは、暗唱でスラスラ言えるようになったPart 3・4の音声を、1.5倍速で毎日聴くようにしたそうです。

暗唱し終えたセットの音声は、通勤時間・昼休憩・赤ちゃん抱っこ中などのスキマ時間に、1.2~1.5倍速で速聴すると、リスニング的には維持できます

また、暗唱し終えた音声を速聴すると、


リスニングの処理速度が格段に上がる
→ 聞き取るスピードが格段に速くなる
→ 脳の処理リソースに余裕ができる
→ 音声を聞きながら、設問・選択肢を読んでマークできるようになる


というメリットがありますし、また、あの悪名高き?早口のオーストラリア人男性の速さにもついていけるようになります。

僕は最初に問題を解くとき以外は、ほとんど1.2~1.5倍速で聴いています。その結果が2017年のリスニング満点につながっています。速聴については次の記事を参考にしてみて下さい。

【参考】速聴の効果と注意点まとめ


(6) 文法が苦手 → 瞬間英作文

dondon-02.png

もし暗唱をやっていて、「文法がうまく捉えられない」「暗唱をやっていると、どうしてもお経を読み上げているような感覚になる」ようであれば、【 瞬間英作文 】を試してみてもいいかもしれません。

暗唱される読者さんは、瞬間英作文をしなくてもリスニング力が向上されている方は多いので、必須のトレーニングではないです。

ただ、瞬間英作文は、過去形・進行形・現在完了形・疑問文・否定文・不定詞・助動詞・受け身・比較・関係詞・接続詞を中心に英文を瞬時に作るトレーニングなので、瞬間英作文でスラスラ言えるものが増えてくると、文法の処理速度が高まってくるんですよね。

暗唱の素材でやってもいいですし、『文法項目別の瞬間英作文本』を1冊やってもいいです。

僕の場合、2012年に瞬間英作文本を1冊20周やってから、リスニングとリーディングにおける文法の処理速度が向上し、聞き取るスピード、読むスピードが向上しました。当時、900点を超えることができた大きな理由の1つです。



3. 暗唱トレーニングの目安

● テスト2回分を暗唱 → L400点台に

toeic-koushiki-1-01.png

公式問題集1冊には、テストが2回分収録されてます。

トータルで、Part 3の会話は26セット、Part 4のトークは20セットあるので、まずはこの46セットを暗唱していきましょう。

旧形式時代のブログ記事ではありますが、神崎先生が、「「リスニングが上がらない」「暗唱でしょう」」で、次のように語っておられました。


(リスニングが300点台前半であれば)会話20、トーク20暗唱できたら、リスニングのスコアはおそらく400点以上になるでしょう。


この記事を投稿した後、すぐにテスト2回分のPart 3・4の暗唱を実践されたまめだいふくさんは、リスニングが360点 → 450点に伸びたと報告して下さいました。

また、リスニング445点に到達されたひろりーなさんからもご報告いただきました。


リスニングは暗唱、リーディングは精読通読で、LRそれぞれ400点の壁を越えることができたので。(ブログ)記事に書いてあったとおりです。

暗唱という勉強法は、こちらのブログを読むまで知りませんでしたが、模試2回分を暗唱できるようになった頃から、コンスタントに400点越えできるようになりました


● テスト2回分の暗唱を20分で

Part 3・4は、1文当たり30~40秒くらいなので、テスト2回分(40文)を1.2倍速で暗唱できるようになるまでやったとすると、おそらく20分以内で終わらせられるようになると推測しています。

数値目標があるとタイムアタックができてゲーム感覚になるのでトレーニングを楽しめるかなと。

46セットを感情を込めながら暗唱できるようになったら、毎回ストップウォッチで測るようにして、徐々にタイムが短くなっていくのを励みにしてもいいかもしれません。


●「7~9割聞き取れる」を目標に

当然なのですが、Part 3・4で聞き取れる割合 ≒ Part 3・4で正解できる割合です。

リスニング300点台だと半分も聞き取れていないはずです。400点前後だと、半分くらいはだいたい何となく分かる。そして、7~9割くらい聞き取れるようになると、450点を超えてきます

なので、TOEIC 900点をめざすのであれば、Part 3・4で7~9割は聞き取れるまで、暗唱を続けていくことをお勧めします。


また、リスニング400点を超えてくると、「ほぼ聞き取れた」というセットも出てくると思います。そういうのは省いて、聞き取れる割合が低かったものだけやっていくと効率的だと考えています。


● 暗唱したものはいつまで維持すべきか?

【TOEICスコア最優先】

スコアアップ報告を下さった、リスニング満点を取得されたコウセイさん(985点)は、TOEIC以外も含めて、トータルで142のセットを暗唱されたそうです。

それもあって、スコア最優先の方は、どんどん数をこなしていったほうがいいと思うようになってきました。


暗唱の数をこなす
→ 1つの語彙に対して違う文脈で何度も出会えるようになる
→ 語彙の意味をより正確に捉えられるようになる&処理速度も速くなってくる


からです。

なので、CD音声と同じスピード(or それ以上)で暗唱できるようになったら、3~5日間くらいは続け、それで終わりにして、どんどん数をこなしていきましょう。

こなしていくと、最初の頃にやったものは忘れてきて暗唱できなくなってきますが、気にせず次に進んでいって下さい。

上述したように、暗唱し終えたセットは、スキマ時間に【 速聴 】しておけば、リスニング的には維持できるので大丈夫です(・∀・)b


【スピーキング力も同時に高めたい】

先ほどご紹介した、カナダに長期出張されていたTOEIC講師のTommyさんは、『公式問題集』3冊分(テスト6回分)のPart 3・4を暗唱し続けたそうです。


同じ素材を4年以上やっているということは、過去にやったものは財産になるということを身を持って証明しています。

【出典】暗唱継続


僕はTommyさんほどやっていないですが(笑)、テスト6回分のPart 3・4(138セット)を暗唱すれば、さまざまな状況で「使える」語彙・表現が身につくはずです。



4. 暗唱で効果が出ない人によくある4パターン

(1) 精読をきちんとやっていない

暗唱で効果が出ないという人は、まず、【 精読 】をきちんとやっていない可能性が高いと考えています。

僕は不明な単語だけでなく、文法や構文も、辞書や文法書で徹底的に調べてきました。僕は今でも、1日に数十回は辞書を引きます

不明な語彙を調べずに、うろ覚えの文法事項を文法書で調べずに、文構造(主語・動詞)もきちんと把握しないまま暗唱すると、お経の読み上げ状態になってしまうので、効果は薄くなります。


(2) 状況をイメージしていない

暗唱をする際に、脳内で状況をイメージせずに、ただ英文をつぶやくのも効果は薄いです。

状況をイメージして暗唱するからこそ、Part 3・4の音声が聞こえてきた瞬間に状況がイメージできる=聞き取れるようになるからです。


(3) 暗唱したセット数が少ない

神崎先生は「テスト2回分を暗唱」とおっしゃっておられますが、もちろん「テスト2回分暗唱したらそれだけでOK」というわけではないです。

というのも、公式問題集1冊に、同じ会話・トークのパターンはほぼ出てこない → 同じ語彙・表現に出逢う回数が少ない → 長期記憶に移行しにくいからです。

ですので、1冊目の暗唱ができるようになったら、2冊目の公式問題集や模試の暗唱に入って下さい。1冊目の暗唱で覚えた会話・トークに似たパターンに出逢うはずです。

すると、1冊目の暗唱で覚えた語彙・表現が、より正確に意味がつかめるようになります。

また、1冊目の語彙・表現のストックがあるので、1冊目に暗唱したときよりも、少しラクに暗唱できるはずです。

とりあえず、満点講師のTommyさんが120セット、リスニング満点のコウセイさんは142セット暗唱されたので、テスト6回分(138セット)暗唱するのを目的にされてみてはいかがでしょうか?





 
同じカテゴリーの記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)


PAGE TOP