TOEICでは身につきにくい、英検で獲得できる6つの英語力

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対象:TOEIC学習者/英会話学習者 
読了:約12分(7051字) 
公開:2017-04/27 
更新:2017-07/14「部分的に加筆・修正 

2015年の秋頃から、英検準1級の過去問集のすべての音声と英文を使って、ほぼ毎日2~3時間トレーニングしてきました。2016年第2回に合格できましたが、過去問の勉強はその後も続けていて、最終的に24回分やりました。

勉強&トレーニングのやり方は、TOEICでやってきたものと基本的に同じです。

1年半くらい英検に浸ってきましたが、TOEICにはないメリットが見えてきたので、まとめてみることにしました。
 

リスニング・リーディング

(1) TOEICにはない会話パターンが学べる

● 英検の会話問題は関係性が多様

英検のPart 1・Part 3はそれぞれ、TOEICのPart 3の会話・Part 4のトークに似ています。

TOEICの会話やトークで出てくる関係性は、大きく分けると、


● 同じ会社の従業員同士
● 従業員とお客さん(B to C)
● 従業員と別の会社の従業員(B to B)
● 友人っぽい関係


の4つくらいだと思うんですよ。

ですが、英検のPart 1の会話問題では、これら4つの関係性に加えて、


● 夫婦
● 親子
● 先生と生徒
● 先生と親


といった関係性の会話も出てきます。これらは、僕の知る限りではTOEICで出会ったことがないです。

当然ですが、関係性が異なると、使う語彙や表現も異なってきます

応用言語学の白井恭弘教授が著書で、次のように説明しておられました。


ここ数十年のコーパス言語学研究や、ジャンル分析などの結果、英語といっても、ジャンルによって使われる単語や構文は全然違ってくることがわかってきました。

たとえば、アナウンサーがテレビでしゃべっているときと、家で子供に向かってしゃべっているときでは、単語も文法もかなり違うものを使っています。(P. 78)




実際、英検の勉強を始めたとき、簡単そうな親子の会話でもきちんと聞き取れなかったんですよね(笑)

スクリプトを見るとほとんど知ってる単語ばかりなのですが、TOEICでは聞いたことない会話パターンなので、話が追えないんです。

英検で勉強すると、TOEICには出てこないタイプの会話シチュエーションや、会話表現が学べます


● 英検の会話は、よりリアリティがある

TOEICワールドの住人たちは、優秀で前向きな人格者ばかりで、激昂することはなく、過度に喜ぶこともなく、淡々と話します。
※2016年1月のTOEIC Part 3で、予約できていないと聞いて「What?!」と少しキレた男性が出てきたことがあります。

なので「promising(有望な)」「outstanding(優れた)」「I couldn't have done it without you.(あなたがいなかったら、できなかった。)」などのポジティブな表現は身につきやすいです。

ですが反対に、「timid(臆病な)」「restless(落ち着きがない)」「Cut it out!(やめて!)」といったネガティブな表現は、あまり出てこないんですよね。


一方、英検ワールドの住人たちは、感情表現豊かで、非常に世俗的です。


● 警官に切符を切られて反論するドライバー
● クビになった元同僚の陰口を言う社員
● 心配症の生徒を、面倒だと感じながらも励ます先生
● 子供の問題行動を、夫のせいにする妻
● 視力が落ちたことを認めない、意地っ張りな初老の男性


英検に出てくる登場人物の会話は、生々しくてリアリティがあるんです。TOEICではまず出てこない語彙や表現がたくさん学べます。


「TOEIC 900点」しか持っていなかった頃と比べると、聞き取れる範囲が増えたので、英会話で聞き返す回数が減ってきました

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた


また、英検のリスニングパートで出会った「これ使えるようになりたい!」と思ったセンテンスを、フラッシュカード(単語帳)アプリ「AnkiDroid」に「日→英」で登録して、瞬間英作文で回してきたことで、英会話で使える会話表現も増えてきました

【参考】英会話の上達に効果抜群の独学勉強法「瞬間英作文」


(2) 歴史・科学・環境・医療系の英語に強くなる

英検のリスニングPart 2(説明文問題)読解問題で勉強すると、歴史・科学・環境・医療などの、アカデミックな英語が学べます。

例えば次のようなトピックのものが出ます。


● コーヒーの歴史
● 交通事故を減らす試み
● タコの知性
● マヤ文明の織物
● ある都市の犯罪報告書
● 『夢』に関する研究発表
● 木を使わない紙
● ある地域に生息するトラの習性


僕が英検にハマっている最大の理由は、こういった知的好奇心をそそられるトピックの数々です。聞いている&読んでいるだけで面白いんですよね。


● NHK WORLDが聞き取りやすくなった

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Image by NHK WORLD

2010年にTOEICの勉強を始めた頃から、スキマ時間に「NHK WORLD TV Live」を観てきました。

最初の頃は「部分的に単語が聞き取れるだけ」というレベルだったんですよね(˜∀˜;)

2012年にTOEIC 900点を超えてから聞き取れる割合は増えましたが、それでも簡単な会話くらいで、ニュースや専門的な番組になると、「映像から何のトピックかは分かるけど、半分も聞き取れないレベル」でした。

ですがこの1年半、準1級の過去問集でトレーニングしてきたことで、フォーマルでアカデミックな英語を聞き取れる割合がかなり増えてきました。番組によっては8~9割聞き取れていると思います。

完璧に聞き取れるレベルにはまだまだですが、おそらく、英検にはあと2年くらいは浸ることになると思うので、2年後にはもっと聞き取れるようになっているだろうと、取らぬ狸っています。


(3) 英語ニュースが読みやすくなる

Web上の海外ニュース記事も、TOEICしか勉強してなかった頃と比べて、読める範囲が増えました


● 易しめのニュースはかなり読めるように

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僕が5年くらい利用させてもらっているオンライン英会話スクール「EnglishTalk」では、初級~中級者向けのニュースサイト「Breaking News English」の記事を題材にディスカッションすることが多いんです。

難易度が「Level 0~6」までありまして、TOEIC 900点取得後に英会話を始めた2013年頃は「Level 3」くらいでもけっこう苦戦していたんですよね。

ですが、2017年現在では、最難の「Level 6」の英文でも、初見で辞書なしでもだいたい読めるようになってきました。たまに意味や文構造がつかめないときがある、という感じです。

同じく初級~中級者向けの「VOA Learning English」も、わりとスラスラ読めます。たまに難易度が高めの語彙が出てきますが。

また、上記の2つよりも語彙レベルが少し高めの「VOA News」「Japan Today」は、記事によってはけっこう読めるかなと。Google Chromeの拡張機能「Weblioポップアップ英和辞典」を使うとほぼ理解できるようになります。

おすすめの英語ニュースサイトとその違いについては、次の記事で詳しくまとめています。

【参考】英語初級~中級者におすすめの英語ニュースサイト


あと、英検には、健康に関するトピックがよく出てくるので、お陰で「7 Kiwi Fruit Benefits」「The Alzheimer’s and Sugar Connection」など、健康に関する情報は、英語で入手することも可能になってきました。英語力も健康知識も向上するので一石二鳥(ノ´∀`)ノ


● 「TIME」のWeb版はわりと読める

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Image by TIME

以前は、「TIME」は英語上級者向けの雑誌で、中級者の自分にはまだ早いと思っていたのですが、「Web版のTIME」は意外と読めるなと。

政治や国際情勢は背景知識がなさすぎるので厳しいですが、「自己啓発・心理学系のカテゴリ」「TIME Health」といった自分の興味あるジャンルだと、背景知識があるせいかわりと読めるんですよね。

The Economist」「BBC」や、科学系の「Scientific American」「National Geographic」は読めなくはないですが、凝った言い回しや専門用語が多かったりするので、辞書がないと厳しいことが多いです。


英検を33年教えておられる植田 一三先生によると、


……1万語水準で、国内の英字新聞なら…楽に読めますが、まだまだTIME・洋書では未知の語がどんどん出てくるでしょう。

……1.3万語水準で、TIME・洋書も大分クリアに読めるようになり、(P. 191)




だそうです。

準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力」でご紹介したように、英検準1級に合格しただけだと、だいたい6000~7000語レベルの語彙力なんですよね。


(4) 洋書が少し読みやすくなる

英語「超」上級者は例外なく多読していた件」でもお伝えしているように、英検準1級合格レベルだと、辞書なしで洋書を読むのはまだちょっと厳しいです。

読めなくはないですが、知らない語彙が多いので、理解度が下がるんですよね。


ですが、Kindleがあれがペーパーバックはわりと読めることが分かりました。



僕は基本的には「本は紙で読みたい人」なんですよ。Kindleは数年前に買ったのですが、どうもしっくりこず、今でも紙の本のほうが読みやすいんですよね。

ただ、紙の洋書を読んでいて、意味の分からない単語が出てきたとき、わざわざ辞書で調べるのは面倒くさいんです。とは言え、辞書で調べないと、理解できないセンテンスが増えるのでモヤモヤします。

今まで紙の洋書をたくさん買ってきたのですが、どれも途中で頓挫しています(笑)

ところが、Kindleには「単語の上で長押しすると辞書が出る機能」があるので、意味が分からない単語をサッと調べられるんですよね。洋書にトライしやすくなると感じました。

そして、英検準1級の読解問題で8~9割くらい取れるようになると、基本的な英文の読み方(文法・構文・文構造・文体)は身につくので、語彙さえ分かれば、たいていの英文は理解できるようになるなと。


先日、世界中でベストセラーになっている、人類の歴史について説いている、



を試してみようと思い、Kindleにダウンロードしてみました。

難易度の高い語彙は多いのですが、文構造が分からないことはほとんどなく、思ったより読めるなと。英検によく出る、自然科学や文化に関するジャンルの洋書だとけっこう読めるようです。


英検1級があればより理解しやすくなり、辞書を引く回数をさらに減らせると思いますが、準1級とKindleがあれば、洋書に挑戦することは十分可能だと思います。

【参考】英検準1級 読解で8~9割取るための対策と勉強法



スピーキング・ライティング


英検のリスニングとリーディングは、「過去問集を中心に勉強する」という条件下であれば、身につく英語力はそこそこ同じようなものになっていくと思います。

ですが、スピーキングとライティングは「どの素材を使うか?」「どのように勉強するか?」で、身につく英語力が大きく変わってくると感じています。

(5) 自分の意見を述べる力

英検準1級の英作文(エッセイ)や2次試験では、社会問題について自分の意見を述べるものがあります。

英検準1級|過去問・対策
英検準1級|二次試験の問題と解答のサンプル(PDF)

次は、2次試験に出てくる社会問題に関する質問例です。


● 日本の犯罪率は将来、上昇すると思いますか?
● 人はテレビで見るニュースを信頼していると思いますか?
● 政府はネット犯罪を防ぐために、もっとやるべきことがあると思いますか?


いかがでしょうか?日本語でもすぐに答えるのは難しい質問だと思いません?

植田 一三先生によると、遅くとも7秒以内に答えないといけないみたいです。去年、2次試験を受けたとき、「早く返答しないといけない空気」があり、最後の質問が正確に聞き取れず、かなりトンチンカンなことを言いました(笑)

本番でスラスラっと言えるようにするためには、普段から社会問題に対して自分の意見を論理的に言えるように練習しておく必要があります

僕は【 オンライン英会話 】で、先生が持ってこられるニュース記事についてディスカッションするというのを4年くらいやってきたので、馴染みのあるトピックについては、ある程度は意見を言えるようにはなってきました。

【参考】オンライン英会話 効果を200%にする使い方&予習・復習のやり方


● 合格したいだけなのか or 英語力を伸ばしたいのか

ただ、準1級の2次試験においては、質問されたことに対して一方的に答えるだけで、interaction(双方向のやりとり)はほぼゼロなので、英会話はやらなくても合格は可能です。



この過去問集の解答例を【 瞬間英作文 】などでスラスラ言えるようにしたり、質問に対して自分の意見を英語でまとめて暗唱したりして合格されている方は多い印象です。

ぶっちゃけ、「合格すること」が最優先事項なのであれば、英会話に注力するよりは、「2次試験に出そうな質問に答える練習」をしていったほうが時間対効果は高いと思います。

ただ、それが本当に自分がめざしているものなのかどうかは考えておいたほうがいいかもしれません。

英検1級の話ですが、4年間ずっとレッスンを受け続けている、非常に信頼しているオンライン英会話の先生が「去年、数人が英検1級に合格していたけど、失礼ながら、この程度のスピーキング力で合格するの?って心の中で思ってしまったのよ。」と仰ってました。

僕はまだ1級は受けたことがないので何とも言えないですが、「英検の2次試験を突破するのに必要なスピーキング力」と「英会話でディスカッションできるスピーキング力」は、似て非なるものかもしれないという気がしています。


今の僕は英検1級を目標にはしていますが、将来合格したときに「英検1級を持っています」と言うのに相応しい会話力を可能な限り身につけておきたいので、【 瞬間英作文 】と【 オンライン英会話 】に毎日2時間近く費やしています。


(6) 状況描写力

英検準1級の2次試験には、4コマ漫画を見て、状況や行動をナレーションするという、ちょっと変わった試験があります。

【参考】英検準1級|二次試験の問題と解答のサンプル(PDF)

「Model Narration」を見ると、易しい語彙ばかりなので、一見簡単にできそうな気がするのですが、実際に自分でナレーションしてみるとけっこう難しいんですよね。

オンライン英会話 】を4年間やってきたので、ある程度はできるだろうと思っていたのですが、実際やってみるとかなりシドロモドロになります(笑)

結局、オンライン英会話ではニュース記事を使ったレッスンや、フリートークがメインの場合、自分の意見を述べる英語力は身につきますが、状況を描写する英語力は身につきにくいということに気づきました。
※一応、DMM英会話の教材には「写真描写」というのがあります。


正直、この状況描写力は、今でもまだまだショボいです。「これから本格的に勉強していこうかな」と思っていた矢先に準1級に受かってしまったので、気持ちが萎えてしまったんですよね……

ですが、1級レベルの難しい単語を知っていても、簡単な状況描写ができないのではカッコ悪いので(笑)、英検1級に合格した後に勉強しようかと考えています。



逆にTOEICのメリットとは?


ここまで英検のメリットをお伝えしてきましたが、TOEICにもメリットはあります。

TOEICはリスニングとリーディングの高得点だけで、まだしばらくドヤ顔できそうなんですよね(笑) 僕みたいにTOEICに特化して取った900点の英語力は、そんなにたいしたことないのですが、実力以上の評価を受けている気がしています。

英検はスピーキングとライティングも勉強しないといけないので、勉強時間の配分が大変です。なので、時間のない社会人は、TOEICから始めたほうがいいかもしれません

【参考】TOEIC 900点を超えたのでメリットとデメリットをまとめてみた


あと、「スコア」の点でも、英検のCSEスコアよりも、TOEICのスコアほうが信頼性が高いと感じています。僕よりもはるかに高い英語力があるのに、僕の英検のCSEスコアと変わらない方がおられたりするんですよね。

また、英検1級ホルダーのNOBUさんのブログ記事「CSEスコアに一貫性はあるのか?」を拝読させていただいたのですが、やはり英検のCSEスコアはまだベータ版と考えたほうがいいなという結論に至りました。


それでも、英検の特にリスニングPart 2(説明文問題)と読解のトピックはかなり興味深いですし、スピーキングとライティングを勉強することで、世界や日本のさまざまな社会問題に詳しくなり、英語で意見が言えるようになる点は非常に大きいと感じています。


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英検学習で得られる6つのメリット
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【 語彙・読解・英作文 】
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● 読解:対策と勉強法キーワード200
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【 リスニング 】
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【 二次試験 】
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