めざせ英語ペラペラ!スピーキング上達に不可欠な3つの練習

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対象:スラスラ話せない/英会話がマンネリ化してきた/同じ表現ばかり使っている 
読了:約10分(5905字) 
公開:2018-06/27 
関連:スピーキング - アクティブ語彙 - 「聞く」時間を増やす

お陰様で2012年にTOEIC 900点を超えてから、オンライン英会話を始めて5年が経ち、レッスン数は2096回(873時間)になりました。

スピーキング力を伸ばすために、いろいろ試行錯誤してきましたが、2018年現在「これは欠かせない!」と自分が感じている勉強&トレーニングが3つありまして、それをまとめてみました。

ただ、どちらかと言うとある程度話せるようになってきた中級者の方向けの内容なので、スピーキング初級者の方は「オンライン英会話 初心者が撃沈しないために準備すべき5つのこと」のほうが参考になるかもしれません。

それでは行ってみましょう!
 

スピーキング上級への到達に不可欠な3つの練習


上述したように、現時点で「これは欠かせない」と感じている勉強&トレーニングが3つあります。


(1) スピーキングの自動化を促進する
(2) アクティブ語彙を増やす
(3) 人の会話を大量に視聴する


詳しく説明していきます。

(1) スピーキングの自動化を促進する

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● 瞬間英作文メインで伸び悩み始めた

2013年頃は、オンライン英会話よりも、瞬間英作文に費やす時間のほうがずっと多かったんです。

数をこなせばこなすほど、アクティブ語彙(文法や構文も)が増え、英語で言えることが増えていたからです。

瞬間英作文メインで、ある程度まではスピーキングの流暢さは上がっていったのですが、一定のレベルで伸び悩み始めたんですね。

そこで2014年に入ってから、ふとオンライン英会話のレッスンを毎日受けることを日課にしたんです。

すると、「日本語→英語」の変換スピードが速くなり、スピーキングの流暢さが上がってきたんです。また、それまでは英会話の後はけっこう疲れていたのですが、毎日受けるようになってから疲れにくくなったんです。

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた


● 瞬間英作文や暗唱だけでは足りない

瞬間英作文暗唱などで、アクティブ語彙(使える語彙)を増やすことは大事なのですが、それだけだと流暢さが上がりにくいことが分かりました。

それと並行して、オンライン英会話英語で独り言など、実際に英語を使って話す(=即興で英文を作る)トレーニングも毎日やることで、スピーキングの自動化が進み、流暢さがより向上しやすくなるなと。


第二言語習得を研究されている、応用言語学の白井恭弘教授が著書で、スピーキングの自動化について説明されていました。


中学・高校の英語では、実際に話すことによって自動化をすすめるためのスピーキング練習が圧倒的に不足しています。

またスピーキング練習がないということは、学習者が頭の中でリハーサルをする必要性もないことになります。これでは、話す力が身につかないのも当然です。(P. 136)


意識的に学習された知識が徐々に自動化されて使えるようになる、という主張があるのです。

人がスキルを習得するときは、最初はゆっくりで、慣れるにしたがって早くなることが多い。

よく例として使われるのが、車の運転ですが、最初のうちは、キーを入れるところから、一つひとつゆっくり順番を考えながらやらないとできないし、個々の動作にかなり注意を払わなければなりません。

ところが慣れてくると、ほとんど自動的にできるようになり、人と話をしながらすることすらあります。これが知識の自動化です。言語習得も同様におこる、というのがこの自動化モデルの立場です。(P. 112~113)




あと、英検のサイト内にある「英語教育研究センター」にも、興味深い研究が紹介されていました。


量を保証することにより知識が定着し,さらにそれが自動化した技能として習得されれば,日本語を介さずに英語をそのまま使うことができるようになる。

……このように学習者の習熟度が増すにつれて,内的翻訳(頭の中で訳すこと)をする量が少なくなる傾向があることは実証研究でも確認されている(Kern, 1994)。(P. 186)

【出典】第二言語習得を加速させる流暢さのトレーニング(PDF)|英検


端的に言えば、英語は使えば使うほど、自動化して流暢になるということです。


● 自動化を促進する方法 (1) 英語で独り言


自動化を促すトレーニングで、最も手軽にできるのは「英語で独り言」です。Anytime、anywhere、できますし、当然ですがお金もかかりません(笑)


アウトプットをすることにより、自分の言えることと言えないことがはっきりするので、自分の言語のどこにギャップがあるか、気がつく、という主張があります。これは、かなり重要な効用でしょう。

ただし、これは実際にアウトプットをしなくても、リハーサルでも同様の効果が得られます。

……最も重要なのは、アウトプットは、自動化の効用がある、ということでしょう。自分の知識を取り出して、それをうまく順番につなげて文をつくるのは、大変なことです。文法知識なり、単語なり、すばやく取り出して言えるようになるには、話す練習が効果的だと思われるからです。(P.147~148)




ただ、「英語で独り言なんて、どうやったらいいのかイマイチよく分からない」という方もおられると思うんですよ。僕自身そうでした。そこで、次の記事で英語で独り言を実践するノウハウをまとめたのでぜひ!ヾ(゚Д゚ )

【参考】オンライン英会話 スピーキングの流暢さを促進する「英語で独り言」


相手がいなくても、いつでもどこでもできるというメリットがある「英語で独り言」ですが、裏を返すと……

相手がいないので「自分の言いたいことが正確に伝わるのか確認できない」「自分の発音が通じるのか確認できない」というデメリットがあります。

また、僕みたいに「人と話したほうが、英語が出てきやすい」という方もおられるかと。


● 自動化を促進する方法 (2) オンライン英会話

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そういう方は、月額6000円前後で、25分のレッスンを毎日1回受けられる格安オンライン英会話スクールを利用するといいです。




「自動化」という観点から、個人的に最もお勧めなのは、1日に何回レッスンを受けても定額の「ネイティブキャンプ」ですが、なるべく先生をきちんと選びたいなら「DMM英会話」のほうがいいですね。

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた


● 自動化を促進する方法 (3) 英会話サークル

あと、「英会話サークル」を利用するという選択肢もあります。

Googleで「英会話サークル」を検索すると、地元で開かれている日本人同士で英語で話す英会話サークルを見つけることができます。1回500円前後で、1~2時間くらい。

ただ、グループレッスンなので、基本マンツーマンのオンライン英会話に比べると話す時間は減りますし、一方的にしゃべりたガールやボーイが1人でもいるともう最悪。

また、日本人同士なので、例え間違っていたとしても「おそらく、こういうことを言っているんだろう」と分かってしまう部分があります。


そんなわけでは、僕は基本的に毎日オンライン英会話を2回やるのを日課にし、空いた時間や散歩中は英語で独り言をする、という感じです。


(2) アクティブ語彙を増やす

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● アクティブ語彙とは?

リスニングやリーディングでは理解できるけど、スピーキングやライティングでは使えていない語彙を「パッシブ語彙」、スピーキングやライティングでも使えるレベルに到達している語彙を「アクティブ語彙」と言います。

英会話のレッスン中に「◯◯って英語で何て言うんやろう?」と思って、あとで辞書で調べてみたら知ってる単語だった(ノ∀`)アチャー というのは「英会話あるある」だと思うんですよ。

この知ってるけど使えていない「パッシブ語彙」をいかにしてアクティブ化させていくか。

また、英会話を始めて数ヶ月経つと、「いつも同じ語彙・フレーズばかり使ってるな…」というのも、英会話あるある。マンネリ化してくるんですよね。


● 英会話メインでも伸び悩む

僕自身も、2015~2016年頃は、オンライン英会話のレッスンは受けていたものの、TOEICと英検の勉強に集中していたので、瞬間英作文などのアクティブ語彙を増やすためのトレーニングはあまりできていませんでした。

結局、毎日徒然なるままにオンライン英会話のフリートークや記事レッスンをダラダラと受けるだけでは、スピーキングは伸びにくい(アクティブ語彙は増えにくい)ことが分かりました。

なので、少しでも早くスピーキング上級者に到達するためには、アクティブ語彙を増やし続けていく仕組み(日課)が必要だと痛感しています。

詳しくは次の記事でまとめています。

【参考】スピーキングが上達する!アクティブ語彙(運用語彙)の増やし方


というわけで、「(1) スピーキングの自動化を促進する」「(2) アクティブ語彙を増やす」の2つのトレーニングは、どちらが欠けてもいけないと思うようになってきました。


(3) 人の会話を大量に視聴する

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● スピーキング中心のデメリット

去年2016~2017年くらいまでは、「(1) スピーキングの自動化を促進する」「(2) アクティブ語彙を増やす」の2つだけで十分だと感じていました。

実際、この2つを続けていけば、スピーキングの「流暢さ」と「表現力」は向上していきます。

ですが、スピーキングの「正確さ」はどうでしょうか?

文法は正確に使えているか、あいづちは相応しい状況(場面)で使えているか。

最近、インプット量(特にリスニング)が少ないと、ネイティブが使う自然な表現、正確な文法は身につきにくいと感じるようになってきたんです。


外国語の知識があまりないうちから、積極的に話すと、変な外国語が身についてしまう可能性があるのです。

……もちろん、ブロークンでも話せないよりは話せたほうがいいので、このことを心配して話す練習をやめる必要はないですが、インプット(聞くこと、読むこと)とアウトプット(話すこと、書くこと)のバランスを考える必要があります。(P. 16~17)


母語話者(ネイティブ)は、どういう言い方が普通だと言う情報を、子どものころから無数の文や表現を聞くことによって身につけるわけです。

……第二言語習得においても、……まず多量のインプットを聞いたり、読んだりすることで何がおかしいかわかるようになるのです。(P. 116)




● スピーキングの正確さを伸ばしたい→聞くべし

実は最近、ようやく英語学習が本格的に始まった感覚があるんです。勉強時間が1万時間を超えてようやく(笑)

それだと英会話を始めたばかりの方にとって、あまりにも希望がなさすぎる気もするので、第1ステージ「英語”を”学ぶ」から、第2ステージ「英語”で”学ぶ」に入り始めたという感じでしょうか。


というのも、2018年に入ってから、映画やドラマに比べると易しい「Speak UP Radio」「NHK WORLD TV」の多聴精聴を日課にしてきたことで、聞き取れる割合がけっこう増えてきたんですよ。

2018年に入ってからTOEICスコアが徐々に下がってきているので、あまり説得力はないのですが(笑)、自分の感覚的には全体的なリスニング力は上がってきています。

「Speak UP Radio」は北米ネイティブ2人による会話なので、会話で使える実践的なフレーズが学びやすく、「NHK WORLD TV」は英語がやさしめ&映像があるお陰で、中級者の僕でもかなり聞き取れ、映像とともにフレーズが記憶に残る(=スピーキングに転移しやすい)と感じています。

【参考】なぜ2歳児は過去形が使えるのか?英語学習は「視覚」が重要な件


例えば、東京を中心に日本を紹介する番組「TOKYO EYE 2020」。




こういった番組を見ていると、

「TOEICで覚えたこの表現、こういう会話の流れでも使えるんだな」
「あー、英会話であのとき何て言ったらいいか分からなかったけど、このフレーズを使えばいいのか」
「この状況では、いつも◯◯を使ってたけど、ネイティブは△△のほうをよく使うな」
「日本語の◯◯は、英語では△△と言えばいいのか」

といったように、その会話の状況や場面に相応しい語彙・フレーズの使い方が徐々に身につくんですよね。

つまり、そこそこ聞き取れるレベル(TOEIC L450点&英検準1級くらい)に到達してようやく、リスニングを通して自然で正確なスピーキング力は身につき始めると気づいてきました。

【参考】スピーキングを伸ばしたいなら「聞く」時間を増やすべき5つの理由


「第二言語習得(SLA)」の分野では、聞くこと(インプット)が不可欠である、ということに異論をはさむ研究者はいません。

子供の母語の習得でも、まず、聞くことから始まります。そしてしばらく聞くことによって頭の中に言語の知識を蓄積していって、徐々に話すようになるのが普通です。

子供は、話し始める前から、すでにたくさんの言語知識がある、ということもわかっています。……聞くことによって、話すために必要な言語知識が身につく、ということです。(P. 18~19)




確かに子供は一日中、両親や兄弟や友達の会話、テレビの会話を聞いているんですよね。では、彼らはいったいどれくらい聞いているのでしょうか?


● 5歳児のリスニングとスピーキング

英語圏の幼児は三単現のsを本当に理解するには6年くらいかかりますが、5歳児になるころまでに母語を聞く時間数は17,520時間だそうです(Morley, 1991)。




2018年06月現在、僕は10,790時間勉強してきました。総勉強時間すら、まだ5歳児の17,520時間には届いていません(笑)

実際、5歳児よりも難しい語彙を知ってたりはするものの、基本語彙や文法に関しては5歳児のほうが圧倒的に上だと感じています。

彼らは僕よりも、速い英語を正確に聞き取り、スピーキングも僕よりも流暢で正確だなと。




というわけで、スピーキング上級者に到達するためには多聴は必須だと思うようになってきました。

【参考】英語「超」上級者は例外なく多聴多読していた件


● 初級者は精聴から

ただ、多聴は必須とは言え、聞き取れないものを大量に聞いても効果はほとんどないんですよね。

【参考】多聴多読を100万語やったので注意点をまとめてみた

「NetflixやHuluで大量に映画やドラマを見たけど、リスニング力は1ミリも伸びなかった」というのも、英語学習あるあるかと(笑)


大切なのは、第二言語習得の最初のプロセスである「気づき」を促すようなインプット、すなわち難しすぎず、簡単すぎずといったほど良いレベルのインプット……を大量かつ継続的に取り入れることである。(P. 43)




なので、スピーキング上級者をめざすのであれば、そこそこ聞き取れるレベル(最低でもTOEIC L450点&英検準1級)に到達しておく必要がありそうです。

【参考】TOEIC 900点が確実に獲れる!6つの戦略と勉強法
【参考】英検準1級に合格したので勉強したことをまとめてみた





 
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