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公開:2015-11/26
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僕もまだリスニングが得意と言えるレベルではないですが、TOEICのリスニングで435~460点くらい取れるレベルになってきました。
自分の勉強を振り返ってみて「◯◯をもっと早くやっておけば、もっと早く成長できていてたのではないか?」と思うことが多々あります。
また、伸び悩んでる学習者さんをみてきて、そしてリスニングが得意な方を見てきて、いろいろ気づいてきたことがあるので、リスニングが上達しにくい人の傾向としてまとめてみました。
リスニングが伸び悩んでいる方のブレイクスルーになれば幸いです!ヾ(゚Д゚ )
1. 英語を聴く時間が1日30分以下

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先月は何時間、英語を聴いたか?
「リスニングが苦手!」という方の話を聞いていると、普段から英語をほとんど聴いていないという方が多いです。先月、トータルで何時間、英語を聴きましたか?
おそらく「うう…そもそも測っていない」という方が大半だと思うんですよ(笑) かく言う僕も、総勉強時間は測ってきましたが、リスニングに費やした時間はきちんと測ってなかったなと。
そのことに気づかせて下さったのが、ブログ「The Glad Game」の運営者のyukoさんです。yukoさんは、TOEIC特化型の僕の勉強とは対照的に、多読と多聴を中心に英語を学んでこられたそうです。
yukoさんはスゴイですよ。2008年のトータル2000時間のときに英検1級を取得され、2014年には「字幕なしで観ることのできる映画がかなり増えてきた」そうです!スゴイw(゚Д゚ )w
そのyukoさんが、共同運営されているブログの記事「リスニング3000時間の感想 | 100 Wish List」で、初期の頃のご自身の状況を次のように仰っておられました。
リスニングが出来ないと嘆いていた頃、実際のリスニング時間は月10時間も満たなかったと思います。
聞きとれない教材を繰り返し聞くのが苦痛で一日10分も続けられなかったのですが、スクリプト付きの音源を毎日リスニングをするようになってからは、聞けば聞くほどリスニング力が上がってくることを実感しました。
月10時間で年120時間と、(月50時間で)年600時間ペースでは、3年間で1440時間もの差が開きます。リスニングを習慣付けることが大事だと感じました。
この数ヶ月間で、僕がリスニング(オーバーラッピング・シャドウイング・速聴など)に費やした時間を計算してみたら、月15~20時間ほどでした…orz
僕自身はリスニングの勉強をしているつもりでしたが、肝心の実際に英語を聴いている時間は、はるかに少なかったわけです。
というわけで、今後はリスニング・リーディングにどれくらい時間を費やしたかもわかるように、「Google スプレッドシート」で「見える化」しました。
毎日最低30分、急成長したいなら1時間
僕のTOEICのリスニングのスコアは450点前後ですが、このレベルに到達&維持しようと思うと、少なくとも月15時間(1日30分)以上は英語を聞くようにしないと厳しいです。僕の場合、上述したyukoさんのように、リスニングのトレーニングに月50時間を捻出するのはちょっと厳しいですが、まずは月30時間(1日1時間)をノルマにしていこうと思います。
まずはリスニング100時間
上述したyukoさんはブログ記事「リスニング800時間」で、次のように仰っておられます。100時間を超えた頃から、ニュースやナレーションなどが格段に聞きやすくなったと自覚しています。
と仰っておられるので、まずは月15時間(1日30分)をノルマにして、100時間を短期目標にするといいかなと。
TOEICkerはTOEICのリスニング音声を100時間聴く、英会話でのリスニング力を上げたい方は『英単語・熟語ダイアローグ Basic1200(Amazon)』などの英会話本のCDを100時間聴く。
また、海外ニュースを聞き取れるようになりたい人は「ニュースで英会話」を100時間聴くなどを目標にすると良さそうですね。
【参考】「ニュースで英会話」をお勧めする5つの理由と勉強のやり方
ちなみに、yukoさんはリスニング約1000時間で英検1級に合格、4000時間で多くの映画を字幕なしで観られるレベルに到達されたそうなので、それをめざしていきたいなと。
それでは、次のリスニングが上達しない人によくあるパターン2へGO!
2.「聞き流し」ばかりしている

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「毎日一定時間聴くことが大事」なのは前項でお分かりいただけたと思いますが、BGM的に聞き流すのは効果が薄いです。
聞き流すこと自体は悪いことではないと感じています。リスニングが得意な方々に話をお伺いしていると、「スキあらば英語を聞いている」という印象を受けました。
ですが、そういった方々は、聞き流しだけでなく、聞き取れない音声の精聴(音と意味を一致させる作業)や【 オーバーラッピング&シャドウイング 】も必ずされているんですよね。
英語音声を流していても、それに集中せず、何か他の作業をしていた場合、音声の内容はほとんど頭に入ってこない=リスニング力はほとんど向上しないです。
yukoさんも、聞き流しの時間は勉強時間としてカウントされていないんですよね。それってつまり、効果が薄いからだと思うんです。
僕も今、ブログを書きながら「NHK WORLD TV Live」を聞き流していますが、勉強時間にはカウントしていません。
サッパリ聞き取れない → ディクテーション
リスニングというのは、(1) 音と文字を一致させ、
(2) 聞き取った音から意味をつかめる
ようにしないと聞き取れるようにはならないです。
「聞き流し」をしてきた方は、じっくり精聴することから始めて下さい。
自分が聞き取れない理由が「サッパリ分からない(ガリレオ風に)」という方は、まずディクテーションを試してみることをオススメします。
ディクテーションをやると、「自分がどの発音を聞き取れていて、どの発音が聞き取れていないのか?」を明確にすることができます。
【参考】リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける|効果、やり方
3. 理解していない音声をひたすら聞いている

例えば、「般若心経(YouTube)」を1年間毎日聞き続けたとします。
何かしらのご利益はあるかもしれませんが、般若心経の内容を理解できる日がくるとは思えないですよね。
また、日本語訳の一切ない「ウズベキスタン語会話」のCDを毎日聞き続けて、ウズベキスタン語が聞き取れるようになるようにも思えない。
そうです。「発音」「言葉の意味」「会話の状況」が分からない音声をずっと聞き続けても、理解できるようにはならないんです。
僕はこのことに気づくのに数年かかった気がします。
海外のネットラジオや「NHK WORLD TV Live」などを、意味を取りながら聴くのは効果があります。ただ、ストリーミング系は英文スクリプトがない=聞き取れなかった語彙を確認できないですよね。
つまり、すでに知ってる語彙・うろ覚えの語彙の定着には役立ちますが、未知語の習得がしにくい点には注意が必要かなと。
まずは精読する
リスニング音声の英文スクリプトを読んでみて、意味が分からない単語、うろ覚えの文法・構文、そして文構造(主語・動詞)は、「辞書」や「文法書」を使ってチェックし、まずは読んで理解できるようにします。【参考】リーディング苦手な人は「精読」で道が開ける!効果、やり方
状況がイメージできるようになるまで何度も聴く
精読が終わって、音声の英文スクリプトの意味を理解できたら、音声が聞こえてきた瞬間に、その会話・トークの状況がイメージできるようになるまで聴いて下さい。TOEICkerは『公式問題集や信頼できる模試』の音声を使うといいと思います。
英会話でのリスニング力を上げたい方は、上述した「ダイアローグ1200」などの英会話CDを、状況をイメージできるようになるまで何度も聴くようにするといいですよ。
CD1枚(約1時間)をトレーニングし終えるのに、2~3ヶ月くらいかかると思いますが、それを1年くらい続けたら、聞き取れる割合は大幅に増えるはずです。
4. 次から次へとテキストを変えている
聞き取れる割合がまだ少ないのに、次から次へと素材(音声)を変えている人も、上達しにくいです。
リスニングが苦手な人は、少なくとも30日間は毎日同じ音声を聞き続けたほうがいいですね。
僕は今でも同じ音声を20~30日間くらいは聞き続けています。【 オーバーラッピング&シャドウイング 】で、音声は大きめに、自分の出す声は小さめにしてやってます。トレーニングが終わったものも、スキマ時間などに復習として聴くようにしています。
結局、同じもの30日間くらい聞き続けないと音と意味を覚えられない=長期記憶に定着しないんですよね。
TOEIC リスニング400点までは精聴中心に
TOEICのリスニングで400点を超えるまでは、精聴を中心にしたほうがいいと感じています。リスニングで400点を超えてくると、半分くらいは聞き取れるようになり、だいたい何の話か分かるというレベルになります。
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 3・4編
リスニング400点を超えてきたら(半分くらい聞き取れるレベルになってきたら)、多聴を取り入れていくといいのではないかと思うようになってきました。

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