なぜ2歳児は過去形が使えるのか?英語学習は「視覚」が重要な件

469-visual-learning.jpg

対象:自分はたぶん聴覚よりも視覚優位だと思う/イメージするのってなんか難しい 
読了:約7分(4088字) 
公開:2018-02/10 
更新:2018-02/23 部分的に加筆 

TOEIC 900点をめざすのであれば「公式問題集やTOEIC対策本」をメインに、英検合格をめざすのであれば過去問をメインに勉強したほうが時間対効果は高いです。

【参考】TOEICスコアが伸びない人によくある9パターンとその対策

ですが、「NHK WORLD TV」「ネイティブYouTuberの動画」「Netflix」で、視覚的に英語を見聞きするようになってから、TOEICや英検のような「音声だけの素材」よりも、映像と音声の両方があったほうが状況を理解しやすく、言葉のニュアンスもつかみやすく、記憶にも残りやすいと強く思うようになってきました。

ただ残念ながら、「NHK WORLDや映画・ドラマで多少聞き取れるレベル」に到達するためには、TOEICリスニング400点&英検準1級くらいのリスニング力が必要なんですよね。

映像と音声がある初級者向けのマテリアルって、なんかあんまりなさそうだなと(もしあったら誰か教えて下さい)。

ですが、いったんそのレベルに到達したら、できる限り視覚を使って学習していったほうがいいと思うようになってきました。

 

視覚学習をお勧めする2つの理由

(1) 理解しやすく、記憶に残りやすい

● 視覚的に未体験 = イメージ化しにくい

英語の勉強法で「リスニングをするとき、暗唱するとき、英文を読むときは、イメージ化しましょう」というアドバイスがよくあるじゃないですか?

僕自身もこのブログでそうお伝えしてきましたが、ぶっちゃけ、イメージ化って難しいなと自分でも感じています(笑)

僕は英語で仕事をしたこともないですし、英語圏に住んだこともないわけです。視覚的に体験したことがなければ、イメージしにくいのが普通なんじゃないかと思うようになってきました。

特に、英語力初心者の頃は、それぞれの単語が持つ細かいニュアンスがつかめていないので、今から思うとホントに断片的にしか理解できていなかったなと。壁画の古代語を断片的にしか理解できていない考古学者みたいな。


もちろん、「上級者はトレーニング時にイメージ化してきたから、高い英語力を持っている」というのは確実にあると思います。

ですが、それ以上に「上級者は、海外経験や映画やドラマなどを通して、さまざまなシーンを英語で見聞きして(=視覚を通して経験して)きたからこそ、トレーニング時にイメージ化しやすい」という割合のほうが大きいんじゃないかと。

「イメージ化と英語力」は、因果関係ではなく、相関関係にあり、さらに、視覚を使って「さまざまな状況を英語で見聞きする習慣」を早く確立したほうが、英語力の向上は促進されるのではないか

そう思い至ったエピソードが2つあります。


● 過去形が使えた2歳児

supermarket-01.jpg

友達(日本人)の家に遊びに行ったときに、彼の2歳児の息子も一緒に車に乗せて、みんなでスーパーに買い物に行ったんですよ。

買い物しようとスーパーまで、出掛けた~ら~♪

僕らの車がスーパーの駐車場に着いたときです。その2歳の子が、


着いた―!


って言ったんですよ。

「着かないー」でも「着きますー」でも「着くー」「着けー」「着こー」でもなく、きちんと「着いたー」って過去形で言ったわけです。

もちろん、2歳児が過去形を理解しているとは考えにくいです。

なのに、なぜ彼が過去形を、しかも正しい状況で使えたのか?

実は、その2歳児の親(僕の友達)はよく、その子を車に乗せてそのスーパーに連れて行くらしいんです。そしてその駐車場に着いたときに、「◯◯ちゃん、着いたよ~」とか「着いたねー」とか毎回話しかけるわけですよ。

すると、その子は「なるほど、こう言う状況のときは『着いた』って言うのが決まり文句なんだ」ということを、その状況(視覚)と音声をセットにして覚えるわけです。

だから、ある特定の状況に出くわしたときに、「着いたー」のようにその状況に相応しい決まり文句が自然と出てくる = スピーキングで使えるんですよね。

「子供は文法を勉強しなくても使えるようになる」とよく言われますが、それはこういう理由だと気づきました。


● 容疑者がよく使う「might have 過去分詞」

suspect-01.jpg

「might have 過去分詞」ってありますよね。「~したかもしれない」というヤツです。当時、僕は900点を超えていましたが、これを覚えるのに苦労していました(笑)

ところが、「Netflix」で「私はラブ・リーガル」という弁護士もののドラマを見ていたときです。

ある容疑者がアリバイを聞かれたときに、「その時間は、そこに居たかもしれないが、俺はやってない!」みたいなことを言っていました。そこで「might have 過去分詞」が使われていたんですよ。

それ以降、ミステリー系のドラマを見ていると、そういう状況でよく使われることが分かってきました。

このお陰で「might have 過去分詞」は、「過去の出来事で断定したくないときに使う」というのを感覚的に理解することができたんです。そのドラマのシーンの映像(視覚)と音声とともに記憶に定着したわけです。

また、そうやって出会ったフレーズをフラッシュカード(単語カード)アプリに入れて【 瞬間英作文 】で回してきたことで、英会話でも使えるようになってきました。


TOEICや英検のようなほぼ音声のみの素材でも、英語力は身につきます。日本語訳がある素材だと、状況はある程度イメージできますから。

ですが、映像がある(=視覚を使える)素材のほうが、状況をより理解しやすく、より記憶にも残りやすいと感じています。


(2) 人間は視覚的な生き物である

woman-watch-sweater.jpg

Forbesで興味深い記事を見つけました。


Humans are visual creatures. Most of us process information based on what we see. 65 percent of us are visual learners, ...
人間は視覚的な生き物だ。ほとんどの人は自分たちが目にするものに基づいて情報を処理する。65%の人が視覚学習者である。

【出典】Why Infographics Rule - Forbes


つまり、65%の人は視覚を使ったほうが身につきやすいのに、TOEICも英検もほぼ聴覚しか使わないわけです。これってモッタイナイですよね。


People can remember more than 2000 pictures with at least 90% accuracy in recognition tests over a period of several days.

This excellent memory for pictures consistently exceeds our ability to remember words.

The reason why the picture memory is superior may be that pictures automatically engage multiple representations and associations with other knowledge about the world, which results in more elaborate encoding than occurs with words.

【出典】Humans Are Visual Creatures


大雑把に意訳すると、「人間はかなり正確に、2000枚以上の絵を数日間記憶できる。この画像の記憶力は、言葉の記憶力に常に勝るのである。その理由は、画像は自動的に複数の情報を結びつけるからで、それは言葉によるものよりも、より精巧なのである」といった感じでしょうか。

また、応用言語学の白井恭弘教授が著書で、「言語習得で絵を使うこと」に関する研究を紹介されていました。


日本語教育で、初級の学生にひらがな、かたかなを教えるのに、絵を使って覚えさせる教材がありますが、これも使わない場合に比べてずっと早く覚えられることが実験でわかっています。(P. 171)




つまり、視覚優位であれ、聴覚優位であれ、”文字だけ”よりも、映像・写真・イラストも使って勉強したほうが記憶に残りやすいと言えるはずです。


実際、「NHK WORLD TV」「ネイティブYouTuberの動画」「Netflix」を見ていて、自分が気に入ったフレーズをフラッシュカード(単語カード)アプリに入れて、【 瞬間英作文 】で回しています。

そのトレーニング時に「あ、このフレーズはあのドラマのあのシーンだな」と映像とともに思い出せるようになり、英会話で似たような状況になったときにパッと思い出して言えるんですよね。

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた



視覚を使える4つのマテリアル


理想を言えば、海外に長期留学・長期出張するなどして「体験する」のがベストなのですが、多くの人にとっては難しいことなので、パッと思い付くものを上げてみました。

もちろん「オンライン英会話を1900回やったのでデメリットをまとめてみた」でもご紹介したように、「オフ」ライン英会話も選択肢の1つだと思います。


(1) NHK WORLD TV

NHK-WORLD -TV-Live-01

個人的に、視覚を使える素材で一番やさしいのは「NHK WORLD TV」です。「日本」という背景知識があると、状況をより理解しやすくなると感じています。

とは言え、英検準1級くらいはないと厳しいかと。

自分の体験では、TOEIC 900点を超えたときは聞き取れる割合はそんなに多くなかったです。英検準1級に合格してから、そこそこ聞き取れるなってきたかもというレベルになりました。

専門用語の多い難易度の高い番組もありますが、次の番組は比較的やさしいです。




特に、世界中の街を歩く番組「Somewhere Street」は、 FPS(一人称)視点なので自分がその場にいるかのような感覚になりますし、英語での独り言、状況描写、会話表現が身につきます。超オススメ。

【参考】「NHK WORLD TV Live」が中級者の多聴に最適な5つの理由


(2) ネイティブYouTuberの動画

118-native-youtuber-01.png

「NHK WORLD TV」の次のやさしいのが、ネイティブYouTuberの動画です。

特に、SharlaさんRachelさんのように、日本在住のYouTuberの動画は、先ほどもお伝えしたように、背景知識があるので理解しやすいです。

また、YouTubeは再生速度を0.5~0.75倍速に落とすことができます。PC版Chromeなら拡張機能「Video Speed Controller」を使えば、0.1倍速単位でスピードを落とすことができます。

200~250 wpmで話すスピーカーでも、0.8倍速にすれば160~200 wpmにまで落とせるので、聞き取れる割合はけっこう増えますよ。

【参考】ネイティブの速い英語に慣れる!おすすめYouTuberまとめ


(3) 映画・ドラマ・アニメ

皆さんご存知だと思うので、あまり説明は要らないと思いますが、「Netflix」や「Hulu」などで映画・ドラマ、英語音声のあるアニメを見る方法です。

ただ、上述したNHK WORLDとネイティブYouTuber動画に比べると、難易度は上がると感じています。

ちなみに、Netflixでは、家族のヒューマンドラマものの「Good Witch」と、感情を持たない元兵士の少女が代筆業を通して成長していくアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は比較的聞き取りやすいと感じています。

日常会話が多いので、カジュアルな会話力を伸ばしたい方にお勧めかと。

Huluは試していないですが、NetflixではChrome拡張機能「Video Speed Controller」で、再生スピードを変更できました。

TOEICリスニング450点&英検準1級あると、0.7~0.8倍速にするだけで聞き取れる割合が増えるなと。


(4) マンガの北米版

洋書と比べると、北米版のマンガはイラストがある分、理解しやすく、会話がメインなので会話力向上にもいいと感じています。

ただ、ネイティブ向けなので難易度はけっこう高いです。英検準1級あっても知らない語彙はガンガン出てきます。

今の僕はリスニング重視なので、上述したような映像と音の両方があるマテリアルをメインにしています。


I hope these help. Enjoy leaning English!




 
同じカテゴリーの記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)


PAGE TOP