TOEICリスニング満点でも映画やドラマの聞き取りが難しい7つの原因

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対象:洋画や海外ドラマのリスニングが難しい 
読了:約8分(4763字) 
公開:2020-11/11 
関連:発音 - 音の連結・消失 / 映画・ドラマ発音練習CD本

TOEICのリスニングで何度か満点が取れたと聞くと、「洋画や海外ドラマを字幕なしで観られる」と思う方もおられるかもしれないですが、まだまだ絶望的なレベルです(ノД`)

ただ、2018年頃から

MJ and Adam Show(Speak UP Radio)
● Netflix
映画・海外ドラマの発音練習CD本
リスニング難度A+

などのネイティブの生のor生に近い英語が聴けるマテリアルでトレーニングしてきた結果、徐々に聞き取れる割合が増えてきました。それで、自分が聞き取れないパターンが分かってきたので、いったんまとめてみることにしました。
 

映画やドラマの聞き取りが難しい7つの原因

【原因1】速すぎ

TOEICや英検のリスニングでは、ツアーガイドのトークが出題されることがありますよね。あれがリアルだと思ってアメリカに行くと、とんでもないことになりそうです。

次の動画の00:40秒から、字幕なしで1分間聴いてみて、どれくらい理解できるか挑戦してみて下さい。




どうですか?TOEICや英検で特化して勉強して満点が取れたという人だと厳しいのではないかと。僕も初めて聴いたときは、部分的にしか聞き取れませんでした。

計算してみたのですが、このガイドさん、250~300 wpmの速さで話されているんですよね。


僕はYouTubeやNetflixを観る際は、基本的にPC版Google Chromeを使っています。

Chromeの拡張機能「Video Speed Controller」を入れると、たいていの動画サイトの動画を0.1倍速単位で再生スピードを変更できるんですよね。

それを使って、Netflixの「Mr. Iglesias」「Konmari」や、日本在住の北米ネイティブ2人のチャンネル「MJ and Adam Show」を見ているのですが、0.7~0.8倍速で観ると聞き取れる割合が増えるんですよね。

例えば200~250 wpmで話す人がいたとしても、0.8倍速にすると160~200 wpmになる = TOEICや英検のナレーターくらいのスピードにまで落とせるわけです。

なので、速いから聞き取れないというのは、やはり大きな原因の1つだと感じています。

【参考】[英語]音読の効果を爆上げしたいなら速さ(wpm)を意識するべし


【原因2】音の連結・消失が激しすぎ

とは言え、再生速度を遅くしても、100%聞き取れるわけではないんですよね。

特に、速く発音されることによって起こる音の連結・消失のパターンは、TOEICや英検ではお目にかかれないものも多く、その割合も多いと感じています。

次の動画はカナダ人のSharlaさんの動画です。




00:16 because I wen(t) on a holiday.
00:18 if you've ever been (to)
03:55 Cen(t)er of the Earth.
10:32 I'm starting (to) get hungry


これらの「t」の発音って聞き取れます?おそらく、


wen(t) on:ウェノン
been (to):ビヌ
Cen(t)er:セナー
starting (to):スターニン


みたいな感じに聞こえると思うんです。

英語教材マイベスト10に入る森田勝之先生の発音練習CD本



で知ったのですが、「t」の発音って、前の単語が「n」「ng」で終わると、「t」の音が消失しやすいんですよ。

なので、「been to」はゆっくり発音すると「bɪn tu(ビントゥ)」ですが、上のShalarさんのように速く発音されると、「to」の「t」音が消失して「bɪnu(ビヌ)」とか「bɪn(ビン)」になるんです。「to」は「ヌ」や「ン」に聞こえることがよくあるなと。

【参考】英語リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール


TOEICは2016年に新形式に変わってから、旧形式の頃よりも少し生の英語に近づいた(難易度が少し上がった)と感じています。

「wanna」「gonna」などの短縮版もよく聞くようになりましたし、ナレーターも速く話す人の割合が増えたなと。とは言え、実際の英語に比べるとまだまだ聞き取りやすく、易しい部類に入ると思います。


【原因3】発音のバリエーション多すぎ

リスニング難度A_-01

ナレーターではないごく普通のアメリカ人へのインタビュー音声を収録したCD本「リスニング難度A+」で脳内ディクテーションシャドウイングしていたとき、「kind of」が聞き取れなかったことがありました(˜∀˜;)

「t」同様に、「n」の後にくる「d」も消失しやすいので、「kind of」が「kin(d)⌒of(カイノヴ)」と聞こえたり、「of」の「f」も消えやすいので、「kin(d)⌒o(f)(カイナ)」と発音されるパターンは知っていたのですが、「kin(d)⌒o(f) know(カナノウ)」が聞き取れなかったんですよね。「カナノウってなんやねん!」って感じで。


他にも、「probably」という副詞ですが、「prάbəbli(プラブブリー)」がオーソドックスなアメリカ発音になると思います。

ですが、それ以外にも、そのときの話すスピードによって、「プラブリー」「プラリー」みたいに聞こえることがあるんですよね。

例えば、次の動画の27分49秒で聞こえる「probably」は「プラブリー」に近いと思うんですよ。




次の動画の25分37秒の「probably」は「プラッリー」のように聞こえます。




他にも、Youglishで会話の中で発話される「probably」の発音を聞けるのでいくつかチェックしてみて下さい。


こんな感じで、例え同じ人、同じ単語であっても、話す速さや状況によって発音が変わることがあるなと。TOEICだと、昔からいるオーストラリア人男性が聞き取りにくいと感じるのはこういう理由もある気がしています。


【原因4】人・国籍によって発音違いすぎ

New Yorkers English-400x300

2020年11月現在、上述した「リスニング難度A+」がよかったので、似たような普通のアメリカ人へのインタビュー音声を収録したCD本「New Yorkers' English (Amazon)」でトレーニングをしているのですが、今度は「figure」が聞き取れなかったんですよね(ノД`)

この本では、interviewee の国籍が分かるようになっているのですが、中国系の女性が「figure」を、「fɪgjər(フィギュア)」ではなく、「fɪgər(フィガー)」と発音していました。

英英辞典Collinsで「figure」を調べてみると、イギリス発音だと「fɪgəʳ(フィガー)」という発音なのですが、この中国人女性の「figure」の「r」の発音はアメリカ発音なんですよね。

この女性は基本的にアメリカ発音で、中国アクセントも特に感じないのですが、この「figure」だけは、標準的な(?)イギリス発音でもアメリカ発音でもないということになりそうです。

ちなみに、発音投稿サイト「FORVO」で「figure」の発音を聴いてみると、アメリカ発音はだいたい似たような感じですが、イギリス発音はいくつかバリエーションがあるなと。イギリス人だけど、アメリカ発音に近い人もいる感じ。

あと、オンライン英会話をやっていたときに、かなり流暢な米語を話すフィリピン人の先生が、「pronunciation」を「prənʌnsieɪʃən(プルヌンスィエイシュン)」ではなく、「prənʌnzeɪʃən(プルヌンゼイシュン)」と「c」の発音を濁らせる方がおられました。


このように、国籍によって発音が違うのはよくあることですが、同じ国籍でも複数の発音パターンがあるというのも、洋画やドラマを聞き取るのが難しい理由の1つだなと。

TOEICではアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアとありますが、ナレーターはだいたい同じ人たちなんですよね。英語初心者には易しくていいなと思う反面、英語力を測るテストとしては微妙だなと。


【原因5】言葉の省略多すぎ

次に難しい原因が言葉の省略です。

TOEICは新形式に変わってから省略は増えましたが、割合はまだまだ少ないかなと。

英検のほうが多い気がします。特に英検1級のリスニングPart 4(インタビュー)はわりと生に近い感じですよね。

言葉の省略には次のようなパターンがあります。


(I've) Never heard of it.
(I) Hope you get better soon.
(I) Will do (it).
(I'm) Heading back.
(I'm) Not sure if...

(Are you) Looking for something?
(Are you) Thinking about...?
(Are) You sure?

(Do you) Wanna join us?
(Do you) Remember me?
(Do you have) Any ideas?
(Do you have) Any questions?

(There's) Something bothering me.
(There's) No need to rush.
(Is there) Anything else?
(Is there) Any problem?
(Is) That you, Tsu?

(It's) No wonder...
(It) Looks like we're running out.
(It) Doesn't surprise me.
(That) Sounds great!


アメリカ出身で日本在住のSteveSoresiさんが著書で仰ってたのですが、英語は基本的には主語・動詞は省略しない言語だそうです。

日本語が話せるオーストラリア人のGordoさんも、バイリンガールちかさんとのコラボ動画(4分08秒~)で、「"Hot."や"Delicious."だけだと、It feels weird.(違和感がある)」と仰ってたんですよね。




ただ、「言語学者「英会話を上達させたいなら決まり文句を覚えるべし」」という記事でもお伝えしたように、頻繁に使われる決まり文句は、こんな感じで主語や動詞が省略されることも多く、またかなり早口で発話されることも多いので、最初の頃はすごく聞き取りづらいです。


【原因6】TOEICに出ない単語多すぎ

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専門用語や難易度の高い単語は仕方ないと思うんですよ。

ですが、ネイティブであれば誰もが知っていて、誰もが日常的に使っているのに、TOEICでは出てきにくい語彙・フレーズがあるなと。

【参考】TOEICに特化して取った900点は「初級」だった件


例えば「stuff:モノ = thing(s)」「cuz:becauseの短縮版」「suck:最悪」とか。

あと恋愛系の語彙。「go out with / date:~とデートする」「have a crush on:~に一目惚れする」「cheat:浮気する」とか全部、Friendsで覚えました(笑)

これらの語彙は、英検だと出てくる可能性はあるのですが、TOEIC氏は頑ななまでに硬派をきどっていらっしゃる。

特にリスニングパートの会話に関しては、英検のほうが試験範囲が広いと感じています。

TOEICで行われる会話って、同僚同士、上司と部下、客と店員、取引先くらいしかパターンがないのですが、英検だとそれに加えて親子、夫婦、先生と生徒、警察官とスピード違反者(笑)の会話があるんですよね。TOEICももっと広げたらいいのに。

【参考】TOEICでは身につきにくい、英検で獲得できる6つの英語力


【原因7】内輪ネタ多すぎ

Netflixで「Mr. Iglesias」というsitcomを観ていると、ラテン系のネタがちょこちょこ出てくるんですが、分からないんですよね。

よく言われることですが、洋画やドラマは背景知識がないと理解できないものの割合がけっこう多いなと。特に「Friends」などの「sitcom(コメディ)」はその国の文化・慣習・俳優・製品などを知っていないと笑えないことが多いですね。

ところが、同じNetflixにある「Konmari」は、内輪ネタが少なく、聞き取れる割合が多かったです。
NHK WORLD TV」を見ていても思うのですが、ドキュメンタリー番組は基本的に生の会話が中心で、洋画やドラマの台詞のように練られてない分、比較的理解しやすい気がします。



 
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