ネイティブ並みにペラペラ→そもそもネイティブは1日何分英語を話すのか?

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対象:英会話中級者/スピーキングが伸び悩んでいる/一応英語は出てくるが流暢にはほど遠い 
読了:約6分(3828字) 
公開:2020-11/05 
更新:2020-11/10 分かりやすさ向上のために一部加筆・修正 
関連:オンライン英会話 / 音読の速さ(wpm)を意識する

英語の先生はよく「英語はスポーツ似ている」と仰います。毎日コツコツ練習することで徐々に上達していくからです。納得です。

ところが、例えばマラソンのコーチであれば、「金メダルを取るためには、どれくらいのペースで走るべきか」を具体的な数字で教えてくれると思うのですが、英語の先生は「ネイティブ並みに流暢に話せるようになるためには、たくさん話せ、毎日話せ」と言うだけで、具体的な数字は示してくれないんですよね(´・ω・`)センセイー

で、素人考えですが、「ネイティブ並みにペラペラをめざすのであれば、ネイティブと同じくらい毎日英語を話す時間を作ったほうがいいのではないか?」と思ったわけですよ。

となると、「そもそもネイティブは毎日どれくらい会話をしているんだろう?」と気になりまして。

それで我らがGoogle先生に聞いてみたら、Scientific Americanの記事「Gender Jabber: Do Women Talk More than Men?」を紹介してくれました。
 

ネイティブは毎日どれくらい話しているのか?

北米の大学生は1日に約1万6千語話す

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Gender Jabber: Do Women Talk More than Men? 」では、テキサス・アリゾナ・メキシコの大学生396人に録音機材を付けてもらい、1日に何語話すのかを調べた調査が紹介されていました。

結果、1日当たり女性は平均16,215語、男性は15,669語を発話していたそうです。


ネイティブは200wpmで話す

次に、「ネイティブスピーカーは1分間に200語くらい話す」というのをよく聞くんですよね。

参考までに、次の動画の最初の1分間で、Sharlaさんは202語発話されていたので、平均的な速さは約200 wpm (word per minute)ということになります。




英語教育・第二言語習得の専門家である青谷正妥教授が、著書で次のように仰ってました。


テレビのアナウンサーなどは毎分150語で、これはノンネイティブのとっての一つの目安です。

ネイティブの友人同士なら、200語以上は平気ですし、ディベートや競売時の早口は350語から400語にも達すると言われますが (Chafets, 2006)(P. 21)



最初にお伝えした「北米の大学生は1日約16,000語話す」と「ネイティブは1分間に約200語話す」から計算すると、16,000÷200=80なので、粗い計算ですが、北米の大学生は1日80分くらい話している可能性があると推測できます。

専門家でもなんでもない素人の僕が導き出した数字なので鵜呑みにしてはいけないと思いますが、1つの目安として、ネイティブ並みに話せるようになりたいのなら、1日80分くらいは英語を話すという意識を持ったほうが良さそうだなと。

【参考】[英語]音読の効果を爆上げしたいなら速さ(wpm)を意識するべし



自分は毎日どれくらい英語を話しているのか?


皆さんは毎日どれくらい英語を発話しているか考えたことはありますか?

もちろん、厳密に測定することは不可能だと思います。ですが、オンライン英会話でレッスンを受けていれば、だいたいどれくらい話しているか近似値は導き出せるかと。

【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた


2013年にオンライン英会話を始めた頃の僕は、当然ですが自分の話している時間なんてまったく意識していませんでした。

今から思うと、レッスン時間の大半が先生が話してばかりだったので、1回25分のレッスンで自分が英語を話している時間は実質5分くらいだったんじゃないかと思うんですよね。かなり後悔しています(´・ω・`)

「北米の大学生は1日80分くらい話しているかもしれない説」を鑑みると、1日たったの5分しか英語を話していないのにネイティブ並みにペラペラをめざすとか、英語ナメ過ぎてたなと(笑)。

【参考】オンライン英会話 上達しない人によくある5パターンと改善策


1日2レッスンでも足りない

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僕は2020年現在、EnglishTalkネイティブキャンプオンライン英会話をやっていますが、毎日最低2回レッスン(50分)受けるようにしています。

ネイティブキャンプの教材「スピーキング」「5分間ディスカッション」などのこちらが話す割合が多くなるレッスンであれば、自分が話している時間は25分中だいたい15分、最大でも20分くらいかなと。

1日2レッスン(50分)受けているので、僕が1日に英語を話している時間は実質30分くらいと推測されます。

上述した「北米の大学生は1日80分くらい話しているかもしれない説」からすると、1日2レッスンでもまだ少ないことになります。

実際、感覚的にも1日2レッスンは話し足りないなーと感じるんですよね。

よく話すトピック(=よく使うアクティブ語彙)は維持できるのですが、話す機会の少ないトピックに関しては忘れていくスピードのほうが速いと感じるんですよね。アクティブ語彙を増やそうと思うと、自分の月間のスピーキング時間は意識したほうがいいと感じています。

【参考】スピーキングが上達する!アクティブ語彙(運用語彙)の増やし方


ネイティブキャンプだとレッスン受け放題なので、今すぐ1日4レッスン受けること自体は可能なのですが、今の自分の一番の課題はスピーキングよりもリスニングなんですよね。

オンライン英会話は2847レッスンやってきたので、聞き取ることさえできれば、何か自分の考えやアイデアは言えるくらいのスピーキング力は身についてきたのですが、正確に聞き取れないために、「Sorry?」と聞き返したり、トンチンカンなことを言ってしまうことが、当初よりかなり減ったとは言え、まだまだあるんですね(ノД`)シクシク

なので、リスニングでもっと聞き取れるようになってきたら、レッスン数を増やす予定です。

【参考】レッスン受け放題の「ネイティブキャンプ」を2年やってみた


英語で独り言で補完する

ネイティブキャンプ以外の方は、おもむろにレッスンを増やす前に、「英語で独り言」でスピーキング時間を増やすことをお勧めします。独り言なら無料なので(笑)

英語で独り言は、「英語コミュニケーションスキル」は伸ばしづらいものの、即興で英語を発することで、スピーキングの「自動化」は促進されるため、流暢さは確実に向上します。


アウトプットをすることにより、自分の言えることと言えないことがはっきりするので、自分の言語のどこにギャップがあるか、気がつく、という主張があります。これは、かなり重要な効用でしょう。

ただし、これは実際にアウトプットをしなくても、リハーサルでも同様の効果が得られます

……最も重要なのは、アウトプットは、自動化の効用がある、ということでしょう。自分の知識を取り出して、それをうまく順番につなげて文をつくるのは、大変なことです。文法知識なり、単語なり、すばやく取り出して言えるようになるには、話す練習が効果的だと思われるからです。(P.147~148)




脳科学者「思い出す&使うことで記憶は強化される」」という記事でもお伝えしたように、英語で独り言も、単語やフレーズを思い出して言うトレーニングになるので、英語で独り言をやればやるほど、単語やフレーズの記憶は強化されることになります。

英語で独り言のやり方については次の記事で。

【参考】オンライン英会話 スピーキングの流暢さを促進する「英語で独り言」


初心者はまず「自分を英語で説明できる」をめざす

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ここまでお話してきた内容は、基本的には多少英語が話せる人向けになると思います。

例えばジャズギターを習い始めたばかりの人が、いきなり1時間のソロの即興ライブをやっても、1時間ももたないですよね。最後まで弾ける曲もなく、弾けるフレーズもほとんどないレベルだと、同じフレーズばかり弾くしかない。誰がそんなライブ聴くねんと(笑)

英会話にも似たようなことが言えると思うんです。

英会話初心者の場合、アクティブ語彙(使える語彙)、使えるフレーズ・文法・構文など、英語で話せるネタ(引き出し)はほとんどないわけです。

引き出しがほとんどない状態で、(カランメソッドのようなレッスンでもない限り)、1日2レッスン(50分)やったとしても、リスニングは伸びるものの、スピーキングは伸びにくいと感じています。

それよりもまずは、自分の仕事(学業・活動)、趣味、興味のあること、好きな食べ物・映画・本、英語を始めた理由、友達や家族など、「自分」に関するあらゆることについて英語で説明できる、自分の興味あることであればいくらでも話せるというレベルをめざすことをお勧めします。

第二言語習得を研究されている応用言語学者の白井恭弘教授が、著書で次のように説明されています。


カーネギーメロン大学の日本語プログラムでは、ゼロから初めて週4時間、3ヶ月ちょっと勉強すると、15分の会話ができるようになります。中心となる言語活動は、自分のことや友だちのことについて話す、学生同士のインタビューです。

ここで大事なのは、自分のことについて話すということです。これまでの心理学や脳科学の研究で、他人のことよりも自分のことの方が記憶に残り、また脳の中でも自分のことについて処理する部位が異なっている、ということがわかっており(P. 136~137)




「自分を英語で説明できるようになる」ためのやり方やコツは、次の記事で解説しているのでぜひ!

【参考】オンライン英会話初心者のコツは自分を英語で説明できるようになること
 
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