英語何から始めればいい?→洋楽だと楽しみながら発音・リスニング・スピーキングが伸ばせて一石三鳥

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対象:発音をよくしたい/TOEICや英検は聞き取れるけど洋画やドラマの英語が聞き取れない/勉強の息抜きが欲しい/アメリカで歌手デビューしたい 
読了:約10分(6026字) 
公開:2020-09/25

先月から morning walk を始めたんですが、そのときに洋楽を歌いながら歩いています。

洋楽は、英語学習を始めた頃に、「英語耳」で勧められていたので、数曲やりましたが、その後TOEICの勉強に移ったので、しばらくご無沙汰していました。

ですが、久しぶりに1ヶ月くらい歌ってみて、あらためていろんなメリットが見えてきたので、まとめてみることにしました(・∀・)b
 

ネイティブの生の英語が聞き取れない問題


英語の勉強を頑張って、TOEIC 900点英検準1級を取った人であれば、TOEICや英検のナレーターのリスニングはかなり聞き取れるレベルに到達されているはず。

でもこのレベルって実はけっこう中途半端なリスニング力しかなく、「洋画やドラマが聞き取れない」「ネイティブ同士の生の会話についていけない」というのが大きな壁になるんですよね。

僕もオンライン英会話というコンフォートゾーンを抜け出すために、たまにMeetupのイベントに行くのですが、ネイティブ率が高いと撃沈します。

オンライン英会話で非ネイティブの先生たち相手にいくら流暢に話せても、ネイティブばかりのグループだと速さについていけないんですよね。


発音が流暢な人は洋楽好きが多いのかも

国内独学で、いわゆる「英語ペラペラ」に到達している人たちって、どんな風に勉強してきたんだろうと気になって、YouTubeで調べたことがあります。

また、オンライン英会話で英語力が高い非ネイティブの先生たちに会う度に、どう勉強してきたのかを聞いてきました。

一番多いのが、やはり洋画や海外ドラマ勢でした。その次に多いのが洋楽をひたすら聴く&歌う


Phie Hardisonさんは、小学生から洋楽をずっと聴いていたと仰っています。




YOKOさんも、歌うことが好きで、たくさんの洋楽を歌ってたそうです。



純ジャパとは思えないくらいの発音力&スピーキング力を持つこのお二人が、洋楽での練習を勧めておられたんですよね。

また、最近見つけたVellさんも、かなり流暢な米語を話されるのですが、



直接洋楽を歌うことには触れられてはいないものの、ミュージカルが好きだそうなので、歌もたくさん歌ってこられたのではないかと。彼女の動画自体がもうミュージカルっぽくて、なんか観てるとこっちまで楽しくなってくる。



洋楽を歌うことで得られる4つのメリット

(1) 発音がよくなる

英会話をやっていると、やはり発音って大事だなって常々思わされます。

上述しましたが、僕は英語を始めた頃に「英語耳」で発音練習をしていたのですが、日本人にしてはまだマシな発音をしていると思います。

とは言え、所詮は素人が我流で身につけたものなので、テキトーなところは多いですし、いい加減な発音で覚えてしまった単語やフレーズって通じないんですよねー。

そして、通じなければ当然、聞き返されます。オンライン英会話の貴重な25分が削られていくわけです。モッタイナイ。

でも今更、分厚い発音練習本とか買って発音を極めようという気はおきないわけです(笑)

そこで洋楽さんのご登場ですよ(=゚ω゚)ノ

音楽をされている方は「完コピ」という言葉を知っていると思います。オリジナルを完全にコピー(再現)できるまで何度も練習することです。

洋楽の完コピをめざそうと思うと、歌い手の声(発音)をしっかり聴くようになりますし、自分が歌うときもきちんと発音しようという意識が働くんですよね。この辺りが、洋楽を歌っていると発音が良くなる理由の1つではないかと。


また、TOEICや洋画の音声でトレーニングしているときって、僕はどうしても「意味」に意識がいってしまって、発音への意識があんまり高くないんですよね。

ですが、歌っているときは、自分の発音に意識を集中させやすいなと。

例えば、「th の発音がいまだにうまくできていないな。しばらくは、thの音をきちんと発音しながら歌っていこう」みたいな感じで練習していけるんです。

【参考】やらない人は損してる!発音を学ぶことで得られる4つの効果


(2) ネイティブの速い英語の発音に強くなる

当然ですが、TOEICや英検やNHK英会話のナレーターの聞き取りやすい英語と違い、洋楽はネイティブが自然なスピードで英語を発しています

なので、洋楽でトレーニングすればするほど、ネイティブのあの速い英語の音を聞き取れる割合も増えるなと。

【参考】「映画・海外ドラマを字幕なしで」への第一歩に最適な本


(3) 反復練習しやすい

音読やオーバーラッピング(シャドウイング)などの反復練習の効果は分かっているのですが、TOEICや英検の音声とかを何度も繰り返すのってつまらないんですよね(´・ω・`)

また、僕の場合、何度も繰り返して完コピしたいと思えるような洋画やドラマもあんまりなくて……

でも歌だったら、わりと何度でも反復できるなと。

歌うのが好きな人は、おそらく「ネイティブっぽく、つまらずになめらかに流暢に歌えるようになりたい!」というモチベーションが湧くので、反復することが苦でなくなるはず。

【参考】科学研究「英語学習は反復練習が大事やで」


(4) TOEICや英検のリスニングの練習の質も高まる

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TOEICや英検の音声をオーバーラッピングやシャドウイングで繰り返すだけだと、テキトーになってしまいがちだなと。どこまで繰り返せばいいのかも分かりにくい。

ですが、「洋楽を完コピして歌える」ようになろうと思うと、テキトーにはできないわけですよ。トータルで100回以上は歌う必要が出てきます。

なので、洋楽を歌っているうちに、どういう風に練習すれば、何回繰り返して練習すればいいのかというのが体感的に分かってくるなと再確認しました。

そうすると、普段のTOEICや洋画でのリスニングのトレーニングのやり方も、「洋楽を完コピするみたいにスラスラと言えるまでやる必要がある」というのが、理屈じゃなくて、直感的に分かってくるようになるわけです。

【参考】TOEIC 900点が確実に獲れる!6つの戦略と勉強法
【参考】英検準1級に合格したので勉強したことをまとめてみた


(5) メンタルにも脳にも良い

いくつかの研究によると、


歌うことで、 

● ストレス解消(コルチゾールが減るから)
● 集中力・記憶力向上(歌う→血液と酸素が脳に流れやすくなるから)
● 幸福感を得られる(歌=有酸素運動→エンドルフィン分泌→気分が良くなるから)


などの効果が得られる可能性が高いようです。

【参考】Singing Changes Your Brain | TIME.com
【参考】The world's most accessible stress reliever - BBC Future
【参考】Three Ways Singing Makes You Healthier | Making Music Magazine

気分転換になるので、TOEICや英検の勉強で溜まったストレスの解消にもなる。一石二鳥。



ハッピーになれる歌を歌う


American Counseling Associationの「100 Ways to Reduce Stress (PDF)」によると、ストレス解消には「Sing joyful songs / hymns (賛美歌)」が良いそうです。

「joyful song」とはどんな曲か。

「joyful」という単語を聞くと、昔近所にあったホームセンターの名前しか思い浮かばないんですが、Oxfordで調べると「very happy; causing people to be happy」と定義されていたので、自分がハッピーな気持ちになれる曲であれば何でもいいのかなと。

上記の「ストレス解消100の方法」を日本語で読みたい方は、パレオな男さんの記事をぜひ!

【参考】アメリカカウンセリング学会が推奨する100のストレス解消法


というわけで、独断と偏見でjoyfulな曲を、また、賛美歌が良いみたいなのでハモリ(合唱)感の強い曲を選んでみました。

Amazonへのリンクを貼ってますが、YouTube上では再生速度も変更できますし、必ずしも購入しなくてもいいかなと。僕みたいに外で、ウォーキング中にICレコーダーとかで練習したい人、アーティストを応援したい人用。


Stand By You - Rachel Platten


サビでガッ盛り上がる感じと、ちょっとスイングした感じのノリが好きな曲です。サビの途中から入るハモリが特に好き。「あなたがどんな辛いときでも側にいるよ」っていう優しい歌詞も好き。

Rachel Plattenは「Fight Song」もお気に入りです。「自分応援歌」という感じの歌詞がすごくいい。

【購入】Stand By You - Rachel Platten (Amazon)


Try Everything - Zootopia


歌詞も曲もポジティブですごく好きな曲です。

ウォーキングするときって、brisk walk(快活に歩く)のがいいらしいのですが、この曲を歌いながら歩くと、ちょっと速歩きになっていいんですよ。

【購入】Try Everything (Amazon)
※リンク先、なぜかタイトルがカタカナ表記になっていますが、きちんとオリジナル(英語)バージョンです。


Oh Happy Day - Sister Act 2


賛美歌と聞いたら、やはり映画「Sister Act 2 (Amazon)」の曲を思い浮かべるのですが、これも賛美歌なんだろうか。

Sister Actに出てくる曲って、どれも現代的なアレンジがされているので、歌っていて楽しいんですよね。

あと、ちょっと古いけど、いい映画だし、「ネイティブの英語を聞き取る練習用映画リスト」に入れようかな。

【購入】Oh Happy Day (From''Sister Act 2 '') (Amazon)

買って聴いてみましたが、貼り付けたYouTube(映画)の動画とはちょっと違うアレンジになっています。映画版のほうが好きかも。


Don't stop believing - Glee


歌詞自体は元気づけられる感じではないですが、メロディーとコーラスが好きな曲です。

個人的には、オリジナル版「Journey - Don't Stop Believin'」よりも、このGlee版のアレンジのほうが好き。さらにこのSeason 5版が好み。

ただ、AmazonにはGleeの1期(?)版しかなさそうです。

【購入】Don't Stop Believin' (Glee Cast Version) (Amazon)


We Are - One Piece


ワンピースの「We are」の英語版。おそらくファンの方が歌っていると思われます。僕、ワンピースはまだ最初のほうしか観てないのですが、この曲の速いテンポのビートとメロディが好きなんですよね。

ただ、かなり速い部類の曲になるので、洋楽初心者にはちょっと厳しいかも。洋楽に歌い慣れてきた中級者向けかなと。

ちなみに、英語版の「We are」は何人かの人が歌われている(カバーされている)のですが、この動画のは2番もきちんと歌われているので気に入っています。

Amazonで探してみたんですけど、見つからないんですよね。公式に発売されている英語版はないのかな。あれば買うのに。



練習のやり方

Step 1:発音をきちんとチェックする

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※タップすると大きく開きます。

ネット上に歌詞が落ちているので、それを拾ってきて、僕はEvernoteに貼り付けて、音の連結・消失をチェックし、不明な単語は意味を調べて書き込んでいます。

作成作業はちょっと面倒なのですが、最初の数十回は、この書き込んだ歌詞カードを見ながら歌ったほうが、注意ポイントが分かるので上達しやすいなと。

Evernoteなどのクラウド型のドキュメント系アプリに保存しておけば、出先で歌詞が気になったときも、サッとチェックできて便利っす。


Step 2:0.5~0.75倍速から始める

洋楽に初めて挑戦する人は特に、オリジナルスピードにはついていくのは難しいと思います。僕もまだ厳しいですね(˜∀˜;)

ですが、YouTubeは再生スピードを落とせるので、最初は0.5~0.75倍速から始めるといいです。

ついつい早く歌えるようになりたい気持ちが焦って、オリジナルスピードで始めてしまいがちなのですが、やはりまずはゆっくりで構わないから正確にきちんと歌えるようになることが大事だと感じています。


人々は正確さをおろそかにして、一時のスリルを追い求める傾向がある。

だから意識的にペースを落とすことが重要なのだ。……「(新しいスキルを身につけるときに)大切なのは、どれだけ速くできるかではなく、どれだけゆっくりと正確にできるか




僕は運動不足解消のためにウォーキングしながら or 近くの自然公園で歩きながらシャドウイングしたり歌ったりしたいので、SONYのICレコーダーを使っています。再生速度の変更や反復練習がすごくやりやすいのでお勧め(`・ω・´)b

【参考】科学研究「初めてやる練習は”速さ”よりも”正確さ”を重視しよう」


Step 3:歌詞を見ながら歌う

最初から一切歌詞を見ずに歌っていると、あとで歌詞をチェックしたときに、「あれ、思ってたのと全然違う歌詞だった」という事故に(笑)。

なので、やはり最初は、基本的には歌詞を見ながら歌ったほうがいいなと。

ただ、歌詞通りにスラスラっと歌えないところは、曲を止めて、歌詞を見なくても歌えるまで、何度も繰り返すのが大事。いわゆるリピーティングですね。1~2小節単位でリピーティングしてます。

曲を止めて、歌詞を見ずに思い出して歌う」という工程を入れることで上達速度は高まります。思い出すことで記憶は強化されるからです。検索練習


「覚えているかどうかをテストする」のだ。

……自分の記憶をテストすることが、本番のテストでの成績向上につながる。侮ってはいけない。自分を試すことには、自分で思う以上の価値がある。

テストは自分の力を測るツールとなるだけではなく、思い出す内容を修正し、それに伴い整理の仕方を変える役割も果たす。それにより、後から思い出す力が格段に高まるのだ。(P. 126)




Step 4:歌詞を見ずに歌う

歌詞を見ながらだいたい歌えるようになってきたら、今度は基本的には歌詞を見ずに、スラスラと歌えるようになるまで練習していきます。もちろん、歌えないところはその都度歌詞を見て確認します。

ちなみ、このときもまだ、スピードは0.5~0.75倍速くらいがいいです。歌詞を見ないで歌うとなると、難易度が上がるからです。

このスピードで、歌詞を見ずに滑らかに歌えるようになってきたら、徐々にスピードを上げていく。

【参考】脳科学者「思い出す&使うことで記憶は強化されるんやで」検索練習



めざせ100曲完コピ!


上述したPhie Hardisonさんが、動画内で「洋楽を100曲完コピで歌えるようになること」とアドバイスされていたので、100曲をめざそうと思います。

とは言え、歌と発音だけにそんなに時間を割り当てられないので、1ヶ月1~2曲くらいのペースで徐々にレパートリーを増やしていって、5~10年くらいかけて100曲をめざそうかなと。

もともと邦楽を歌うことが好きな人は、ぜひ洋楽にもチャレンジしてみて下さい。ともに頑張りましょう!
 
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