公式TOEIC L&R問題集8 Test 1の発音や語句を徹底的に解説していく記事 [随時更新]

公式8-koushiki8-01

対象:英語初心者/公式問題集の勉強のやり方を詳しく知りたい/実用的な英語を学びたい
推奨:全レベル
読了:約4分(5211字)
公開:2022-07/02
更新:2022-07/03
関連:公式問題集の勉強のやり方 - 公式8

僕がTOEICの勉強を本格的に始めた2010年頃に比べたら、公式TOEIC L&R問題集はかなり使い勝手がよくなったと思います。語注も充実してますし、最近はリーディングパートの音声まで提供されるようになりました。

それでも、個人的にはまだまだ不満があります。

発音音変化の解説は一切ないので「なんでこんな発音になるんだ?!」ということは多々ありますし、「なぜこの文では、will ではなく、would が使われているんだろう?」といった文法事項の悩みにも答えてくれません。

また、僕の記憶が正しければ、英語・米語の区別も記載されていません。例えばTOEICで学んだ「pharmacy(薬局)」を英会話などで使ってみて始めて、「え、これイギリス英語やったん?!」と気づくことが多々あります(米語では drugstore)。

公式問題集だけでなく、他のTOEIC対策本でも、この辺りのことはあんまり解説されていないなと。たいてい和訳・語注・問題の解説のみ。

TOEIC 900点を超えてから、ネイティブの英語に触れるようにしてきましたが、TOEIC(&英検)と、実際のネイティブの英語の間にはけっこうギャップがあり、かなり苦労します。

「If it doesn't exist, create it yourself.(なければ自分で創ろう)」が自分のモットーなので、そのギャップを少しでも埋められるように、自分で解説してみることにしました。ただ、TOEICの勉強に割ける時間は1日40分なので、この記事も亀更新になります。ご了承下さい。

あと、もし需要がなかったら更新を止めます(笑)。参考になったらコメントorメッセージ下さい。それが励みになります!
 

公式TOEIC L&R問題集 8


公式TOEIC
Listening & Reading 問題集 8

ETS
2021-10/15

Amazonで見る
楽天で見る



Part 1


「Part 1は簡単なパート」とよく言われますが、個人的には今回のPart 1は全体的に難しく感じました。

TOEICリスニング満点=全部完璧に聞き取れている」わけではないんですよね。まだまだ修行中の身です。

ちなみに、問題番号横の「◯」は正確に聞き取れて正解できたもの、「☓」は間違えたもの、「△」はよく聞き取れなかったけど正解できたものや、消去法で何とか正解できたものを表しています。

Q-01:△

Q-01 (A)

口語(実際の会話)ではもっとシンプルに「A table lamp is on.」と表現することが多いです。

「turned on」程度なら大丈夫だと思いますが、TOEICや英検に出てくる表現を会話でそのまま使うと、ネイティブには冗長で堅苦しく聞こえる可能性があることを知っておいて下さい。

日本語では丁寧なことは良いこととされますが、USでは丁寧すぎると「よそよそしく聞こえる。フレンドリーじゃない」と感じる人がわりといるようです。

実際、オンライン英会話スクール「エイゴックス」で、TOEICや英検で学んだ語彙を使うと、USネイティブの先生に「表現が堅い」とよく注意されるんですよね(˜∀˜;)


Q-01 (B)

「are⌒on」は聞き取れました?「アーロン」みたいな発音になります。


Q-01 (C)

「picture」が「ピクチャー」ではなく「ピッチャー」と聞こえたので、脳が一瞬フリーズしました(笑)。

ただ、その後の「frames(額縁)」が聞こえたお陰で何とか正解を選べましたが危なかったです。

発音投稿サイト「Forve」で調べてみたら、イギリス人で1人「ピッチャー」に近い発音をされている方がいました。この方()です。

また、YouGlishで「picture」で検索して発音を聞いてみると、オーストラリア(AUS)の方は、ゆっくりでも「ピッチャー」に近い発音する人の割合が多いなと。

一方、アメリカ(US)だと基本的には「ピクチャー」と「c /k/」をきちんと発音する人の割合が多く、早口になると「ピッチャー」に近くなる感じ。イギリス(UK)は両方ともいる感じです。地域によって異なるのだと思われます。

「イギリス英語でしゃべりたい」というUK発音練習本によると、スコットランド・アイルランド・イングランド北部の一部の発音と、アメリカ発音に共通点があるのは、そこからアメリカへ移住した人が多かったからだそうです。

一方、オーストラリアは、イングランド南部の人が多く移住したそうです。


あと、「are⌒in⌒a box(アーリンナボックス)」のlinking(連結)は聞き取れましたでしょうか?リスニングが苦手な方は、こういう音変化に慣れていきましょう。

音変化にはいくつかのパターンがあります。ご存知でない方は次の記事でまとめてあるのでぜひ!

【参考】英語 リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール


Q-01 (D)

「A rug⌒is」も一瞬理解できなかったんですよね。「アラーギーズ」って聞こえたので、一瞬「新木さんの集団?」ってなりました。

知ってる単語で構成されていたとしても、自分が慣れていない組み合わせだと、音変化が変わるので、瞬時にパッと聞き取れないことは多々あります。

また、「rolled⌒up in⌒a」も「ロールダップイナ」と linking(連結)して聞こえるので、英語初心者の方には難しいかもしれません。

言語学者の方の話によると、聞き取れない音 ≒ 自分が発音し慣れていない音なので、毎日シャドウイング反復練習して音を覚えていきましょう。


rug が rolled up されているイメージできなかった方のために、「rolled up rug」をGoogle画像検索しておきました。お納め下さい。

この選択肢(D)は不正解ですが、公式問題集で不正解の選択肢として出てきた文(の一部)が、公開テストでは正解の選択肢として出てくることが多々あります

なので、不正解の選択肢であっても、聞こえてきた瞬間に状況がイメージできるように、画像検索し、何度もシャドウイングしてスラスラと発音できるようにしましょう。

不正解の選択肢でもきちんとトレーニングしていけば、より少ないTOEICで900点を超えることができます。節約節約~。


Q-02:△

完全に余談ですが、このUKの女性の声、好きです。2021年のUKの女の子の赤ちゃんの名前の1位はOliviaだったので、勝手にOliviaと呼ぶことにします。

Q-02 (A)

「one⌒of」は「ワンオヴ」ではなく、音が連結して「ワノヴ」と聞こえると思います。また、「women⌒is」も「ウィミニズ」と聞こえますね。


Q-02 (B)

これも、実際の会話では「talking on the phone」のほうがよく使われます。

「スマートフォンも口語では、smartphone よりも phone を使う」とHiNativeでUSネイティブに教えてもらいました。

次の clip でも、Faunaさんは授業中にスマホをマナーモード(silent mode)にするのを忘れて、着信音が教室中に鳴り響いたエピソードを話してますが、終始「phone」を使われてました。「smartphone」は1回も出てきません。




Q-02 (C)

「adjusting the height of a chair」は、音的には聞き取れたのですが、お恥ずかしながら意味がつかめませんでした。「adjust」はそこそこ使いますし、「height」も「I'm afraid of heights.(高所恐怖症です)」でよく使うのに。

普段、イスではなく地べたに座って勉強するので、僕はこのフレーズを使う機会がないんですよね(笑)。

先程も少し触れましたが、自分の知っている単語ばかりで構成されていても、自分が普段会話などで使わないものは、このように意味的に理解できなかったり、一瞬理解が遅れたりします。そんなわけで、公式問題集で勉強してシャドウイングでつぶしていきます。


あと、「chair」の発音ですが「チェアー」ではなく「チェー」みたいに聞こえると思います。

スペルの最後が「-ere」「-air」で終わる単語は、USでは「εər(エア)」と発音される傾向があるのに対し、UKやAUSでは最後の「r」の音を発音せず、「εː(エー)」という発音になる人が多いことを覚えておきましょう。

他にも、TOEICによく出るものだと、次のようなものがあります。

there:ゼー
where:ウェー
care:ケー
repair:リペー
pair:ペー


とは言え、UKも人種や階級やエリアによって違ったりしますし、他の単語との組み合わせによっても発音の仕方が変わったりするので、”絶対”ではなく、あくまでも”傾向”として押さえておく感じで。


Q-02 (D)

「front⌒of⌒a」も連結して「フロントヴァ」と聞こえますね。

ネイティブの生の英語に触れ始めると、「front」の「t」も reduction(消失)して、「フロノヴ」と発音されることのほうが多いことに気づいてきます。
※Part 3・4で、早口なナレーターならあり得るかも。

「n」の後ろにある「t」や「d」は reduction(消失) しやすいことを知っておくと幸せになれます。

【参考】英語 リスニングのコツがつかめる7つの発音ルール


また、(D)では、「is⌒standing」も連結するので、「women⌒is⌒standing」は連結して「ウィミニスタンディング」と聞こえます。「is」が聞こえなくなる感じがしますが、これがネイティブにとってのスタンダードな発音です。


Q-03:△

正解の選択肢(A)はよく聞き取れませんでしたが、他の選択肢が間違いだと分かったので、消去法的にギリギリ正解できました。

Q-03 (A)

そもそも、この写真の真ん中のあれ、「bread(パン)」に見えます?(笑) 僕は大根とか野菜に見えました。これ悪問ちゃうかなぁ。

音的にも、最初のほうがまったく聞き取れませんでした(笑)。CDをよく聞くと、ナレーターの方はわざわざゆ~っくり発音して下さっているのに、それでも聞き取れませんでした。

a loaf of / loaves of(カタマリの)」はTOEIC Part 1ではそこそこ見かける語彙ですが、TOEICで知って以来、僕は出会ってない気がします。英語圏に住んだり、洋画やドラマを頻繁に見てないと出会わなさそうです。


また、「loaves⌒of⌒bread⌒are(ロゥヴズオブレダー)」と全部linkingでつながって聞こえるんですよね。「of」と「f」と、「bread」の「b」は発音が近いので、linkingします。

YouGlishで「loaves⌒of⌒bread」を検索してみたので、ネイティブの生の発音を聞いておいて下さい。このQ-03の女性がいかにゆっくり発音してくれているかが分かります。

僕同様に聞き取れなかった方は、「loaves⌒of⌒bread」という1つのチャンク(フレーズ)として毎日反復練習で発音して覚えていきましょう。


あと、「piled⌒on⌒a(パイルドンナ) counter」は初心者の方には難しい音変化かもしれませんが、「piled on A(Aの上に積み重なって)」というチャンクは、Part 1では頻繁に出てきます。

初めて知ったという方は、「piled on」で画像検索してさらにイメージを掴んでおきましょう。


また、個人的には「counter」と聞くと、お店の「counter」やレストランの「counter」を思い浮かべるのですが、キッチンの”調理台”も「counter」と呼ぶのは知りませんでした。これも聞き取れなかった原因の1つかなと。

なので、Cambridge Dictionaryで調べてみました。

counter
(1) the place in a shop, bank, etc. where people are served (お店や銀行などで、人がサービスを受けるところ)
(2) a flat surface in a kitchen where you prepare food (キッチンにある平らな面で料理をするところ)


Google画像検索でも「counter」を調べておきました。さまざまな「counter」があることを画像検索で掴んでおきましょう。


Q-03 (B)

英語初心者の方は、「place」には「put」に似た「~を置く」という動詞の用法もあることを押さえておきましょう。品詞や語法を調べたいときは「Weblio英和辞典」が便利です。

名詞だと思っていた英語が、実は動詞としても使われる場合があるというのは、「英語学習を初めて驚くことあるある」の1つです。

他にも「double(2倍にする)」「store(保存・保管する)」「hand(手渡す)」とか、TOEICでよく出ます。


あと、この音声が聞こえてきた瞬間に、僕は冷蔵庫の”上に食べ物を置く”状況をイメージしてしまいました。

ですが、この音声では「on」ではなく、「in」なので、冷蔵庫の”中に食べ物を入れる”状況をイメージしないといけません。

冷蔵庫も、ネイティブは会話では「refrigerator」よりも、省略した「fridge」のほうをよく使います。


Q-03 (C)

「put on A(Aを身に着ける・Aを着る)」と「wear A(Aを身に着けている・Aを着ている)」は、昔からTOEICは大好きです(笑)。よく出るので違いを覚えておきましょう。

(C)の写真では、男性はエプロンを”身に着けている”ので、もし選択肢が「One of the men is wearing an apron.」なら正解になります。


また、「putting⌒on⌒an」も連結して「プティンゴナン」みたいに聞こえます。さらに「apron /éɪprən/」は「エプロン」ではなく、「エイプルン」に近い発音になることにご注意。これもPart 1でわりとよく出ますね。


Q-03 (D)

「handed⌒to」のように、「d」と「t」も近い発音なので、連結して「ハンディットゥ」のように聞こえます。

オンライン英会話写真を英語で描写するレッスンを受けているときに、このように物を主語にして受け身進行形で表現すると、基本的に「普通、こんな言い方はしないよ」とネイティブの先生には訂正されてしまいます(笑)。

何らかの理由で受け身進行形にしないといけない状況ではない限りは、

The store clerk is handing some food to a customer.
(店員さんがお客さんに食べ物を渡しているところです)

とかのほうが自然かと。基本的にTOEICで学べる英語は自然で実用性が高いと感じていますが、この不自然な受け身進行形だけやり続けるのが謎です。
 

この記事が参考になったら・役に立ったら、コメントorメッセージ下さい!更新を続けていきます。
 
同じカテゴリーの記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

(この一行は、各ページ下部に固定表示するサンプルです。テンプレートを編集して削除もしくは非表示にしてください。)


PAGE TOP