オンライン英会話では身につきにくい5つの英語力

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対象:オンライン英会話に少し慣れてきた/英会話中級者 
読了:約10分(6216字) 
公開:2018-02/03 
更新:2018-07/24「日本について説明する英語力」追記 
関連:オンライン英会話の効果 / TOEICや英検では身につきにくい5つの英語力

僕は2012年頃にオンライン英会話を初めてから、5年で2150回(895時間)やってきました。オンライン英会話は、月額6000円程度で毎日25分英語を話す機会を作れる画期的なサービスだなと。

TOEIC 900点英検準1級を取得し(=リスニング力を伸ばし)、アクティブ語彙(使える語彙)増やす練習を毎日1時間やりつつ、2000回レッスンを受ければ、ネイティブ並にペラペラ!とは言えないものの(笑)、それなりに話せるようになります。

オンライン英会話のメリットについては「オンライン英会話を1000回受けたので効果をまとめてみた」にまとめました。

ですが、2000回受けてみて、オンライン英会話では身につきにくい英語力もあると思うようになってきました。

というわけで、この記事ではオンライン英会話のデメリットとその解決策についてまとめていききます(・∀・)b
 

オンライン英会話では身につきにくい英語力

(1) サバイバル英語力

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英語で仕事する、英語圏に旅行・移住するにあたって、生きていくために最低限必要な英語力を、このブログでは「サバイバル英語力」と呼ぶことにします。

「英語で何かを注文する・予約する」「英語でクレームを入れる・問題を解決する」「英語でメールのやりとりをする」「英語のアナウンスを聞く」「英語の注書き・告知を読む」のに必要な英語力です。

TOEICで勉強すると、このサバイバル英語力(のインプット)はある程度獲得しやすいのですが、オンライン英会話では、サバイバル英語力が身につきにくいと感じています。


【解決策】

もちろん、

ネイティブキャンプ:「旅行英会話」「ビジネス英会話」
DMM英会話:「トラベル・文化」「ビジネス」
産経オンライン英会話:「日常英会話 初中級~中上級」「ビジネス英会話」「職業別英会話」
レアジョブ英会話:「旅行英会話」「実用英会話」「ビジネス英会話」

などでロールプレイをやっていればある程度は身につくと思います。

【参考】オンライン英会話 ぶっちゃけどこがいい?おすすめスクール4選


ですが、多くのオンライン英会話ユーザーは「フリートーク」か「ニュース記事レッスン」がメインで、上述したようなレッスンを受けている人は少ない印象があります。

かく言う僕自身もそうで、正直、面白くないんですよね(笑)

僕がTOEICを勉強し続ける理由の1つは、このサバイバル英語力を維持向上するためでもあります。

英語圏に住んでいたり、国内在住でも英語を使って仕事しているのであれば、サバイバル英語はほぼ自動的に身についてくると考えられるので、必ずしもTOEICはやらなくてもいいと思います。

ですが、僕みたいに国内在住で、英語で仕事していない人にとってTOEICはサバイバル英語を身につけるのに有効な選択肢の1つだと考えています。

【参考】TOEIC 対策と勉強法リンク集


いずれにせよ、将来「英語で仕事する」「英語上級者をめざす」のであれば、サバイバル英語力は必須です。


(2) 状況を描写するスピーキング力

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オンライン英会話を初めて約3年半経った、2016年の秋に英検準1級を受験しました。

何とか合格することはできたのですが、2次試験にある「4コマ漫画を英語で描写する問題」に苦戦しました。

【参考】英検準1級 2016年第2回 結果・感想と勉強してきたことまとめ


英検の公式サイトの「準1級の過去問」の下部にある「二次試験」→「問題と解答のサンプル」にその4コマ漫画があるので、時間のある方は、2分間で4コマなので、1コマ30秒ずつで各コマの状況を英語で描写してみて下さい。

いかがでしょう?けっこう難しくないですか?

「Model Narration」を見てみると、知ってる単語ばかりで「なんだこうやって表現すればいいのか」と気づくわけですが、知ってるからと言って使えるわけではないんですよね。いわゆるアクティブ語彙とパッシブ語彙ですね。

【参考】オンライン英会話 スピーキングでアクティブ語彙を増やすアイデア


当時、3年も英会話をやったのに描写する英語力はほとんど出てこない or 描写できてもかなりシドロモドロ……

準1級の合格レベルがかなり低いので何とか合格できたものの、僕のあのレベルで合格させちゃダメだと思ったんです(笑)

オンライン英会話は「自分の仕事や趣味、興味あることについて話すスピーキング力」「ニュースや社会問題について自分の意見を言うスピーキング力」は向上しやすいです。

【参考】オンライン英会話 初心者は「自分を英語で説明できる」ようになれ!


ですが、フリートークや記事レッスン中心だと、「状況を描写するスピーキング力」は身につきにくいと考えています。


【解決策】

無料なら「NHK WORLD TV」のドキュメンタリー系の番組をお勧めします。特に旅歩き番組「Somewhere Street」は、一人称視点での描写が学べます

【参考】オンライン英会話 スピーキングの流暢さを促進する「英語で独り言」


オンライン英会話なら、「ネイティブキャンプ」の「スピーキング」、「DMM英会話」の「写真描写」などは描写力を鍛えるのにいいと思います。

【参考】オンライン英会話 中級者に写真描写をお勧めする4つの理由


(3) 自然な(適切な)あいづち・応答力

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準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な勉強時間」でもご紹介しましたが、英語圏の子供は5歳になる頃までに、17,520時間の英語を聞くそうです。

その内訳を考えたとき、


子供が英語を聞く環境は

(1) 自分に話しかけてくる人の英語を聞く
(2) 二人以上の人の会話を第三者として聞く


という2つのパターンに分けることができます。

そう考えると、オンライン英会話は「(1) 自分に話しかけてくる人の英語を聞く」に相当するわけですよ。

自分の今までのオンライン英会話のレッスンを振り返ってみると、「相手の言っていることを聞き取る」「自分が次に言うことを考える」ので精一杯で、「自分が言ったことに対して、相手がどういう表現を使ってあいづち・応答をしているのか」にはあんまり意識がいってなかったなと(笑)

そういうところに意識がいくようになってきたのはわりと最近なんですよね。

つまり、ある程度聞き取れる&話せる英語力がないと、「(1) 自分に話しかけてくる人の英語を聞く」の環境だけでは、適切なあいづちや応答は身につきにくいのではないかと感じています。


【解決策】

TOEIC Part 2Part 3」「英検のリスニングPart 1」「映画やドラマ」などは「(2) 二人以上の人の会話を第三者として聞く」に相当します。

(2)の環境は聴くことに集中でき、英文スクリプトがあれば、どういう表現が使われているかも分かるので、自然なあいづちや応答が身につきやすいと感じています。


ただ、TOEICや英検は表現がフォーマルなので、ネイティブのカジュアルで自然な表現を身につけるために、最近は「映画・ドラマCD本」「ネイティブYouTuberの動画」「Speak UP Radio」「Netflix」を視聴していますが、「なるほど、この表現はこの状況で使うのか」というのが身につきやすいと感じています。

【参考】準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力


また「It's OK.」と「That's OK.」の使い分けは大丈夫でしょうか?先生から謝られて「気にしないで」と言いたいときに、「Don't mind.」「Never mind.」と言っていませんか?

もし該当されるのであれば、スティーブ・ソレイシィさんの本をお勧めします。




ネイティブが頻繁に使う自然な表現、あいづち・応答の使い方、またそれらをどういった状況で使えばいいのかが学べます。

YouTubeだと、日本人とアメリカ人のハーフで、サンフランシスコで英語を教えておられるJunさんのチャンネル「Hapa 英会話」も、日本人が間違いやすいいろんな表現の使い分けが学べるのでお勧めです!


(4) 日本について説明する英語力

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オンライン英会話って、スピーキングの自動化(流暢さ)を促進する場英語コミュニケーションスキルを伸ばす場でなんですよね。

漫然とフリートークや記事レッスンを受けるだけでは、日本の文化・慣習・食について説明する英語力(スピーキング力)は身につきにくいなと。

英語版Wikipediaの説明をそのまま読み上げてみたり、Googleで画像検索してそのイメージをそのまま送ってみたり、何となく騙し騙しでその場限りの説明をしたり…

そういうのを2~3年続けても、きちんと説明できるようにはならないと気づいたんですよね。

【解決策】

ネイティブキャンプ」なら「異文化コミュニケーション」、「DMM英会話」なら「日本のことを英語で話そう」などの教材でレッスンを受ければ、多少は説明できるようになると思います。

ただ、教科書的な教材のレッスンって、僕はあんまり楽しめないんですよね(;´∀`)

そこで以前、



を買いました。これをスラスラ言えるまで暗唱すれば、英会話でもスラスラ言えるようになるだろうなと。

ところが、今はすでに日課がたくさんあり、何かを暗唱する時間を別途作るのは難しいのと、暗唱よりも瞬間英作文をやりたいので、積ん読状態になっています。


そこで、最近は「NHK WORLD TV」の「Core Kyoto」や「Trails to Tsukiji」を主に視聴していますが、日本の文化・慣習や日本食を紹介する番組は、日本について説明する実用的な語彙・フレーズの宝庫だなと。

しかも映像があるので理解しやすく、記憶に残りやすい。

【参考】なぜ2歳児は過去形が使えるのか?英語学習は「視覚」が重要な件


ただ、漫然と視聴してるだけでは、アクティブ語彙(使える語彙)は増えにくいと気づいてきました。

そこで、「これは便利なフレーズだ!」「これは言えるようになりたい!」と思ったものは、フラッシュカード(単語カード)アプリ「Anki/AnkiDroid」に登録して瞬間英作文で回すようにしています。


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瞬間英作文でスラスラ言えるようになると、英会話でも出てくるようになります。


(5) 困った人に対応する英語力

基本的にオンライン英会話の先生って「いい人」ばかりなんですよ。

いい加減なレッスンをする先生は、生徒から予約してもらえなくなる(=仕事がなくなる)ことになりますし、人格的に問題があったとしたら生徒から事務局に通報され、あまりにひどいようであれば辞めさせられます。

その結果、みんな「いい人」になっていくわけです(笑)

また、「ネイティブキャンプ」「DMM英会話」の先生たちは、レッスン毎に生徒から5つ星で評価されます。

【参考】レッスン受け放題の「ネイティブキャンプ」を1ヶ月やってみた


これは生徒側にとってはいい仕組みなのですが、逆に先生たちにとっては、もし何か腹が立つことがあっても我慢しないといけなくなるわけです。ましてや、「Fucking Jap!」などの差別的な発言をしてくる先生はいないでしょう(笑)

ですが実際、外国人と仕事したり、英語圏に旅行・移住したら、出会う外国人全員が「いい人」で、日本人に好意的とは限らないわけですよ。アジア人を差別したり、バカにする人には必ず出会うはずです。

オンライン英会話では、こういった人間関係や人種間のトラブルに対処するための英語力が身につきにくいと感じています。



オンライン英会話とは?

オンライン英会話 ≒ 教習所内での運転+α

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オンライン英会話は、自動車学校で例えるなら「教習所内での運転」です。

教習所内では、運転ミスはあるものの、基本的にみんな乱暴な運転をしないですし、トラブルも起きにくいですよね。何かあっても教官が助けてくれます

なので、運転初心者の人には理想的な環境です。

ですが、自動車学校を卒業して実際の道路で運転し始めると、赤信号でも突っ走る車もあれば、歩道橋がないところで渡るお年寄りもいれば、急に飛び出してくる子供もいるわけです。

英会話もこれと似ているなと。

オンライン英会話は、英会話初級者にとって理想的です。

また、フリートークやディスカッション力を鍛えるのにも最適です。

僕が信頼している英検1級ホルダーのNOBUさんがイギリスに滞在されていたとき、オンライン英会話も同時にされていたんです。

「イギリスにいるならオンライン英会話は必要ないのでは?」と思うじゃないですか?ですが実際問題、ディスカッションしたり、自分の話に付き合ってくれる人はそう多くないそうです。

そんなわけで、オンライン英会話は初級者の練習場 & 中~上級者のディスカッション力を鍛えるしゃべり場としてもいい環境だと気づきました。

ただ、英語によるコミュニケーションを通して、何か失敗したり、困ったりして、それを解決する英語力は、オンライン英会話だけでは限界があると感じるようになってきました。


”オフ”ライン英会話も必要

というわけで、最近は”オン”ライン英会話に慣れてきたら、”オフ”ラインでも英会話をしたほうがいいと思うようになってきました。

例えば次のようなものです。


● 英語でボランティアガイドをする
Meetupで外国人と活動する
国際交流パーティに参加する
● リアル英会話スクールの体験レッスンを受けまくる


他にも選択肢はたくさんあるはずです。

特に10~20代の人は、今のうちに英語圏に長期留学 or 長期出張することをお勧めします。

僕は留学しなかったことを後悔しているんですよね。30~50代は結婚・子育てに追われるので、海外に長期で行く余裕はありません。60代に入ると海外に長期で行く「体力」がありません(笑)

また、短期留学よりも長期留学がいいです。
最低でも1年、できれば3年くらい行ったほうがいい気がします。人間関係でぶつかったり、ホームシックを経験したり、挫折しても踏ん張る経験が大事だと思うんですよ。

短期留学は「ライザッ◯」みたいなもんじゃないかと。そこに通っているうちはスリムですが、辞めると元の体重に戻る。そういう芸能人って多くないですか?

人生経験としてはムダにはならないと思いますし、刺激を受ける分にはいいと思うのですが、数週間の短期留学で英語ペラペラになった人に出会ったことがないんですよね。


どんな勉強・サービスにもデメリットはある

よく「TOEIC 900点あっても話せない」という批判がありますが、英検1級持っていても普段から会話やスピーキングの練習をしていなければ流暢には話せないんですよね。

そして、オンライン英会話はオンライン英会話で、上述したように身につきにくい英語力があるわけです。

TOEIC 900点を超えてから、いろんな勉強を試してきましたが、結局どんな勉強法・マテリアル・サービスにもメリットとデメリットは必ずあるなと。

だから、どれが正しいとか間違ってるとかはなくて、「自分は英語で何をしたいのか?」→「そのために、どういう英語力を身につけるべきなのか?」→「それに必要なマテリアルや勉強法は何か?」と自問することが大事で、その答えは一人ひとり違うわけです。

だから、上級者から学ぶことはあっても、自分と彼らを比べて落ち込む必要はないなと。

There is only one success -- to be able to spend your life in your own way. [Christopher Morley]
(たった1つの成功しかない -- 自分らしい人生を歩めることだ)


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