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公開:2018-08/24
更新:2019-06/22「(4) リスニング・リーディングの「正確さ」が向上」追記
何か熱中できるものがあり、それを英語を通してできるものがあれば、それをやるのがベストです。
洋画・ドラマ・ニュース・小説・洋楽・ゲームなど、毎日何時間でもやれるくらいハマれる何かがあると上級レベルに到達しやすいと感じています。
ですが、初級者でそんなに夢中になれるものがある人って少数派だと感じています。だから多くの人は挫折してしまうんですよね。
そこで、特に熱中できるものがない場合や、「熱中できるものはあるけど、今の英語力では厳しい」という場合は、まずTOEIC 900点と英検準1級を取得することを個人的にはお勧めします。
この記事ではTOEIC 900点と英検準1級を取得すると「どういうレベルに到達するのか?」「どういうメリット・効果があるのか?」について説明していきたいと思います(・∀・)b
TOEIC 900点と英検準1級は最初の関門

TOEIC 900点は英語上級者のように見られることがありますが、「TOEICに特化して取った900点は「初級」だった件」でお伝えしたように、そんなに高いレベルではありません。
TOEIC 950点の僕の英語力では、洋画を字幕なしで完全に理解するのはまだまだ厳しいですし、先日はネイティブだらけのイベントに参加したのですが、彼らの会話の速さについていけず撃沈し、軽くヘコみました(笑)
ですが、英語初心者の頃に比べると、TOEIC 900点と英検準1級を取得する過程で身についた英語力(特にリスニング力とリーディング力)のお陰で、「英語"で"できること」が確実に増えたなと(内容は後述します)。
英語を1万時間勉強してきて、ようやくこのブログのタイトル「Enjoy Life in English!」が本格的に実践できるようになってきました。
同時に、英語を勉強すればするほど、外国語をマスターすることの難しさを感じます。
そんなわけで、洋画を字幕なしで観られ、洋書を辞書なしでスラスラ読め、英語を流暢に話せる「超」上級者をめざすのであれば、TOEIC 900点と英検準1級は、第1と第2の関門くらいに考えておいたほういいです。
【参考】準ネイティブレベルの英語力に到達するのに必要な語彙力
TOEIC 900点と英検準1級をお勧する7つの理由
続いて、TOEIC 900点と英検準1級を取得するメリットや効果について説明していきますね。
(1) 「英語”で”楽しめる」ことが増える

英語初心者の頃の英語力と比べると、TOEIC 900点と英検準1級を取得した結果、日本語に訳さなくても「英語は英語のままで理解できる割合」が大幅に増えました。
● オンライン英会話で聞き取れる割合がかなり増えた(→ 聞き返す回数が減った)→ より深いトピックでディスカッションができるようになった
● NHK WORLD TV・Speak UP Radioで正確に聞き取れる割合が増えた
● 英語ニュース&読み物サイトが正確に読めるようになった
ので、「英語"で"楽しむ」が格段にやりやすくなったなと。
TOEICや英検での勉強は「英語"を"学ぶ」段階ですが、TOEIC 900点と英検準1級を取得すると「英語"で"学ぶ」ことができるようになってきます。
その結果、多聴多読がやりやすくなりました。
(2) 多聴多読がやりやすくなる

「英語「超」上級者は例外なく多聴多読していた件」でもお伝えしたように、本気で英語上級者をめざすのであれば、遅かれ早かれ、多聴多読は必須です。
僕がロールモデルの1人にしている、多聴多読学習者のyukoさんのブログ記事「多読10年間のまとめ」から計算すると、多聴多読でだいたい月30万語の英語に触れておられるんですね。
なので、月30万語のインプットができるレベルをめざしています。
とは言え、英語を始めたばかりの頃は、リスニングでは単語が部分的に聞き取れるだけですし、リーディングでは知ってる単語から推測して読んでいる可能性が高いので、多聴多読をしていても、正確に聞き取れていない・読めていないことが多いんですよね。
なので個人的には、多聴多読は、初心者~初級者の方には積極的にはお勧めしません。
ですが、TOEIC 900点と英検準1級を取得すると、「NHK WORLD TV」「英語ニュース&読み物サイト」といった、洋画や洋書よりは比較的易しめの素材での多聴多読ができるようになります。
その結果、日常生活を英語漬けにしやすくなるんです。
【参考】多聴多読を200万語やったので効果をまとめてみた
(3) 洋画・ドラマ・洋書へのハードルが下がる

上述したように、TOEIC 900点と英検準1級を取得しただけでは、洋画やドラマを"字幕なしで"観られるようにはならないですし、ネイティブ向けの洋書やニュースを"辞書なしで"スラスラ読めるレベルには到達しません。
ですが、
● 勉強のやり方を知っている
● 語彙が6000~8000語になる
● 聞き取れる&読める割合が増える
● 辞書を引く回数が減る
ので、洋画・ドラマ・洋書・ニュースなどのネイティブ向けの素材に挑戦しやすくなります。
例えばPC版GoogleChromeに0.7~0.9倍速で再生&難単語に自動的に日本語ルビが入る拡張機能を入れると、Netflixの洋画やドラマで理解できる割合が増えるんです。
そして、
● Speak UP Radio
● ネイティブYouTuberの動画
● imagine-nation
● COOL JAPAN
● The Professionals
といった洋画やドラマよりは易しいけど、TOEIC 900点&英検準1級よりは速かったり、語彙レベルが高い「ネイティブの生の素材」は、内容を理解して楽しむには十分なくらい聞き取れるようになってきました。
次に、
があると(長押しで単語の意味を確認できるので)、背景知識があるカテゴリーであれば、ネイティブ向けの洋書にも挑戦できるようになったなと。
また、「Health | Time」「Barking Up The Wrong Tree」などのネイティブ向けのWebサイトも、苦手なカテゴリーでなければ読めるようになってきました。
(4) リスニング・リーディングの「正確さ」が向上

2017年までは、精聴精読&反復練習をメインにしていたのですが、2018年からは、多聴多読にも時間を割くようになりました。
1年半やってみた結果、多聴多読には多くのメリットがあるものの、注意点・デメリットもあると感じています。
その1つに、聞き取れなかった箇所を飛ばし聞き、知らない単語を読み飛ばしてしまいがち、というのがあるなと。
なので、聞き取れない音が聞き取れるようにはなりにくく、知らない単語や読み取れない文構造はなおざりになるんです。
ですが、TOEICや英検でハイスコアを取るためには、正確に理解できるリスニング力・リーディング力が必要になります。なので、TOEICや英検をやると、リスニング・リーディングの正確さが向上すると感じています。
また、TOEICの公式問題集や模試や英検の過去問など、問題を解くことでテスト効果が得られるので、記憶を強化できますし、忘却曲線をなだらかにする(=忘れるスピードを減退させる)ことができます。
(5) 明確な目標を作れる

英語の勉強を始めた頃の僕もそうでしたが、「英語ペラペラ」ほど曖昧な目標ってないと思いません?(笑)
これって厳密に言うと、「目標」じゃなくて「目的」なんですよね。
「英語ペラペラ」は「目的」です。「目的」は達成できたかどうかが分かりづらいんですよね。なので「目的」だけだと挫折しやすいんです。
ですが、「TOEIC 900点」と「英検準1級」は目標です。到達できたかどうかが明確で分かりやすいのが「目標」です。
上述したように、TOEIC 900点と英検準1級を取っても、英語ペラペラにはなりません。特にスピーキングが伸びにくいです。
ですが、「英語ペラペラ」という曖昧な「目的」から、「TOEIC 900点」と「英検準1級」という達成可能な目標に変換することで、「英語ペラペラ」にある程度近づくことができます。
【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
(6) 上達を感じられる

TOEICや英検を定期的に受けるようにし、毎日コツコツ勉強していれば、少しずつスコアが上がってきます。
スコアが上がると成長を感じることができるんですよね。さらに、「もっと高得点をめざそう」「合格まであと少しだ」という新たなモチベが湧いてきます。
今まで1万時間勉強してきましたが、結局「成長を感じられる」というのが最強のモチベになると確信しています。
「最初の頃よりも聞き取れるようになったな」「去年より速く読めるようになったな」「英会話でも聞き取れる割合が増えてきたぞ」などなど。
Harvard Business Reviewの記事「The Power of Small Wins」によると、最もモチベーションが上がるのは、progress(上達・成長)を感じたときというのがノーベル賞受賞者の研究で分かっています。
TOEIC 900点と英検準1級を取得すると、英語ペラペラにはならないものの、かなりの成長を感じることができ、それは自信につながります。
【参考】三日坊主の僕が英語学習を10年・1万時間続けられた秘訣
(7) オンライン英会話では身につきにくい英語力を補完できる

オンライン英会話を2000回受けてみた結果、フリートークや記事レッスン中心だと身につきにくい英語力があることが分かってきました。
(1) サバイバル英語力
(2) 状況を描写するスピーキング力
(3) 自然な(適切な)あいづち・応答力
(4) 日本について説明する英語力
(5) 困った人に対応する英語力
このうちTOEIC 900点と英検準1級を取得することで、「(1) サバイバル英語力」と「(2) 自然な(適切な)あいづち・応答力」をある程度補完できます。
サバイバル英語力というのは、英語圏で生きていく(住む・仕事・旅行する)のに必要が英語力のことです。
特にTOEICは、「英語で何かを注文する・予約する」「英語でクレームを入れる」「英語でメールのやりとりをする」「英語のアナウンスを聞く」「英語の注書き・告知を読む」のに必要な英語力が身につきやすいです。
2013~2014年に、TOEICから離れてオンライン英会話に集中した時期があるのですが、2015年に受けたTOEICのスコアは(910点から)790点まで下がりました(笑)
もしオンライン英会話ですべての英語力が身につくのであれば、スコアは下がらないはずですよね。
そんなわけで、僕みたいに国内在住で、英語で仕事していない人にとって、TOEICはサバイバル英語力を維持向上するのに最も有効な選択肢の1つだと感じています。
【参考】オンライン英会話では身につきにくい5つの英語力
(8) 万一失職したときの武器になる

僕は以前、コールセンターで契約社員として働いていましたが、2011年に契約を切られてしまいました\(・ω・)/
ですが、その時点でTOEIC 800点が取れていたので、それから1年間勉強を続けて、900点を取得することができました。
そのノウハウをこのブログにまとめてきた結果、お陰様で今はこのブログからの収入によって、何とか生きていけてます。
今は問題がなかったとしても、人生、何が起きるか分かりません。Tomorrow never knows.
ですが、TOEIC 900点と英検準1級を取得しておくと、万一会社が潰れたり、クビになってしまったときに、転職する際の武器になるはずです。
5年後、人生変わってるかも

というわけで、他に特別な目標がないのであれば、TOEIC 900点と英検準1級をめざしてみてはいかがでしょうか?
毎日2時間勉強するとして、このブログの勉強法を実践してもらえれば、TOEIC 900点を取るのに2~3年、そこから英検準1級を取るのに1~2年くらいかかると思います。
多くの人は、5年頑張れば両方取得できるはず。学生時代に英語をそこそこやっていた人だと、3年くらいで両方取得できる可能性があります。
確かに歳月はかかります。
でも逆に考えると、歳月をかければ(&間違った勉強をしなければ)、誰でも取れるのがTOEIC 900点と英検準1級なのです。仕事で頑張り続けても給料は上がらないかもしれないですが、英語力は上がり続けます(笑)。
今日から始めれば、5年後には「英語"で"楽しめる」世界が待ってますよ(・∀・)b
The best way to predict the future is to create it. [Peter Drucker]
● 真のバイリンガルは努力家だった件
● 英語学習 継続のコツ
【 多聴多読 】
● 英語「超」上級者は例外なく多読していた件
└ 多聴多読の効果 / 注意点
【 リスニング 】
● 脳内ディクテーション
● NHK WORLD TV / 映画・海外ドラマCD本
● ネイティブYouTuber
● ポッドキャスト「Speak UP Radio」
【 リーディング 】
● 英語ニュース&読み物サイト

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