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公開:2018-12/02
関連:オンライン英会話とは? / ライティングがお勧めな4つの理由 / ライティング便利サイト - HiNative - HelloTalk
2012年にTOEIC 900点を超えてから、僕はスピーキング力(英会話力)を向上させることを重視してきたので、長文のライティングはあまりやってきませんでした。
書く時間があったら、1回でも多くオンライン英会話のレッスンを受けたり、瞬間英作文などのトレーニングをしたかったんですよね。
ですがここ1~2年、書くこと(&英文タイピング)には、英会話やスピーキング練習にはないメリットがあることが分かってきたので、まとめてみることにしました。
Let's find out!
英語ライティング 4つの効果
(1) アウトプットの機会を作れる
「オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた」でお伝えした通り、英会話は慣れ(場数)なので、毎日レッスンを受けるにこしたことはありません。ですが、仕事や子育てなど時間的に厳しい方もおられると思います。
そういう方にとって、書くことは貴重なアウトプットの機会になるはずです。
出先での声を出せない環境や、家族が寝ていて静かにしないといけない時間帯でも、書くことならできますよね。
「真のバイリンガルは努力家だった件」でもお伝えしたように、英語圏で暮らしてきた帰国子女の方々は「日本語」の獲得に苦労されているなと。
LA育ちの英日バイリンガルであるメロディーモリタさんは、日本に住んだことはないそうですが、英語はもちろんですが、日本語もペラペラです。
彼女がその流暢な日本語を獲得できた一番の秘訣は、日記を書くことだそうです。小さい頃、日本語で毎日、日記を書いていたそうです。
また、「暗唱や瞬間英作文はどうもやる気がおきないけど、英語で日記を書く、Twitterで英語でつぶやくことならできそう」という方もおられるかもしれません。
マテリアル(教材)だけでなく、自分が楽しめる、自分に合った勉強法・トレーニングを見つける → 勉強自体を楽しめるようになる → 毎日続けられる → 継続は力なり。
【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
(2) スピーキングの正確さを向上できる

英会話は相手がいるので、すぐに答えないといけないですよね。そのため、文法や単語のチョイスはどうしてもテキトーになってしまいがちかと。
ですが、ライティングは自分のペースでできます。
文法や単語のチョイスに慎重になることができる。気になったら、その場で文法書や辞書やネットで調べることができます。
その結果、ライティングをやると、スピーキングの accuracy(正確さ)の向上に役立つと気がついてきました。
留学せずに国内で英語を学んで、New York Timesの東京支局で働いておられる上乃久子さんも、ライティングのメリットについて著書で触れておられました。
書く作業は、じっくり構成を考えることができ、時間をかけてグラマーを正しく確認することができるため、英語の精度を高める上で効果的な練習です。
でき上がった文章を音読する練習も組み合わせてみましょう。(P. 195)
また、僕は最近、自分が書いた英文は「HiNative」という無料のサービスで、ネイティブチェックを受けています。
自分が作った英文や、英辞郎やネット上で見つけたけど「この英文、なんか文法的にあやしい気がする」と感じたものは、HiNativeの「この表現は自然ですか?」で質問します。
すると、ネイティブ的に変な英文だった場合、必ずではないですが、添削してくれることが多いです。アメリカ人はほとんどみんな良い人なんじゃないかと思えてくる不思議(笑)
【参考】英語ライティングで気楽に使える無料の添削サービス「HiNative」
(3) 表現力を向上できる(アクティブ語彙を増やせる)
この動画によると、バイリンガールのちかさんも、日本語を勉強するために日本語で日記を書いていたそうです。
私はけっこう最初の頃(日本で働き始めた頃?)は、日記を書いてた。「今日はこういうことありました」とかって書くと、自分が使いたい言葉を調べながらするから、私的には役に立ったけれど。(12:58)
また、オンライン英会話のレッスン中は、「◯◯は英語で何て言うんだろう?」という症状が頻繁に発生しますよね。
かといって、レッスン中に何度も「One moment, please!」と言って、会話を中断するのも気を遣います。そして、レッスン後はそれ自体を忘れてしまう(笑)。
一方、ライティング中に「◯◯は英語で何て言うんだろう?」となったときは、すぐに辞書や文法書で調べられますよね。
あと、ライティング中は、英会話中のあの「きちんと伝わらなかったどうしよう…((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル」と心配する必要がないので、自分が普段使わない語彙・文法・構文を、躊躇せずに使うことができるんですよね。
英検のサイトで、そのことに関する研究が紹介されていました。
アウトプット活動に限定して言うと,スピーキングよりもライティング活動のときに学習者は新たに学習した構文をより多く試す(Weissberg, 2000),
すなわちライティング活動のほうがより多くの言語定着の機会を学習者に与えることができると考えられるためである。(P. 186)
【出典】第二言語習得を加速させる流暢さのトレーニング(PDF)
これは、ライティングは、アクティブ語彙(聞き取れる&読めるけど使えていない語彙)をより増やしやすいと言えるかなと。
実際、僕はオンライン英会話のレッスン中に、
(1) レッスン後に辞書・文法書・ネットで調べる
(2) 英文を作成
(3) 不安に感じたものはHiNativeでネイティブチェックを受ける
(4) フラッシュカード(単語カード)アプリ「Anki」にカード登録
(5) 瞬間英作文で150~200wpmでスラスラ言えるまで数週間回す
というトレーニングをやってきたので、短文ライティングはある程度やってきたことになると思います。
このフラッシュカード瞬間英作文を初めた2016年07月頃に比べると表現できることが増えた結果、自分の意見や考えを、より正確に、より具体的に言えるようになったと感じています。
【参考】スピーキングが上達する!アクティブ語彙(運用語彙)の増やし方
(4) 英語で日記を書くと成長を感じられる
おそらく、日本で「英語で日記を書くこと」を最も広められたであろう石原真弓さんの著書に、次のことが書かれてありました。過去の日記を読み返すと、気付くことがあります。それは、年を追うごとに間違いが減り、正しい英語で書けるようになっていったこと。(P. 2)
「三日坊主の僕が英語学習を10年・1万時間続けられた秘訣」でもご紹介しましたが、progress(成長・進歩)を感じられる仕組みを作るのが、最大のモチベ維持になることが研究で分かっています。
日記を書き続けることでも成長を感じられる = (日記が合えば)英語を続けるモチベになるはずです。
ライティング 4つの手段
日記
LAで英語を教えておられる、バイリンガルのJunさんが、Journaling(日記)の大きな効果について動画で説明されていました。私はロサンゼルスで、日本人を対象にマンツーマンの英会話の学校をこれまでやってきましたが、主婦からビジネスマン、全部のレベルに日常英会話を教えてきました。
で、これまでいろんな日常英会話を上達させる方法を教えてきたのですが、最終的に最も効果的だったのが、Journaling(日記)になるんですね。
…(生徒さんに)自分自身が人と話したい話題について書いてきてもらいます。(0:32~)
「日記でいこう!」と思った方は、Junさんのこの動画は一通り見ておくといいです。コツや注意点がとても勉強になります。
ただ、Junさんが動画で紹介されている「Lang-8」は、2018年現在、残念ながら新規ユーザーを受け付けていないんですよね。
短い英文なら無料のサービス「HiNative」で十分なのですが、長めの日記はオンライン英会話のレッスン中に先生に添削してもらうといいと思います。
国内で英語を学んでおられる有子山博美さんは、Twitterで英語でつぶやくことを勧めておられます。
「英語日記」や「英語手帳」がありますが、それをTwitterで行うとより挫折しにくくなります。
ネットで公開する以上、他人の目があるため、「きちんと正しい英文を作ろう」という気持ちになりますし、他の学習者やネイティブのユーザーたちとつながり、コミュニケーションを取ることもできます。(P. 61~62)
ただ、他人の目を気にしてしまうので、本音で書きにくくなるかもしれません。
SNS
Lang-8以外はあまり詳しく知らないのですが、外国人の多いSNSで、英語でコミュニケーションが取れるSNSがあれば、それも有効なライティングの手段になります。僕は今は、「HiNative」でネイティブと軽いやりとりを楽しむくらいですが、それでも勉強になっています。
なるほど、「こういうときは、◯◯という表現を使うのか」みたいに。
オンライン英会話だと、先生がどういう文法・フレーズを使ったのかはほとんど覚えていないですが、SNSだと相手が書いたことはネット上に残るので、いつでも確認できるんですよね。
何かお勧めなSNSがあったら、記事下にある「質問・感想・要望フォーム」からぜひ教えて下さい!
ブログ
ブログを英語で書く場合、以前は「Lang-8」がお勧めだったのですが、今は新規ユーザーを受け付けていないんですよね。そこでお勧めなのが、「blogger」です。一時期、ここで英語でブログを書いていたことがあります。
今はやっていないのですが、英語でブログを書いて公開しておくと、
というメリットがあると考えています。
僕はいずれ英語でもブログを書いていこうと思っています。
ライティングの手段をいくつかご紹介してきましたが、どれが正しい、間違っているというものもないですし、どれか1つに絞る必要もないです。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、とりあえず一通りやってみて、自分が楽しめるもの(=継続できるもの)を採用するといいと思います(・∀・)b
【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
ライティングの注意点
(1) 音読、できれば暗唱までやる
最初にご紹介したメロディーモリタさんは、動画で「(日記を)書いただけでは忘れてしまうので、私は声に出して読んでいました(3:52)」と仰っています。同様に、New York Times記者の上乃久子さんも。
(書いて)でき上がった文章を音読する練習も組み合わせてみましょう。(P. 195)
先ほどもお伝えしたように、僕は自分で作成した英文を瞬間英作文を通して、スラスラ言えるまで音読&暗唱してきました。100回以上反復しているものもあります。
初級者は150 wpm、中級者(TOEIC 900点or英検準1級)は180~200wpmでスラスラ言えるまで音読すれば、
(2) より速く話せる → 会話のキャッチボール回数が増える → 25分でより深い会話ができる
→ 英会話がより楽しくなる
という大きなメリットがあります(・∀・)b
(2) 英会話や英語で独り言も並行してやる
最初にもお伝えしたように、”書くだけ”だと、スピーキングの「流暢さ」は向上しにくいです。会話力を伸ばすためには、普段から声に出す必要があります。また、英会話は相手に伝わってナンボですよね。
なので、オンライン英会話のレッスンを受ける、英語で独り言、瞬間英作文などのトレーニングで、流暢さを向上させるトレーニングもできれば毎日やることをお勧めします。

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