英語を身につけたければ「教える人」になるべし

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対象:英語の勉強が続かない/TOEICや英検が楽しくない 
読了:約7分(4074字) 
公開:2018-01/13 

英語学習を続けるコツは、「英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた」にまとめてきました。

ですが、「人に”英語を” or ”英語で”教える」ことも、英語を継続する秘訣の1つだと気づいてきたので、まとめてみることにしました。

ここで言う「教える人」というのは、「英語力の高い、立派な先生」ではなく、「プチティーチャー」くらいの感覚です。プチティー。

 

「教える」と身につきやすくなる4つの理由

(1) 人に教えると記憶に定着しやすい

「話す」「書く」に限らず、人に何かを説明して理解してもらうためには、まず自分自身が論理的に、体系的に理解する必要がありますよね。

興味深いことに、大人の脳というのは、ただの丸暗記よりも理解したほうが記憶に定着しやすいことが脳科学的に分かっています。


歳をとって、エピソード記憶が発達してくると、丸暗記よりも、むしろ論理だった記憶能力がよく発達してきます

………理論や理屈を覚えると、その論理が根底にあるすべての事象に活用できるのです。したがって、同じ記憶量でも、理論的な記憶のほうが高い有用性を発揮します。(P. 190)



学んだことを自分自身や自分以外の誰かに説明するという行為は、……非常に効果の高い学習だ。机に向かって教科書をじっと見続ける勉強に比べると、その効果は20~30パーセント高い。(P. 157)




(2) ”好きなこと”を”英語で”教えると一石三鳥

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この「人に教える」というのは、「TOEICや英検の勉強を教える」ということだけではありません。

例えば【 オンライン英会話 】などを利用して外国人に英語で何かを教えるという方法もあります。

つまり、「英語”を”教える」のではなく、「英語”で”教える」ということです。

英語で何かを教えるためには、


(1) 自分が学んだ or 調べたことを
(2) 論理的に・体系的にまとめ
(3) 英文になおし
(4) その英文を暗唱する


必要が出てきます。(3) 英訳・(4) 暗唱は、もうすでに英語の勉強ですよね。

僕はオンライン英会話を5年続けてきましたが、「毎日外国人に英語で何かを説明する」というのをずっと続けていると、使える英語が身についてきます

【参考】オンライン英会話 初心者が撃沈しないために準備すべき5つのこと


しかも、理解することに加えて、自分の興味のあることだと、より記憶に定着しやすくなることも研究で分かっています。


バーダマン(2013)は興味深いデータを紹介している。彼によれば、自分が「面白い」と思って読んだものは、可もなく不可もなくというものに比べて、インプット率(内容の定着率)が、1.15倍に上がるそうだ。(P. 44)





つまり、


● 自分が興味あることを
● 英語で
● 人に教える


という行為は、英語力向上に非常に効果的と考えられます。


(3) 人に喜ばれることは強力なモチベになる

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僕が英語を勉強するのは、もちろん自分のためでもありますが、読者さんがブログを楽しみにして下さっているというのが非常に大きいです。

もし100%自分のためだったとしたら、僕は英語を続けていないと思うんですよ。このブログを始める前は、数週間、数ヶ月勉強をサボることがしょちゅうありました(笑)

僕は意志の強い人間ではないので、自分のためだけだったとしたら、1万時間も勉強できていなかっただろうなと。


「やり抜く力」の強い人びとは、普通の人にくらべて、「意義のある生き方」「ほかの人びとの役に立つ生き方」をしたい、というモチベーションが著しく高い。
………「やり抜く力」のきわめて強い人は、自分にとって究極の目標は、自分という枠を超えて、人びととつながっていると考えている、ということだ。
………(他者の役に立つという)「目的」はほとんどの人にとって、とてつもなく強力なモチベーションの源になっているということ。(P. 208)




また、僕は英会話で、「ブログのノウハウ」「健康」「勉強法やモチベーション」「老舗企業」「成功哲学」などについてよく話します。

そういったことに興味がある外国人にはとても喜んでもらえるので、それも「英語でもっとうまく説明できるようになりたい!」というモチベーションになっています


(4) 人に教えているとサボれなくなる(笑)

僕は英語の先生になるつもりはないのですが、自分がやってきた勉強でうまくいったことや失敗したことをブログでまとめているので、結果的に「教える人」になっていると思います。

そして、自分の英語力やTOEICスコアも晒しています。

もし僕の英語力やTOEICスコアが下がってきたら、読者さんから信頼されなくなりますよね。TOEICスコアが下がり続けている人のブログなんて誰が読むかい、という話です。

人に教え始めると、自分にプレッシャーをかけることになるため、勉強をサボりにくくなることに気づいてきました。


Leaders are more powerful role models when they learn than when they teach. - Rosabeth Moss Kanter
リーダーは教えているときよりも、学んでいるときのほうがより優れた見本となる。



人に教えるのに「高い英語力」は必要か?

そもそも「高い英語力」ってどれくらい?

「英語力が高くないと教えてはいけないのではないか」と心配する人もいると思います。

ですが、そもそも「高い英語力」ってどれくらいなんでしょう?

例えば、TOEIC 900点を超えると世間一般では「高い英語力を持った人」と認識されていますが、TOEICに特化して取った900点の英語力なんて全然ショボいです。

映画もドラマも字幕なしでは聞き取れないですし、英会話やスピーキングのトレーニングをしていなければ満足に話すこともできません。これは「高い英語力」ではないはずです。

では英検1級があれば、高い英語力を備えていると言えるでしょうか?

英検1級はTOEIC 900点よりも難易度が高いと認識されていますが、英検1級ホルダーでも映画やドラマを字幕なしで見られる人は少ないですし、英語を流暢に話せるとは限らないです。


英語力よりも大切なこと

結局、どんなに英語力を高めたところで、ネイティブからしたらすべての”非”ネイティブの英語力は低いことになります。

なので、「高い英語力を持ってからでないと、英語を or 英語で教えてはいけない」というのは現実的ではないんですよね。

実際、僕の英語力はバイリンガールのちかさんのような帰国子女の人たちからしたら、ものすごく低いわけですよ。それでも、ありがたいことに月10~20万人(ユニークユーザー)くらいの方がこのブログを読んで下さっています。

このことから、英語力が絶対ではないことが分かります。

もちろん、本格的な「英語の先生」をめざすのであれば、「TOEIC 900点」や「英検1級」などがあったほうが有利だと思います。ですが、分かりにくくてつまらない先生の話は聞きたくない、というのは学生時代に味わってるはずです(笑)

個人的には、「あなたに教えてもらいたい」と言ってくれる人がいれば、英語力に関係なく、「教える人」になってもいいと思うんですよ。



人に教える環境を作る4つの方法


「教える人」になろうと思うと、まず相手に信頼してもらう必要があります。

「英語”を”教える」場合は、リアルですでに「教えて欲しい」という人がいればOKですが、そういう環境がない場合はまず、例えばブログやツイッターなどでアカウントを作って、自分と同じジャンルの勉強をしている人とつながっておく必要があると思います。人間関係は一日にして成らず。

参考までに、「英語”を”教える」のであれば、TOEIC 800点英検準1級を超えてくると、「どうやって勉強したんですか?」と聞かれやすくなってきます。

ですが、「英語”で”教える」のであれば、強力なコンテンツがあれば、低い英語力でも十分やっていけると思います。


(1) 1対1

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直接教えるのもありですし、無料のスカイプや「appear.in」を使ってオンラインで教えるのもありです。

「appear.in」も無料で利用できるのですが、スカイプと違って登録せずに使えるんです。

つまり、相手にスカイプIDなどを教える必要がない = 「そんなに親しくない人」とのビデオ会話がしやすくなるわけです。また、スカイプが不具合で使えない場合の代替えにもなります。

【参考】スカイプ、ハングアウトを超えうるビデオ会議サービス『Appear.in』


また、上述したように、日本人にTOEICや英検の勉強を教えることももちろんプラスになりますが、それ以上に外国人に英語で何かを教えるほうが、英語力ははるかに向上します

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた


(2) 勉強会を開く

講師として一方的に教える勉強会もいいですが、TOEICや英検の英文をみんなで精読してきてお互いに学び合うという勉強会もありです。

また、どこか会議室を借りてやってもいいですが、スカイプや「appear.in」を使ったオンライン勉強会だと、会議室代もかからず、手間もかからず、家にいながらパッと開催できるのでハードルが低いです。


(3) ブログを書く

ブログは一人で始められ、自分のペースで書いていけるので最も敷居が低いと思います。

僕みたいに英語の勉強法をまとめて発信してもいいですが、このブログに辿り着いておられる皆さんはご存知のように、英語の勉強法をまとめているブロガーは星の数ほどいます(笑)

「英語勉強法まとめブログ業界」はレッドオーシャンなんですよね。

たくさんの人に読んでもらうためには、強い情熱と毎日更新が必要になりますが、最初の頃はほとんど読んでもらえないので、モチベーションを維持するのが大変です。

そこで、英語でブログを書くことをお勧めします。当然ですが、英語で書けばそれ自体が勉強になります。

また、英語でのライティングは、スピーキングと違って、辞書やネットで調べながら自分のペースでできるメリットがあります。

さらに、日本語でブログを書いている限り、1億3千万人が上限です。そのうちネットを使って検索したり、ブログを読んだりする人なんて、多くても数千万人というレベルだと思います。

ですが、英語話者はネット上に3億人くらいいるらしいので、10倍くらい読んでもらいやすいことになります。


(4) 動画を発信する

バイリンガールのちかさんみたいに、日本人向けに発信しようと思うとかなりハードルは高いと思います。だって、英語力が高い人の動画を見たいじゃないですか?

ですが、外国人に向けて発信するとなると、ちょっと話は変わってきます。

極論ですが、ピコ太郎が「pen」「apple」「pineapple」のたった3語で世界一になったことを考えると(笑)、外国人に喜んでもらえるものを作ることさえできれば、高い英語力は絶対条件ではないことが分かります。




 
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