TOEICを50回受験。最新の傾向と対策 リスニング編 [2018度版]

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対象:TOEIC受験を検討中/最近の傾向と対策を知りたい  
読了:約10分(5972字) 
公開:2018-08/23 

2008年から、TOEICを50回以上受けてきました

TOEICブログをやっているというのもありますが、公式問題集や模試で勉強する&試験を受けることで、

(1) オンライン英会話では身につきにくい英語力を補完できる
(2) 問題を解くことで正確な理解につながる
(3) 試験を受けることは刺激になる
(4) 自分の成長を客観視できる

というメリットがあると感じています。

リーディングはまだ満点が取れていないですが、リスニングパートは満点が取れるようになってきました。常にではないですが(^_^ゞ

そんなわけで、最近のTOEIC公開テストの傾向、そしてその対策と勉強のやり方についてまとめてみました。

Let's find out!
 

リスニングパート全体 傾向と対策

(1) 全体的にナレーターが速く話す回がある

僕が受け始めた2010年頃に比べると、2017~2018年現在は、時期にもよるのですが、「ナレーターのスピード、速ッ!」と感じる回に当たるときがあります。

2018年は、速さは落ち着いていますが、2017年はけっこう速いと感じる回が多かったんですね。TOEICは、難易度が上下しながらも、徐々に難しくなる傾向にあるので、おそらくまたそういう時期がやってくると予測しています。


また、「速さ」は、映画やドラマほどではないですが、部分的には200 wpmを超えているときもあると思います。

参考までに、カナダ人YouTuberのSharlaさんの次の動画の最初の1分間がだいたい200 wpmくらいです。




公式TOEIC L&R問題集』では、オーストラリア人男性が、部分的に200wpmを超えるときがあると思うのですが、公式問題集のナレーターは公開テストよりもゆっくりだと感じます。


【対策】

というわけで、ディクテーションシャドウイングでトレーニングするときは、オリジナルのスピードで終わりにせず、1.2倍速まで練習することをお勧めします。

また、「勉強はできないけど聞き流しはできる」という状況のときは、過去にひたすら何度も反復した音声を1.5倍速で聞き流すのもアリです。

トレーニングしまくった音声を速いスピードで聞いていくことで、リスニングの処理速度が向上 → 速いナレーターについていける&音声を聞きながらPart 3・4選択肢を読めるという効果があります。

【参考】速聴の効果と注意点まとめ


(2) 公式問題集”に出ない”ナレーターが出る


公式TOEIC L&R問題集』には出てこないナレーターが、頻繁に公開テストに登場するようになりました。

聞き取りやすい人もいれば、非常に早口な人や、イギリス系のアクセントが強くて聞き取りづらい人が出るときもあります。


【対策】

ぶっちゃけ、リスニング400点までは特に対策しなくても大丈夫ですが、リスニング400点を超えてきたら、公式問題集以外の問題集、



などの質の高い(=TOEICを毎回受け続けている著者が書いた)模試や対策本もやって、公式問題集以外のナレーターの発音にも慣れていったほうがいいと思います。

お勧めの問題集は次の記事でまとめています。

【参考】TOEIC参考書多すぎ!僕が900点獲るのに役立った参考書まとめ


あと、息抜きに「NHK WORLD TV」の視聴はお勧めです(・∀・)b

NHK WORLDの番組は、自分の感覚ではナレーターが半分くらいはイギリスやオーストラリアなんですよね。

2018年からNHK WORLDを毎日視聴してきたのですが、イギリス系の発音に慣れてきて、以前よりも苦手意識がなくなってきました

【参考】「NHK WORLD TV」が中級者の多聴に最適な5つの理由


ただ、TOEICの英語とNHK WORLDの英語はそんなに被っていないので、NHK WORLDを大量に見てもTOEIC 900点は取れないかと。

スコア最優先の方は、NHK WORLDは息抜きにして、TOEIC本に集中したほうが時間対効果は高いはずです。

【参考】TOEICスコアが短期間で大幅アップする人に共通する6つの習慣


(3) IT関連の最新語彙・フレーズが出る

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これはリスニングパートに限らず、リーディングパートにも言えることですが、最近は「スマホアプリの開発」「SNSを使って宣伝」「オンラインレッスンの提供」「ECサイトのカスタマーレビュー」といった内容をよく見かけるようになってきました。

「ネットが使えるホテルの客室」とかは2010年頃(旧形式)からありましたが、スマホ・SNS・動画に関するネタは、わりとよく出会う感じがします。時代を反映してますな。

「develop an app(アプリを開発する)」「mobile site(スマホ向けサイト)」「video(動画)」など、単語自体の難易度はそんなに高くはないのですが、リスニングで一発で正確に聞き取って会話やトークの状況を理解できるかというとそうでもないなと。


【対策】

900点超えを狙うのであれば『公式TOEIC L&R問題集4冊』でしっかりトレーニングしてIT関連の語彙はきちんとインストールしておくことをお勧めします。

【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編


(4) 2018年、さらに難化したような

2010年頃は、リスニングパートは4~5問間違えても満点が取れたんですよ。

初級者の多くが正解して、上級者の多くが間違えたような「悪問」は換算されないような仕組みがあると聞いたことがあります。

ところが、去年2017年くらいから4~5問間違えると満点が取れないケースが出てきました。さらに、2018年からは1~2問間違えただけで満点が取れないケースも出てきました。


例えば、2016年05の公開テストのリスニングは、8問間違いでも475点が取れたんです。

ところが、2018年06月の公開テストは、4問間違いだったのに、同じ475点だったんですね。

誤答数は減ったのに2年前と同じスコアだったわけです。

実質、900点~満点が取りづらくなったと感じています。


【対策】

900点をめざすだけであれば、リスニングパートで数問落としても、リスニング450点以上は取れます。

【参考】TOEIC 900点が確実に獲れる!6つの戦略と勉強法


ですが、満点をめざす場合は、たった1問落とすだけでアウトになる可能性があります。そして、全問正解するために最も時間対効果の高い手段は、多解きです。

問題・正解・言い換え・ヒッカケのデータベースを徹底的に叩き込む。

僕みたいに毎日オンライン英会話英語ニュースを毎日3000語読む、NHK WORLD TVディクテなど、いろいろ並行する = TOEICの問題を解く時間が減る = 満点を取るのに歳月がかかるようになります。

なので、何らかの理由で満点を急ぐ人はTOEICに特化し、多解きすることを強くお勧めします。

【参考】TOEIC 990点満点を獲るための勉強法



Part 1 傾向と対策


Part 1は新形式に変わってから以降、大きな変化はないように感じています。

【参考】新形式TOEIC リスニング対策と勉強法まとめ


ただ、たまに「ん、この語彙はPart 1では聞いたことないな」というセンテンスが出てくるときもあるので、Part 1(アビメのL1・L3)で全問正解が取りづらいときもあります。

基本的には、『公式問題集や模試』と『信頼できるTOEIC対策本』を全パート合計で2000~4000問もやれば、Part 1でも9割以上は取れるようになってくるはずです。



Part 2 傾向と対策

(1) 間接応答問題(距離が遠い問題)

Part 2では、「文頭を聞き取るべし」というアドバイスがありますが、2018年現在、そのテクニック"だけ"で解ける問題は減ってきている(=高得点を取るのは厳しい)と思うんですよね。

特に、設問と選択肢の距離が遠く感じる「間接応答問題」が厄介です。

【参考】TOEIC Part 2 「間接応答問題」「距離が遠い問題」の対策

自分の感覚では3分の1くらいは間接応答問題という感じがします。

よく出るパターンの易しい間接応答問題もありますが、正確に聞き取れていないと解けないものが多く、さらに、満点ホルダーでも消去法でしか解けない非常に難易度が高い問題が数問出ることがあります。


(2) 設問が長い問題


のTest 1-Q14(14語)、Q24(15語)のように、設問の英文がかなり長いものが出ることがちょこちょこあります。

設問の英文が長く、例のオーストラリア人男性(僕はマイトと呼んでる)で早口だったり、アクセントが強くて聞き取りづらいナレーターというトリプルコンボだと、もう「今回オワタ...orz」ってなります。


【対策】

距離が遠い問題も英文が長い問題も、特効薬はないので、リスニング力を上げていくしかないです。

ただ、何でも聴けばいいのかというとそうではなくて、リスニング400点くらいまでは『公式TOEIC L&R問題集』を中心に、400点を超えてきたらリスニング対策本』で、問題と正解の応答パターン、ヒッカケのパターンのデータベースを増やしていくのが最も時間対効果が高いと考えています。

【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編



Part 3・4 傾向と対策

(1) よく出る鉄板ネタが減った

旧形式のTOEICでは、「飛行機が遅れた」「コピー機が壊れた」「ラジオのお天気情報」「交通情報」「ツアーガイド」「企業の自動音声」がよく登場しましたが、新形式に変わってからあんまり聞かないなと。

おそらく、受験者の英語力&TOEIC力が上がってきたため、ストーリーが分かりやすいと中級者でも簡単に正解できてしまって、上級者との差別化ができないからではないかと。

もう1つ興味深い点は、例えば



のリスニングパートで、情報を漏洩してしまった企業の話が出てきたりします。

他にも「閉館する映画館」「ある政策に反対する住民」など、以前のTOEICの世界ではめったに見かけなかったネガティブな内容の会話・トーク・文書に、最近出会うようになってきました。

個人的には、英検のリスニングみたいに「元同僚が警察に捕まった話で盛り上がる社員」「スピード違反で捕まったけど警察官に反論する男性」「銀行の不親切に激昂する男性」くらいの生々しいレベルに到達して欲しいです。


【対策】

TOEIC 700~800点までは『公式TOEIC L&R問題集』を1冊1冊じっくりやり込んでいけば大丈夫です。

ただ、900点以上をめざすとなると、実力を上げつつ、『至高の模試/精選模試』などで多くの問題に慣れるトレーニングも必要です。

【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 3・4編


(2) 意図問題は中~上級者向け

What does the woman mean when she says, "My parents and I love natto. That's why we're all human beans"?


といった、「意図問題」と呼ばれる問題がPart 3・4合わせて5問くらい出ます

意図問題は、話の流れや行間を読む必要があり、そこそこ高いリスニング力が求められるので、中~上級者向けの問題になります。

なので、700点(リスニング400点)未満の方は、あえて捨てて、残り2問をしっかり聞き取ることに集中したほうがいいかもしれません。


(3) 易しめの図表問題は押さえておく


Test 1のQ62-64のフロアマップが描かれた図表、Q65-67の棒グラフ、Q98-100のクーポン券、Test 2のQ62-64のスケジュール、Q98-100の棒グラフは、よく出るパターンの問題で、易しいことが多いです。

正解するために、どこを聞き取る必要があるのか、本文でしっかり理解し、オーバーラッピング(シャドウイング)暗唱で、きちんと聞き取れるようにトレーニングしていきましょう。

ただ、



のTest 2、Q68-70のように、図表の情報量が多く、「左の列の情報でくるのか、曜日でくるのか…」という問題は、先読みが間に合わなかったり、図表を意識していると、聞き取るべき箇所を聞き逃したりするので厄介です。

図表問題は、図表にとらわれ過ぎると3問とも全滅する可能性があるので、初級者は「Look at the graphic...」以外の残り2つの設問に絞るという戦略もアリです。

また、



のTest 1、Q68-70のようなイラストが書かれてある図表は、何を問われるか一瞬分からなかったりするので、セットによっては難しいときがあります。

ただ、こういう難しめの図表問題はそう多くはないです。


【対策】

Part 3・4の会話・トークを暗唱すると、会話・トークのパターンのデータベースを増える = Part 3・4で聞き取れる割合が増えてきます

また、会話・トークのその後の展開を予想しやすくなるため、リスニングがラクになる = 音声を聞きながらマークできるようにもなってきます。

暗唱した会話・トークのセットが増えれば増えるほど、Part 3・4の正答率も上がってきます

【参考】TOEIC Part 3・4が聞き取れない→「暗唱」で道は開ける!


(4) 選択肢が長めのものが多い回がある

昔と比べると、選択肢の英文が長いものが増えてきたなと。



Test 1のPart 3・4のように、全体的に選択肢が長めの回に当たることがあります。

選択肢が長いと、音声を聞きながらマークするのが難しくなりますし、先読みリズムも崩れる危険性が高くなるので厄介です。


【対策】

公式TOEIC L&R問題集』で設問・選択肢の速読トレーニングをやって、速読速解力をつけていくといいと思います。


リスニング編は以上になります。リーディング編も鋭意作成中です。もうしばらくお待ち下さい。

ちなみに、「旧形式以降、TOEICは受けていない」という方は、

新形式TOEIC 対策と勉強法まとめ リスニング編
新形式TOEIC リーディング対策・時間配分と勉強法まとめ

が参考になると思います。




 
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